スポーツ性貧血の対策

【医師監修】スポーツ性貧血とは?症状・原因と食事での対策方法

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スポーツ選手には倍の鉄分が必要?

この記事は第三者の監修を受けています。

監修者:「女医によるファミリークリニック」院長 竹中美恵子先生竹中美恵子 先生(小児科医/小児慢性特定疾患指定医/難病指定医)

女医によるファミリークリニック」院長。
2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。 日本小児科学会、日本小児皮膚科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本リウマチ学会などに所属。

 

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

大して動いていないのにものすごく息切れしたり、めまいやふらつきを感じたことはございませんか?もしかしたらそれは「スポーツ性貧血」しれません。

アスリートは普通の人よりも貧血を起こしやすく、貧血は競技パフォーマンスが著しく低下させてしまいます。

今回はアスリートに起きやすいスポーツ性貧血の症状・原因と、食事でできる対策方法まで徹底解説いたします。

スポーツ性貧血とは?

貧血とは血液中の赤血球濃度やヘモグロビン濃度が減少した状態のことをいい、「スポーツ性貧血」とはその名の通り、スポーツが原因となって引き起こされる貧血のことです。(「運動性貧血」ともいいます)

スポーツ選手にとって貧血は、競技におけるパフォーマンス低下の原因となるだけでなく、将来にわたって健康を害する危険性がある病気です。

症状としては以下のようなことが起こります。

スポーツ性貧血の症状

頭痛・めまい・眠気

貧血でめまいを感じている男性

ヘモグロビンは赤血球の中に含まれているたんぱく質の1種で、酸素や二酸化炭素を運搬する働きがあります。赤血球やヘモグロビンが少なくなると、体は呼吸で取り込んだ酸素を利用できなくなり低酸素状態となります。

そして体が低酸素状態になると、脳に十分に酸素が行き渡らなくなるため、頭痛やめまい・立ちくらみ・ふらつきなどの症状が起き、全身症状では眠気や倦怠感などが起きることがあります。

持久力の低下・疲労感

低酸素状態を改善するために、体は血流を速くして酸素を多く運ぼうとします。すると軽い運動でも心肺機能に負担がかかり、心拍数が多くなって動悸息切れが激しくなり、持久力の低下や疲労感を引き起こします。

このためマラソンや自転車競技、トライアスロン、水泳長距離などの持久力が要求されるスポーツでは特に、パフォーマンスが著しく低下する要因となります。

また、慢性的な疲労感や頭痛から、集中力の低下につながったり、トレーニングや競技に対するモチベーションの低下の要因ともなるでしょう。

舌炎や爪の変形

鉄分の不足が長期にわたって続いた場合には、舌炎や口角炎・爪の変形(さじ状爪)などの症状もみられます。

結膜蒼白

血の気が引いたように顔が青白くなったり、まぶたの裏側の結膜が白っぽくみられます。

異味症・食欲不振

そのほかの症状として、土(土食症)や氷(氷食症)などの食品以外のものを好んで食べる異味症という異常行動がみられることもあります。理由ははっきりしていませんが、貧血による自律神経の乱れなどが挙げられています。

また長期的な貧血は胃腸の不調をきたすことが知られており、食べ物を飲み込むのが難しくなったり(嚥下障害)、食欲不振になったりすることにより、大きく体調を崩す要因ともなります。

検査での診断基準

病院での血液検査

もしここまでの症状に心当たりがある場合には、病院で診断を受けるようにしましょう。

人の体には2~5gの鉄分が存在し、血液中の鉄分であるヘモグロビンとして60~70%、肝臓・脾臓・骨髄などに貯蔵されている鉄分であるフェリチンとして20~30%、その他筋肉などに分布しています。

貧血の診断は、血液検査で赤血球数やこのヘモグロビンフェリチンなどの値から判定されます。

フェリチンとは、摂取した鉄分を細胞内に貯蔵する働きを持つたんぱく質で、貯蔵鉄ともいわれます。鉄分の摂取量が少ないときには、貯蔵している鉄分を血液に送り出して補います。もし鉄分の摂取量が一時的に少なくなったとき、簡単に「鉄分がなくて酸素を運べない!」となるわけにはいきませんので、体はストックとして鉄分をため込んでいるのです。

