プロテイン・サプリメント

【プロテインの減量効果】なぜ、ソイよりもホエイを選ぶべきなのか?

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ソイプロテインでは体脂肪は落ちない?

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

アスリートや筋トレで体を鍛えている方にとって余計な体脂肪を落とすことはとても重要な問題ですが、「1週間でマイナス○kg!」と謳うサプリメントや健康食品に興味を持っていませんか?

サプリメントは様々なものが市販されていますが、中でも特にダイエットサプリは玉石混交です。ビフォーアフターの写真を見せられると「本当に痩せられるのかな?」と思ってしまいますが、科学的根拠の乏しいサプリも多く出回っているのが実態です。

間違ったサプリを選んでしまうと、なかなか痩せられないばかりか、筋力を落としてしまってかえって競技力を落としかねません。今回は減量や体脂肪燃焼のための、サプリメント・プロテインの選び方やその効果についてご説明致します。

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減量でサプリメントに頼り過ぎてはいけない

筋肉を落とさずに減量するための食事方法」でご説明していますように、減量期にはたんぱく質を十分に摂りながら適度なカロリー(エネルギー)制限をして、消費カロリーよりも摂取カロリーを少なくすることが基本となります。

カロリーのもとになる栄養素は、炭水化物・たんぱく質・脂質の「3大栄養素」にアルコールを加えた4つで、これらの摂取量やバランスを変えることが大切です。

たんぱく質は十分な摂取量を維持しつつ、まずアルコール(お酒)の摂取量が多い場合には優先的に減らすようにし、次に必要であれば炭水化物・脂質の摂取量をそれぞれ制限します。

脂肪の燃焼効果・代謝を促進する効果が認められ、医薬品やトクホとして効果効能を記載して販売されているサプリメント・お茶も確かにあります。しかし、体脂肪がついている根本的な原因である食事が改善されるわけではなく、「ダイエットサプリを飲んでいるから大丈夫」という油断があると食べ過ぎてかえって太ってしまう可能性もございます。

サプリメントの役割は「飲んで痩せる」というよりも、食事内容の見直しを前提として、カロリー制限を行う際に起こりがちな栄養不足を補助するものとして捉えるとよいでしょう。

減量のためのプロテイン活用

そんな減量中の栄養補助に役立つサプリメントとして「プロテイン」がございます。プロテインはたんぱく質を手軽に摂取できるサプリメントですが、筋力アップだけでなく減量を行うためにも役立ちます。

プロテインを飲むと太る?

プロテインは太る?

スポーツジムで食事指導をしていると、「プロテインはカロリーが高いから、飲むと太るのではないですか?」と聞かれることがあります。実際のところプロテインは痩せる方にも太る(体を大きくする)方にもどちらにも働きます。

プロテインは飲むだけで体脂肪を燃やす痩せ薬ではなく、飲むだけで筋肉がつくドーピング剤でもありません。もし運動量も食事内容も変えないで、プロテインだけをプラスして飲むようにしても、カロリーとたんぱく質摂取量が増えるだけだけなので体重は増えます(ここで筋肉と体脂肪のどちらが増えるかは、普段の運動と食事の内容によります)。

しかし適切な摂取カロリーの制限と組み合わせたプロテインの摂取は、筋肉量を維持しながら体脂肪を落とすという、体づくりにおいて理想的な減量を行うための手助けになります。

プロテインは減量時の筋力低下を防ぐ

普段からトレーニングを行っている人の場合は、運動量をさらに増やすということはなかなかできません。なので食事による摂取カロリーを減らすことがどうしても必要になるのですが、食事量を減らす場合にはたんぱく質の摂取量も落ちてしまいます(肉や魚だけでなく、お米やパンにもたんぱく質はある程度含まれています)。

仮に、アルコール摂取量を減らしたり、油っこいメニューを控えることでカロリー制限をする場合にしても、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回っている状態の体は、体脂肪だけでなく筋肉も分解されエネルギーとして使われやすくなります。

このように、減量期間中はとても筋肉が落ちやすい状態になっているのですが、このときのたんぱく質の不足を補い、筋肉の分解を食い止めるためにプロテインが役立つのです

プロテインが減量時の筋力低下を阻止

プロテインは低脂肪かつ高たんぱくな食品なので、摂取カロリーをできるだけ増やさずに効率的にたんぱく質を補給することができ、減量中に起こりやすい筋力や基礎代謝の低下を防ぐことにつながります。

減量期のプロテインの選び方

一口にプロテインといっても、様々な商品が市販されています。減量のためにはどんなプロテインを選ぶとよいのでしょうか。

ソイプロテインに脂肪燃焼効果はあるのか?

一般的にダイエット用プロテインとして販売されているのは「ソイプロテイン」です。ソイプロテインとは大豆由来のたんぱく質のことで、特にその中の「βコングリシニン」というたんぱく質が含まれているので脂肪燃焼によいのではないかといわれています。

しかし、大豆というと何となくダイエットに良さそうな気がしますが、「脂肪を燃焼させる」効果までは実は明らかになっておらず、体重減少によいとする文献はあまり見られません。

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日本医師会などが監修している「ナチュラルメディシン・データベース」では、大豆による高コレステロール血症や更年期症状、骨粗鬆症などの改善については「効くと断言できませんが、効能の可能性が科学的に示唆されています」とされています。

