スポーツ栄養学の基本

【管理栄養士監修】お菓子で大丈夫?アスリートの間食・補食の選び方

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アスリートが強くなるために食べる間食とは

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

今回はスポーツ選手の体づくりと間食についてお話いたします。

間食といいますと「食べてはいけないもの」「我慢すべきもの」というイメージがあるかもしれませんが、消費するエネルギーが多いアスリートにとって間食は、不足しがちな栄養素を補うことができるものであるためむしろ体づくりに役立つものです。

たとえ「お菓子」に分類されるような食べ物であっても、タイミングや状況によっては役立つこともありますので、一概に禁止すべきというわけでもありません。

ここではスポーツの競技力を向上させるために、どんな食べ物を選ぶといいのかや、食べる量・タイミングなどについてご説明いたします。

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アスリートの間食は「補食」

アスリートの間食は「補食」です。「補食」とは「食事を補う」という字の通り、朝・昼・晩の3食では足りない分の栄養素を補うためのもの。一度の食事ではたくさん食べられないという場合でも、食事の回数を増やすことで十分なエネルギー補給・栄養補給ができます。

したがって補食とはただ単に「空腹を満たす」だけの食事ではないので、自分に足りない栄養素は何か考えて食べ物を選ぶことがとても大切です。

間食でとるべき栄養素とは

間食でとるべき栄養素としては、まずエネルギーや疲労回復に必要な糖質がポイントです。

糖質にも種類があり、デンプンをはじめとした多糖類と、砂糖や乳糖などの二糖類、果糖やブドウ糖などの単糖類、キシリトールなどの糖アルコールがあります。

多糖類はたくさんの糖がつながっている構造で、分解するのに時間がかかるため、ゆっくり吸収されるという特徴があります。反対に単糖類や二糖類はすぐに吸収され、エネルギーとして利用されます。

これは単純に「デンプンはOKで、砂糖はダメ」というわけではなく、摂取する人の体質であったりどんなタイミングでとるかによって選ぶべきものも変わります。

その他の栄養素としては、筋肉の材料となるタンパク質、骨の材料となるカルシウム、コンディショニングに役立つビタミン類が含まれている食べ物もよいでしょう。

反対に、脂質の多い食べ物はエネルギー源にもなりますが、体脂肪に変換されやすいため摂りすぎないよう注意が必要です。

アスリートにおすすめの間食

アスリートにおすすめの間食では、主に以下のものがあります。

主食

おにぎり・サンドイッチ・肉まん

ごはんやパンなどの主食は、糖質の中でもデンプンを含んでおり、ゆっくり吸収されてエネルギーとして活用されます。野球のように練習時間が長い競技種目や休日練習のときには、菓子類よりも

消化にはやや時間がかかりますので、運動前にとる場合にはできれば2~3時間前には食べ終えるとよいでしょう。

肉まんや卵サンド・ホットドッグなどの具入りのものであればタンパク質もとれますので、運動後の疲労回復にもおすすめです。

果物

りんご・みかん・キウイ・バナナ

マラソン大会の補給所ではよくバナナが置いてあるように、果物は消化のよいエネルギー源になります。また脂質についてはほとんど含まれていないので、減量中のおやつとしてもおすすめ。

みかんやキウイであればビタミンCもとることができ、風邪予防などのコンディショニングにも期待できるでしょう。

乳製品

ヨーグルト・チーズ

ヨーグルト・チーズといった乳製品は、良質なタンパク質とカルシウムを摂取することができます。また糖質やタンパク質の代謝に関わるビタミンB群も豊富です。

成長期の子供の場合、カルシウムは特にしっかりとらなければならない栄養素。牛乳であれば1日に最低コップ2杯分は飲みたいところですが、一度にとるとお腹がゆるくなるという方も多いでしょう。