そのため、鉄不足の初期の段階では血液中のヘモグロビン濃度は下がらず、貯蔵鉄であるフェリチンの濃度から低下していきます。血液中のフェリチン濃度が12ng/mL未満の状態を潜在性鉄欠乏状態といいます。

フェリチンが枯渇すると血液中のヘモグロビンも減っていくようになり、ヘモグロビン濃度が男性13g/dL未満、女性12g/dL未満になると鉄欠乏性貧血と判定されます。

<ヘモグロビンの基準値>

男性 女性
13g/dL未満 12g/dL未満

検査を受ける際には、それぞれの項目の意味が分かることで、体の状態を把握する手助けになります。

スポーツ性貧血になる原因

スポーツ性貧血の原因は大きく分けて次の3つがあります。

原因①鉄欠乏性貧血

鉄分の不足によって引き起こされる鉄欠乏性貧血は、アスリートにとって最も発症しやすい貧血です。

ヘモグロビンは鉄を含む「ヘム」という色素と、たんぱく質を含む「グロビン」が結合してできており、これが赤血球の中で酸素と結合して全身に運ばれます。したがって鉄分やたんぱく質が不足すると、血中のヘモグロビン量が低下し、酸素を運ぶことができなくなってしまいます。

アスリートが鉄欠乏性貧血になりやすいのは、以下の原因が挙げられます。

  • アスリートは活動量が多い分酸素を多く運搬する必要があり、それに伴い鉄分も多く必要となるため
  • 運動中の汗によって、鉄分が失われてしまうため
  • 消費される量に見合う鉄分やたんぱく質を、食事から摂取できていないため

激しい運動を行っているアスリートほど、鉄欠乏性貧血になりやすいということになります。アマチュアスポーツ選手であっても、マラソンや自転車競技などの持久系競技は運動量が多いため注意しなければなりません。

またスポーツの現場では精神的なストレスや、高強度のトレーニング時に消化管からの出血があることが知られており、このことが貧血の原因の1つになっているとも考えられます1)

さらに女性の場合は月経による出血もあるため、男性よりも鉄欠乏性貧血を発症するリスクは高いといえます。また、慢性的な貧血は女性において、月経不順や無月経の原因となることも報告されています。

原因②溶血性貧血

硬いアスファルトの上を走る

溶血性貧血とは血液中の赤血球が、物理的に破壊されて起こる貧血のこと。スポーツ選手の場合は、足の裏に強い衝撃がかかることで溶血が起こる可能性があり、特に次のような競技では溶血性貧血になりやすいです。

  • 硬いアスファルトの上を長時間走るマラソン選手
  • 跳躍を繰り返すバレーボール選手
  • 裸足で強く踏み込んだりする剣道選手や空手選手

原因③希釈性貧血

希釈性貧血とは、血液中の水分量が増加することで、相対的に赤血球やヘモグロビンの濃度が低下する状態の貧血です。

活動量の多いスポーツ選手は、心肺機能の強化や筋肉量の増加に伴い、血液中の水分量(血漿量)が増加することがあります。これは血液の粘性を低下させ血流をよくすることで、多くの酸素を運べるようにし、高い強度の運動に適応できるようになった結果なのです。

希釈性貧血の場合は赤血球やヘモグロビンの検査値が低くなりますが、赤血球やヘモグロビンの数が減っているわけではありませんのでめまいなどの貧血症状は現れません。あくまで検査の見かけ上の貧血ですので、特に対策をする必要はないでしょう。

スポーツ性貧血の治療

病院で医師の診察を受ける

めまいや頭痛、軽い運動でも激しく息切れするといった症状がみられる場合には、病院で診断を受けるようにして下さい。大切なのは自己判断でサプリを飲んだりせずに、まずは医師の指導を受けることです。