市販品の健康食品でも、コレステロールや血中中性脂肪を下げる効果においては特定保健用食品(トクホ)として消費者庁から認められて販売している商品もございます。

一方で体重の減少効果に関しては「科学的データが不十分です」として、有効性は認められていません。

食事として大豆や豆腐・おからを積極的にとること自体は減量に良いです。これらは良質なたんぱく質と食物繊維を含み、かつ肉類に比べ低脂肪・低カロリーだからです。300kcalのハンバーグを食べるよりも100kcalの豆腐を食べる方が当然痩せます。

しかし「低カロリーだから痩せる」ことと、「脂肪を燃やす」ことは意味が異なります。タンパク質としてのカロリーを比較した場合、ソイプロテインとミルクプロテインでのカロリーは大差ありません。そして、ソイプロテインに脂肪燃焼効果があるかどうかは、残念ながら現状では怪しいところです。

減量期でもホエイプロテイン・カゼインプロテインがよい

もちろんソイプロテインでも減量中に不足するたんぱく質を補うことはできるのですが、それは他のプロテインでも同様です。

大豆からできているソイプロテインに対して、乳成分からできているプロテインではホエイプロテインとカゼインプロテインがあります。これら乳成分由来のプロテインは、大豆由来のプロテインよりも筋肉の合成効果が高いという実験データがございます。

ミルクプロテインとソイプロテインの比較

上のグラフ1)は筋力トレーニング後にミルクプロテイン(脱脂乳)と同量のたんぱく質量とカロリーに調整したソイプロテインを摂取した場合の筋たんぱく合成速度を表したグラフです。この実験では運動後のたんぱく質合成速度は、ミルクプロテインがソイプロテインと比較して有意に高い値を示しました。

また、長期的にこれらのプロテインを筋力トレーニングの期間中に摂取した場合には、ソイプロテインと比較してミルクプロテインでより顕著な筋肥大効果が確認されています2)。このことから、ミルクプロテインの方がソイプロテインよりも筋力アップに効果的であることがわかります。

ソイプロテインもミルクプロテインもともに良質なたんぱく質ではあるのですが、必須アミノ酸濃度(とくにBCAA)の違いが影響しているのではないかと推察されています。

筋肉の合成効果が高いということは、それだけ減量中の筋力や基礎代謝の低下を抑えられ、より効果的な減量につながりやすいということになります。したがって、減量のためのプロテインには、ソイプロテインよりもホエイプロテインやカゼインプロテインの方がよいと考えられます。

特に、ホエイプロテインはカゼインプロテインに比べて吸収の早いたんぱく質ですので、運動直後で筋肉の分解が進んでいる体の回復にはホエイプロテインがより栄養補給におすすめです。

ソイプロテインはどんな人におすすめ?

だったらソイプロテインはどういう人におすすめなの?というところですが、以下のような方にはよいのではないかと思います。

  • 乳アレルギーの方
  • 乳製品をとると下痢を起こしてしまう方
  • 血中中性脂肪・血中コレステロール等の健康面が気になる方
  • 食生活が動物性タンパク質に偏りがちな方
  • (プラシーボも含め)すでにソイプロテインで減量効果を実感している方

炭水化物の配合量をチェックしよう

どんな種類のプロテインが使われているかが分かったら、次は炭水化物(糖質)の量をチェックするようにしましょう。増量用のプロテインだけでなく、疲労回復をアピールしているプロテインにも炭水化物が多く含まれており、これらはカロリーが高めになっています。

炭水化物は筋トレや体づくりにおいて悪者ではありませんが、食事からもとれますので減量には炭水化物の少なくカロリーの低いものを選ぶとよいでしょう。

WPCよりもWPIがおすすめ

乳成分由来のプロテインであるホエイプロテインには、WPC(ホエイプロテインコンセントレート)とWPI(ホエイプロテインアイソレート)の2種類があり、WPCは「濃縮たんぱく質」、WPIは「分離たんぱく質」とも呼ばれています。

これは濃縮度の違いによるもので、WPCは原料中にたんぱく質が70~80%含まれたもので、コストの低いたんぱく質原料になります。ドラッグストアで流通しているプロテインの多くはこのWPCになります。

一方、WPIは余分な乳糖や脂肪分をさらに除去させて、原料中にたんぱく質が90%程度含まれている、より高純度なプロテインになります。WPIの方がたんぱく質濃度は高く、糖質や脂質が少ないため減量には特におすすめです。

WPCとWPIのたんぱく質濃度の違い

WPIを使ったプロテインはWPCよりも値段が高いことが多いですが、よりストイックな体づくりをしたい方はこちらを選ぶとよいでしょう。

まとめ

  • プロテインは減量中に不足しがちなたんぱく質を補い、筋力や基礎代謝の低下を防ぐのに役立つ
  • ソイプロテインの脂肪燃焼効果があるかどうかは不明確で、筋肉の合成効果のあるホエイプロテインやカゼインプロテインを飲んだ方がよい
  • ホエイプロテインにはWPCとWPIの2種類があり、乳糖や脂肪分がよりすくないWPIの方がダイエットにはおすすめ

参考文献

(社)日本健康食品・サプリメント情報センター、 日本医師会・日本薬剤師会・日本歯科医師会 監修:「ナチュラルメディシン・データベース」.同文書院,2015.
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
1) Wilkinson SB et al.: Consumption of fluid skim milk promotes greater muscle protein accretion after resistance exercise than does consumption of an isonitrogenous and isoenergetic soy-protein beverage. Am J Clin Nutr, 85: 1031-1040, 2007.
2) Hartman JW et al.: Consumption of fat-free fluid milk after resistance exercise promotes greater lean mass accretion than does consumption of soy or carbohydrate in young, novice, male weightlifters. Am J Clin Nutr, 86: 373-381, 2007.

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