ヨーグルトやチーズであれば牛乳に比べてお腹がゆるくなりにくいため、間食を利用しつつ数回に分けてとるのがおすすめです。

和菓子

カステラ・まんじゅう・ようかん

お菓子の中でも和菓子であれば、脂肪分が少なく糖質補給に役立ちます。

カステラやまんじゅう・ようかんに含まれている糖質は砂糖が中心なので、おにぎりやパンに比べて吸収が早いです。練習が始まるまで時間がない場合、大事な試合の1~2時間前という場合には、すぐにエネルギーになる和菓子の方がよいでしょう。コンビニには一切れサイズのカステラやようかんがよく置かれていて便利です。

コンビニの和菓子(カステラ・どらやき・ようかん・もなか)

菓子類には砂糖が多く使われており、カロリー密度が高いのもポイント。少食でごはんをたくさん食べられない選手には手軽な糖質源・エネルギー源となりますが、そうでない方はカロリーオーバーにならないよう調整する必要があります。

また砂糖は吸収が早い分、血糖値を急激に上げます。するとインスリンが多く分泌され体脂肪の増加につながってしまうため、同じカロリーをとるのであればおにぎりよりも和菓子の方が太りやすいということになります。減量中の場合は間食に和菓子はあまり選ばない方がよいでしょう。

その他

その他の食べ物では、カルシウムが豊富な小魚アーモンドや、タンパク質のとれるゆで卵やソーセージも間食におすすめです。

各食品群からとれる栄養素を比較すると以下のようになります。

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主食・和菓子・果物・乳製品の栄養素の比較

お菓子・菓子パンは食べない方がいい?

洋菓子には脂質が多い

チョコ・クッキー・ケーキ・スナック菓子はダメ

お菓子の中でもスナック菓子やケーキ、チョコレート、アイスクリーム、ドーナツといった洋菓子類については、あまり食べないようにしましょう。

洋菓子類の食品は糖質だけでなく脂質も多く含まれているため、体脂肪の増加につながりやすく、アスリートの体づくりという点では適していません。また脂質は糖質以上に消化に時間がかかるため、運動のパフォーマンスを下げる原因にもなります。

菓子パンを選ぶ際も糖質中心の材料を使っているあんパンやジャムパンなら和菓子と成分的に近いのでいいですが、チョコレートパンやクリームパンとなると脂質を摂取しすぎてしまいます。

ルールを決めることが大切

ただそうはいっても、チョコレートやケーキが食べたくなるときもあります。減量に取り組んでいる選手は「食べてはいけない」と我慢しすぎてストレスを抱え、反動でかえってドカ食いをしてしまったり、場合によっては拒食症などの障害に発展する可能性もあります。

ハードなトレーニングのストレス解消に、お菓子やジュースが役立つこともあります。我慢するのがつらいという方は「スナック菓子だけはとらない」「◯曜日と△曜日は食べてもよい」などとルールを決めるようにしましょう。

大切なことは自分で決めた食事のルールを、自分の意思でしっかり守ることです。

欲求をコントロールできずに毎日好き放題に食べたり、親や指導者から管理されないとできないということではいけません(誘惑に勝つために「お菓子を買って来ないようにして」と家族に協力してもらうのはいいと思いますが)。

何をどれだけ食べるか

食べるものや食べる量を考える際は、まず普段はどんな食生活なのかを振り返り、何が足りないのかを考えてみます。

食事の料理区分は、大きく分けて主食・主菜・副菜・果物・乳製品とあります。

主食・主菜・副菜・乳製品・果物の5つがそろった、栄養フルコース型の食事

もし1日の中で果物を全くとらない、乳製品を全くとらない(あるいは学校の給食でとるだけ)というのであれば、間食ではそれを補うよう果物や乳製品をとりましょう。

目安量としては果物はみかんでいうと1日2個、乳製品は牛乳でいうと1日2~3本程度です。詳細な量を知りたい方は下記のページもご参照下さい。

アスリートに必要な果物の量 ›

アスリートに必要な乳製品の量 ›

エネルギー補給のためであったり、小腹を満たすために主食や和菓子をとるという場合には、1日の摂取カロリーの1割程度が量の目安になります。小学生なら100~200kcal程度、中学生・高校生なら個人差が大きくなりますが200~400kcal程度です。