なぜ自己判断ではダメなのか、それは鉄欠乏性貧血と診断され、もし症状が進行している場合には鉄剤の服用が必要になる場合もあるからです。

鉄剤を投与する場合、1日に投与される鉄分の量は125~250mgで、生体内にはおよそ39~72mgの鉄分を供給することになります。いわゆる「健康食品」に分類される市販のサプリメントは、1日分の量が3~10mg程度に設定されており、鉄剤と比べると圧倒的に量が足りません。

食事で鉄分の多いものを意識して食べるようにしても、1日10~15mg程度しか摂取できないでしょう。貧血と診断された場合の治療には、それだけの鉄分を補給しなければいけない場合もあるということなのです。

とはいえ、鉄分の多量摂取が長期にわたると、肝臓病や糖尿病、鉄分の沈着による関節炎などの副作用を起こすリスクがあることから、過剰症には注意が必要です。貧血症状が徐々に回復してきたら、鉄分の多い食事やサプリメントによる栄養補助に切り替えていきます。

アスリートの貧血対処7ヶ条

アスリートの貧血対処7ヶ条

貧血の予防・早期発見・適切な治療を目的として、日本陸上競技連盟は「アスリートの貧血対処7ヶ条」というガイドラインを2016年に発表しております。このガイドラインは陸上選手以外にも適用できますので、以下に引用させて頂きます。

①食事で適切に鉄分を摂取

質・量ともにしっかりとした食事で、1日あたり15~18mgの鉄分を摂ります。普段から鉄分の多い食品を積極的に食べましょう。

②鉄分の摂りすぎに注意

鉄分を摂りすぎると、体に害になることがあります。1日あたり鉄分の耐用上限量は男性50mg、女性40mgです。鉄分サプリメントを摂りすぎると、この量を超えますので、注意しましょう。

③定期的な血液検査で状態を確認

年に3~4会は血液検査を受けて、自分のヘモグロビン、鉄、フェリチンの値を知っておきましょう。フェリチンは体に蓄えられた鉄分量を反映するたんぱく質で、鉄欠乏状態で最も早く低下する敏感な指標です。ヘモグロビン値は最後に低下しますので、貧血では体の鉄分量は極度に減っています。

④疲れやすい・動けないなどの症状は医師に相談

疲れやすくパフォーマンスが低下する時は、鉄欠乏状態や貧血かもしれません。早めに医師に相談しましょう。

⑤貧血の治療は医師と共に

鉄欠乏性貧血の治療の基本は飲み薬です。医師に処方してもらいます。ヘモグロビン値が正常に回復してからも3ヶ月間は続けましょう。

⑥治療とともに原因を検索

鉄欠乏性貧血には原因が必ずあります。治療を受けるだけでなく、消化器系、婦人科系、腎泌尿器系などの検査を受けましょう。

⑦安易な鉄剤注射は体調悪化の元

鉄剤注射は投与量が多くなりがちで、鉄が肝臓、心臓、膵臓、甲状腺、内分泌臓器や中枢神経などに沈着し、機能障害を起こすことがあります。

体調不良とかパフォーマンスが思い通りでない、といった理由で、鉄剤注射を受けることはもってのほかです。鉄剤投与が注射でなければならないのは、貧血が重症かつ緊急の場合や鉄剤の内服ができない場合です。

 

以上がガイドラインの引用になります。

※②の耐用上限量とは、ほとんどすべての人が過剰摂取による健康障害を起こす危険のない最大限度の栄養摂取量のことをいいます。つまりこの量を超えると、すぐに過剰症を起こすわけではありませんが、リスクがゼロではなくなるということです。

※⑦について、 日本陸上競技連盟は貧血治療名目の鉄剤注射の使用を原則禁止とする方針を固めました。(関連ページ:https://www.jaaf.or.jp/news/article/12315/

食事での予防・対策

治療には医師の指導が必要であることを前提として、ここでは普段の食生活でできる貧血の予防・対策をさらに掘り下げてご紹介いたします。

鉄分とたんぱく質をしっかりとる

ヘモグロビンの材料である鉄分たんぱく質はしっかりとることが大切です。

特に、鉄分は「アスリートの貧血対処7ヶ条」では1日15~18mgの摂取が必要とされており、スポーツ選手は一般人の2倍またはそれ以上の必要量になるという報告もあります2)

