マラソンランナーの食事

カフェインがマラソンなどの持久系スポーツに与える効果と摂取方法

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カフェインがスポーツに与える効果と摂取方法

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

栄養ドリンクには色々なものが市販されていますが、カフェインが入っていると頭がさえてシャキッとしますよね。他のサプリメントと比べても、即効性という点ではカフェインほど効果を体感しやすい成分はないかもしれません。

そんなカフェインは勉強や仕事だけでなく、マラソンなどのスポーツにおいても実は嬉しい効果があり、適切に摂取することでパフォーマンスの向上につなげることができます。

そこで今回はカフェインを飲むことでどんな効果が得られるのかや、また副作用などの注意点についてご説明いたします。後半では試合前やマラソンのレース中におすすめの、カフェインが含まれているエナジージェルもご紹介いたします。

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カフェインの効果・メリット

体脂肪の燃焼・持久力の向上

カフェイン摂取と有酸素運動で脂肪燃焼

カフェインは、脂肪組織からの脂肪酸の分解を促進するはたらきがありますので、体重減少につながると考えられます。

またマラソンや自転車などの有酸素運動においては、筋肉内での脂肪酸利用が増大し、脂肪から優先的にエネルギーに換えられるようになります。すると体内に貯蔵されている糖質であるグリコーゲンの消費は節約し、疲労を遅らせることができます。

このような効果があることから、カフェインは持久性競技のパフォーマンスを向上させることが確かにできると考えられます。

なお、陸上短距離や筋トレなど、短時間・高負荷の無酸素運動においてはこの効果はあまりみられないようです。

中枢神経の興奮・覚醒効果

カフェイン含有飲料を日中に飲むと、中枢神経の興奮作用覚醒効果(目が覚める)があることが多くの研究から分かっています。スポーツにおいては試合や練習のときの、持久力や集中力を高める手助けとなるでしょう。

なお、カフェインと糖分をそれぞれ単独で摂取するよりも、エナジードリンクのようなカフェインとブドウ糖を組み合わせた飲料を飲む方が効果があるようです。

カフェインの副作用・デメリット

カフェインはほとんどの人にとって安全ですが、以下のようなデメリットもございます。

利尿作用

レース中にトイレに駆け込むことも…

ご存知の通りカフェインには利尿作用があります。

運動をはじめれば尿管での水分の再吸収が促進されますが、マラソンや自転車競技など競技時間が数時間に及ぶスポーツではそれでも途中でトイレに行きたくなってしまうかもしれません。

公務員ランナーで有名な川内優輝選手も、マラソンのレース途中でトイレに行ったことがありましたね(それでも優勝していたのがすごいですが)。健康上のデメリットではありませんが、トイレでタイムロスになるのはもったいないのでやはり避けたいところです。

トイレがあまり近い方は競技前に摂取するのは避けて、レース後半にジェルで摂取したり、短い練習のときだけ飲むようにしましょう。

鉄分の吸収阻害

持久系競技の選手は貧血になりやすいため鉄分をしっかり補給する必要がありますが、カフェインは鉄分の吸収を阻害するはたらきがあります。

貧血の方は食事中にお茶を飲むのは避け、また食後のコーヒーは少し時間を空けてから飲むようにしましょう。

血圧の上昇

カフェインを摂取すると高血圧症を有している人の血圧を上昇させます。ただし、カフェインを頻繁に飲む人には影響が少ない可能性があります。

体内のカルシウムの排出

カフェインは尿でのカルシウム排泄量を増加させるはたらきがあります。高齢の方など骨密度が低い場合には、カフェイン摂取量を1日300mg(コーヒー3杯分)までに抑えるようにしましょう。

また、カフェインをよく摂取している方は、乳製品や野菜などからカルシウムを意識してとることも大切です。

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頭痛、心拍数の増加

頭痛や心拍数の増加

血中のカフェインの量が増えすぎると、イライラや頭痛・心拍数の増加が現れることがあります。

カフェインは体内で分解されてから排出されますが、お酒に含まれるアルコールはこの分解を抑制し、副作用が現れやすくなる可能性がありますので注意して下さい。

またアルコール以外にも、カフェインは医薬品との相互作用で分解されにくくなったり、血圧・血糖値などに悪影響を及ぼす恐れがあります。薬を服用している方はかかりつけの医師に相談するとよいでしょう。

カフェインはドーピングになる?