アスリートに必要な食事量」でも説明していますように、食事量が自分にとって適正かどうかは最終的には体重と体脂肪率の増減で判断します。体脂肪だけが増えているという場合にはカロリーオーバーになっているという判断ができますので、こまめに体重を測って記録してみましょう。

食事がおろそかになってはいけないので、基本的には食事でとるごはんよりも多くならないようにして下さい。ただしハードな練習の後や夏バテしているときのように食欲が出ない場合には、間食の回数を増やすことによって栄養不足にならないようにすることも1つの選択肢です。

食べるタイミング

例①練習前

練習前に間食をとるタイミング

例えば12時に昼食をとり練習が18時からという場合には、昼食から時間が空きすぎてしまい、練習中に空腹を感じて集中できないということにもなりかねません。かといって夕食をとるにも早すぎるので、こういったタイミングでは間食をとるとよいでしょう。

前述しましたように、おにぎりやパンなどの主食をとる場合には、消化する時間を加味してできれば2~3時間前に済ませるようしましょう。

もし練習までにあまり時間を空けられないという場合には、バナナやカステラ・エネルギーゼリーなど吸収の速いものでエネルギー補給を行うようにします。

例②練習後

練習後に間食をとるタイミング

練習後に帰宅まで時間がかかる場合や試合で遠征している場合などでは、運動してからすぐに食事をとるのが難しいときがあります。

しかし運動後は疲労とエネルギーの不足によって、体は筋肉の分解が進んでいる状態となっています。このときにできるだけ早いタイミングで栄養補給を行うことが、疲労を回復させ、体力を向上させるために重要です。

詳細記事:トレーニング後の食事方法 ›

食事をとるまでに2時間も3時間もかかるような状況では、しっかりとした夕食をとる前に、補食を携帯しておいて栄養補給をするとよいでしょう。

運動後の補食としては糖質をとれるおにぎりやパン、タンパク質をとれるチーズやソーセージなどがおすすめです。夕食が20時や21時と夜遅くなるなってしまう合には、補食をしっかりとって、夕食のごはんは軽めにしても大丈夫です。

例③夕食後(夜)

夜に間食をとる場合のタイミング

夜遅い食事はエネルギーとして消費されにくく、体脂肪にも変換されやすいため基本的にはあまりおすすめしません。

ただ体を大きくして増量したいという選手の場合には、食事回数を増やすために日中の間食に加えて夜にも1回の間食を取り入れるのはよいでしょう。いずれにしても間食はまず日中にとることが前提です。

増量期に間食を取り入れた具体的なメニュー例については「増量期の食事方法」で詳しく解説していますのでそちらをご参照下さい。

まとめ

  • アスリートにとって間食は、不足しがちな栄養素を補うことができるものであるため体づくりに役立つ
  • 間食ではエネルギー源となる糖質や、筋肉の材料となるタンパク質、コンディショニングに役立つビタミン類、骨づくりに必要なカルシウムを補給するとよい
  • 間食ではごはん・パンなどの主食、バナナやみかんなどの果物、ヨーグルトやチーズなどの乳製品がおすすめ
  • 和菓子はごはんよりも素早くエネルギー源となるので、練習が始まるまで時間があまりないときにおすすめ
  • チョコレートやスナック菓子などの洋菓子は、脂質を摂りすぎてしまうので控える
  • 間食の量は1日に必要なエネルギーの1割くらいを目安にする
  • 間食のタイミングは昼食後に練習まで時間が空くときは夕方に、練習後に帰宅して夕食をとるまでに時間がかかる場合には練習後がおすすめ
  • 増量したいときには日中と合わせて夜に間食を取り入れ、食事回数を増やすのもよい

参考文献

小林修平・樋口満 編:「アスリートのための栄養・食事ガイド」.第一出版,2014.
吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.

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