本格的に競技をしているアスリートでなくとも、週に4~6日くらいの頻度で練習しているマラソン・自転車選手なども、運動量が多いためこれに近い量の鉄分が必要と考えて下さい。

鉄分の必要量(mg)
年齢等  男性 女性
月経なし 月経あり
12~14歳 11.5 10.0 14.0
15~17歳 9.5 7.0 10.5
18~29歳 7.0 6.0 10.5
アスリート 15~18

※12~29歳の必要量は、日本人の食事摂取基準(2015年版)の推奨量を参照

平成28年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によりますと、日本人の鉄分の1日摂取量は15~19歳男性で7.8mg、15~19歳女性で6.5mgと、十分な鉄分を補給できているとはいえません。非常に不足しやすいので意識して鉄分の多い食品を選ぶようにしましょう。

鉄分の多い食べ物

鉄分はレバーや牛肉の赤身、かつおやマグロの刺身、貝類、大豆、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれています。

鉄分の多い食べ物(レバー・牛肉の赤身・まぐろ・貝類・大豆・緑黄色野菜)

下記のリンクページに、鉄分の多い食べ物と含有量を一覧で載せていますので、よろしければ参考にして下さい。

鉄分補給ができる飲み物

手軽に鉄分補給ができる飲み物としては、鉄分を添加した牛乳も市販されており、スーパーに並んでいます。牛乳なら習慣的に摂取できるのでいいですね(普通の牛乳に比べるとあまり美味しくはないのですが…)

カルシウムと鉄分の多いミルク

また、コンビニによく置かれている「1日分の鉄分のむヨーグルト」は、1本で6mgの鉄分が補給できます。(これは味も美味しいのでおすすめです!)

1日分の鉄分のむヨーグルト

ビタミンCやクエン酸をとる

鉄分には2種類あり、動物性食品に多く含まれているヘム鉄と、植物性食品に多く含まれている非ヘム鉄とがあります。ヘム鉄と非ヘム鉄では吸収率が異なり、ヘム鉄の吸収率は15~35%なのに対し3)、非ヘム鉄の吸収率は2~5%程度しかない4)という報告があります。

ただしこの非ヘム鉄の吸収率は、一緒に摂取する栄養素によって大きく影響を受けます。

ビタミンCクエン酸は非ヘム鉄とキレート(結合して安定化)する作用があり、鉄分の吸収率を高めてくれます。

ビタミンCはキャベツやピーマン・ブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。

また柑橘類の果物ならビタミンCとクエン酸の両方をとることができますので、みかんやグレープフルーツは食後のデザートにおすすめです。

ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸をとる

ビタミンB6やビタミンB12・葉酸は体内で赤血球の合成を助ける働きがあり、貧血と深い関わりのあるビタミンです。

ビタミンB6は大豆や卵などに、ビタミンB12は動物性食品全般に、葉酸はレバーや緑黄色野菜などに、それぞれ幅広い食品に含まれています。

これらの成分は普通に食事をとっていればあまり不足することはありませんが、胃炎などで消化不良になっている方や、肉類を全くとらないベジタリアンの方は不足しやすいので、サプリメントで補助するなどして注意して下さい。

緑茶やコーヒーは食事中に飲まない

反対に、コーヒーや緑茶・紅茶に含まれるタンニンは、非ヘム鉄と結合して消化管での吸収を阻害する作用があります。そのため、食事中にこれらの飲料を飲むのは避けるようにして下さい。

食事中には水を飲むようにして、お茶やコーヒーが飲みたい場合には食後30分くらい空けてから飲むようにしましょう。

なお、カルシウムを多量にとると、鉄分の吸収が妨げられ、かえって貧血を悪化させるという説もありますが、カルシウム摂取量がもともと少ない日本人にとっては、サプリメント等でよほど過剰に摂取しない限り、この説は当てはまらない可能性が考えられます。