カフェインは2004年以降、WADA(世界アンチドーピング機構)の禁止薬物リストからは外れており、ドーピングの対象にはなっておりません。したがってアスリートは競技前のお茶やコーヒーに特別に注意をはらう必要はありません。

ただし、カフェインは現在ドーピングの「監視物質」となっているため、今後また禁止薬物のリストに入る可能性はゼロではありません。

カフェインの摂取方法

摂取量とタイミング

私はコーヒーを1杯飲んだだけでかなり目がさえて、夕方に飲んだりすると夜はなかなか眠れなくなってしまいます。一方で私の兄はコーヒーを飲んでも目がさえたりしないので、夜中でもコーヒーを淹れていたりします。

このようにカフェインの効果が現れる摂取量というのはとても個人差があるのですが、効果が出るのはおよそ体重1kgあたり2mgからといわれています。

体重60kgの方であれば120mgからということになります。毎日コーヒーを何杯も飲んでいる方はカフェインに耐性ができていますので、なかなか効果がみられないかもしれません。

摂取するタイミングについては、カフェインは摂取してから30~60分程度で血中濃度が最大になります。朝にコーヒーを飲んで目が覚めてくるのも、だいたいこれくらい時間がかかる方が多いかと思います。

したがって運動時の脂肪燃焼効果を期待して摂取する場合には、運動の30~60分前にコーヒーなどを飲むとよいでしょう。

ただ先ほども触れましたがトイレが近くなるのが心配な方は運動前の摂取は避けて、運動中や短い練習のときだけにとるようにしましょう。貧血の方は食事中の摂取も避けて下さい。

飲み物に含まれるカフェイン量

参考として、各飲料に含まれている100mLあたりのカフェイン量を以下の表に記載いたします。玉露やコーヒーは「リポビタンD」のような栄養ドリンクと比べても多く含まれていますね。

飲み物 含有量
(100mL)
モンスター
エナジー
36mg
レッドブル 32mg
リポビタンD 50mg
コーヒー 90mg
紅茶 30mg
緑茶(玉露) 120mg
緑茶(煎茶) 20mg
ココア 30mg
コーラ 10mg

カフェイン補給ができるエナジージェル

試合前やマラソンレース中の補給食として、糖質だけでなくカフェインも補給できるエナジージェルをご紹介いたします。

パワープロダクション ワンセコンドCCD(ライチ味)

エネルギー 165kcal
カフェイン 25mg

1個あたりカフェインを25mg摂取することができます。ナトリウムやカリウム、ビタミンCも含まれています。なお、他の「ワンセコンド」シリーズにはにはカフェインは含まれておりません。

ザバス ピットイン 栄養ドリンク風味

エネルギー 170kcal
カフェイン 25mg

1個あたり25mgのカフェインが摂取できます。糖質は運動中でも素早く吸収される「マルトデキストリン」が使われているため、エネルギー補給に優れている商品です。そのほか糖質の代謝に役立つビタミンB1やクエン酸も含まれています。

「ピットイン」シリーズにはピーチ味やウメ味がありますが、カフェインが含まれているのは栄養ドリンク味のみです。

マグオン レモンフレーバー

エネルギー 120kcal
カフェイン 25mg

マグネシウム補給ができるエナジージェルの「Mag-on(マグオン)」のレモンフレーバー。この商品も1個で25mgのカフェインが摂取できます。マグネシウムは50mg配合されていますので、レース後半のけいれん対策にも役立つかもしれません。

なお、他のマグオンシリーズの商品にはカフェインは含まれていません。

ショッツ

エネルギー 117kcal
カフェイン 80mg

1個あたりカフェインが80mgと非常に多く含まれています。カフェインの効果を一番体感しやすいのはこの商品でしょう。糖質にはマルトデキストリンが使われていますので、体内の吸収も速いです。

「ショッツ」シリーズは全部で7種類の味がありますが、このうちカフェインが含まれているのは「ワイルドベリー」「コーラバニラ」「グリーンプラム」の3つです。

まとめ

  • スポーツ時のカフェイン摂取は脂肪燃焼、持久力の向上、中枢神経興奮の3つの効果がある
  • カフェイン摂取のデメリットには、利尿作用や鉄分吸収の阻害、カルシウム排出がある
  • カフェインの摂りすぎは頭痛や心拍数の増加などの副作用を引き起こす恐れがある
  • カフェインはドーピングの禁止物質リストにはないが、「監視物質」とされているので今後禁止物質になる可能性はある
  • カフェインの効果が出る摂取量は個人差があるが、体重1kgあたり2~10mgで効果があるとされている
  • カフェインは摂取してから30~60分で血中濃度が最大になるため、運動前に飲むとよい

参考文献

(社)日本健康食品・サプリメント情報センター、 日本医師会・日本薬剤師会・日本歯科医師会 監修:「ナチュラルメディシン・データベース」.同文書院,2015.
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
加藤秀夫・中坊幸弘・中村亜紀 編:「スポーツ・運動栄養学」.講談社,2012.

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