おすすめレシピ・小松菜スムージー

野菜の中でも特に鉄分が多く含まれているのが小松菜です。鉄分や野菜が不足していると感じている方には、ジュース感覚で美味しく飲める「小松菜スムージー」がおすすめです。

スポーツ貧血対策に良い小松菜スムージー
小松菜スムージーのレシピ ›

簡単につくれますので習慣的に取り入れられて、野菜不足が気になる方にもおすすめです。

鉄分の多い食事メニュー例

牛肉のホイコーロー献立(上部)

1食分の鉄分(5mg)をとれる食事メニューの例がこちらになります。

ヘム鉄の多い牛肉や、豆腐やきくらげなど鉄分の多い食べ物を意識して選んでいます。かぶの葉のふりかけは作り置きしやすいので、毎日の食事に取り入れやすく便利かと思います。

レシピの詳細は「牛肉のホイコーロー献立」をご参照ください。

その他の貧血対策

溶血性貧血は足の裏の物理的な刺激を防ぐことが大切です。

マラソン選手の場合は、クッション性の高いシューズや、以下のような衝撃を吸収させるインソールを利用することで刺激を軽減させることができます。

要点まとめ

  • スポーツ性貧血とは、スポーツが原因となって引き起こされる貧血のこと
  • 貧血の状態では体が低酸素状態となり、頭痛やめまいを感じるようになる
  • 低酸素状態の体では、心拍数が多くなり動悸や息切れがひどくなり、ひいては持久力の低下や疲労感の原因となる
  • そのほか、慢性化すると舌炎や爪の変形、食欲不振にもつながり、大きく体調を崩すおそれがある
  • 症状に心当たりがある場合には、病院で診断・血液検査を受け、ヘモグロビンやフェリチンの濃度を診てもらおう
  • スポーツ性貧血の原因は大きく分けて3つあり、鉄欠乏性貧血・溶血性貧血・希釈性貧血がある
  • 鉄欠乏性貧血はアスリートが最も発症しやすい貧血で、運動により多くの鉄分が消費されることや、食事での鉄分摂取量が足りないことが原因である
  • 溶血性貧血は物理的な衝撃で赤血球が破壊されて起こる貧血で、マラソンランナーなど足の裏に衝撃を受ける競技の選手に多い
  • 希釈性貧血は血液中の水分量が増加することで、赤血球やヘモグロビンの濃度が薄まる貧血で、検査の見かけ上の貧血なので特に対策をとる必要はない
  • 貧血が進行している場合には食事やサプリでは対応できないので、貧血が疑われる場合にはまず病院で診断を受けて、医師の指導のもと治療を受ける
  • ヘモグロビンの材料となる鉄分やたんぱく質をしっかりとる
  • 鉄分の吸収を高めるビタミンCやクエン酸をしっかりとる
  • ビタミンB6やビタミンB12・葉酸は赤血球の合成を助ける栄養素で、消化器疾患の方やベジタリアンの方は不足しないよう注意する
  • 緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄分の吸収を妨げるため、食前食後の摂取は避ける
  • クッション性の高いシューズやインソールで、溶血性貧血を軽減できる

参考文献

日本陸上競技連盟:「アスリートの貧血対処7ヶ条」,2016.
木元幸一・後藤潔 編:「生化学」.建帛社,2009.

田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
小林修平・樋口満 編:「アスリートのための栄養・食事ガイド」.第一出版,2014.
厚生労働省:平成28年度国民健康・栄養調査

厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2015年版)
1) Preiffer B et al.: Nutritional intake and gastrointestinal problems during competitive endurance events. Med Sci Sports Exerc, 44: 344-351, 2012.
2) Akabas SR and Dolins KR: Micronutrient requirements of physically active women: what can we learn from iron? Am J Clin Nutr, 81: 1246S-1251S, 2005.
3) Andrews NC: Understanding heme transport. N Engl J Med, 353: 2508-2509, 2005.
4) Hallberg L: Bioavailability of dietary iron in man. Annu Rev Nutr, 1:123-147, 1981.

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