こんにちは!管理栄養士の盛岡です。
毎日のごはんはできれば手作りのものが理想ですが、一人暮らしの方やお弁当を準備できないときなどにはコンビニを利用することも多いのではないでしょうか。
コンビニもお惣菜や健康志向のメニューが増えていますので、上手に活用すればアスリートの体づくりに役立つ献立にできます。一方で何も考えず、ただ好き嫌いだけで選んでしまうと栄養が偏りコンディションに悪影響を与える原因にもなりかねません。
そこで今回はコンビニで食事を選ぶときでも栄養をしっかりとれるような、メニューの選び方についてご説明いたします。
目次
アスリートの食事メニューのチェックポイント
コンビニでメニューを考える際には、以下の4つのチェックポイントを意識してみましょう。
チェックポイント①適切なカロリーか
コンビニに並んでいる食品にはカロリーが書かれていますので、合計するとどれくらいになるのか確認してみましょう。
ジュニア期に必要な1日あたりのカロリーは、以下が目安になります。
年齢 | カロリー(kcal/日) | |
男子 | 女子 | |
6~7歳 | 1,550~1,750 | 1,450~1,650 |
8~9歳 | 1,850~2,100 | 1,700~1,900 |
10~11歳 | 2,250~2,500 | 2,100~2,350 |
12~14歳 | 2,600~2,900 | 2,400~2,700 |
※参考:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」身体活動レベル2~3の推定エネルギー必要量
1食あたりで換算しますと男子は700~900kcal、女子は600~800kcal程度になりますでしょうか。高校生以上になるとかなり個人差が大きくなりますが、スポーツ選手なら男子は1,000~1,400kcal、女子は700~1,100kcalが1食あたりの目安になるかと思います。
(カロリー計算について詳しく知りたい方は「アスリートに必要な食事量は?摂取カロリーの計算方法」をご参照下さい。)
あまり細かく計算する必要はありませんが、トンカツや唐揚げのお弁当だと高脂肪なのでそれだけで900~1,000kcal近くあり、他のものも食べるとカロリーオーバーになったりしてしまいます。
反対に「おにぎり2つ+野菜ジュース」などといった組み合わせだと500kcal程度にしかならず、お昼の食事にするとしたらちょっと少ないです。
あまり極端に多かったり少なかったりする場合には調整してみましょう。
チェックポイント②タンパク質がとれるか
体の筋肉は常に合成と分解を繰り返しているため、良質なタンパク質は毎食とれるようにすることが大切です。
良質なタンパク質は肉や魚、卵、大豆製品、乳製品の食品に含まれています。できるだけ炭水化物だけでなくタンパク質のとれる弁当や丼モノのメニューを選びましょう。
トンカツ弁当だと脂肪分が多いため、幕の内弁当や生姜焼き弁当、親子丼、オムライスなどがおすすめです。パン食にする場合には、卵サンドやハンバーガー、ホットドッグといったタンパク質もセットでとれるものを選びます。
おにぎりやパスタなどを選ぶ際もタンパク質が少なくなりがちですので、冷奴やサラダチキン、厚焼き玉子、魚の缶詰、プロテイン入りのエネルギーゼリーなどをメニューにプラスするとよいでしょう。
チェックポイント③野菜・果物があるか
お弁当を選ぶ場合でも、それだけではどうしてもビタミン・ミネラルが不足しがちです。コンディションを崩さないためにも、野菜や果物のメニューが1つはほしいところ。
コンビニにある商品ではサラダ、お惣菜、野菜の入ったカップスープ、野菜ジュース、オレンジジュースなどをメニューに加えるようにしましょう。
チェックポイント④乳製品があるか
上記①~③のポイントはまず押さえておきたいところで、さらに良質なタンパク質とカルシウムを補給できる、牛乳やヨーグルトもあればベストです。
成長期の小学生~中学生は特にカルシウムをとても多く必要としますので、乳製品はできるだけ毎食とるようにしましょう。
色々と買いそろえるとお金がかかったり、かさばって荷物になったりしますが、コンビニで食事を選ぶ場合であっても、「主食・主菜・副菜・果物・乳製品」がそろったメニューに近づけることが大切です。
コンビニで選ぶ献立例
1食あたり700~800kcal程度を目安にした際の、実際の献立例をご紹介します。
献立例1:夕食にバランスよくとりたいとき
<合計:790kcal>
- 親子丼:520kcal
- オクラ海藻サラダ:40kcal
- ドレッシング:70kcal
- ヨーグルト:80kcal
- 野菜+フルーツジュース:80kcal
炭水化物とタンパク質の両方がとれるものとして、低脂肪な親子丼を選んでいます。サラダを選ぶ際は海藻も入っているものが特におすすめです。
ヨーグルトでカルシウムを、野菜とフルーツのミックスジュースでビタミンCなどをとれるようにし、栄養バランスを整えます。
献立例2:昼食に手早く食べたいとき
<合計:720kcal>
- チキンサンド:260kcal
- ツナたまごサンド:240kcal
- スムージー:80kcal
- 牛乳:140kcal
弁当+サラダの組み合わせだとかさばって持ち運びしにくかったり、時間がないときに食べづらかったりします。
しかし手早くすませたいときであっても、100%の野菜ジュースやスムージーなどでビタミン・ミネラルをとれるようにします。
サンドイッチはタンパク質がとれる卵や肉・ツナを具材にしたものを選びましょう。
練習前の補食と食べるタイミング
練習前の補食にはバナナやエネルギーゼリーなど、消化のしやすい炭水化物をとれるものがおすすめです。1~2時間ほど時間があるならおにぎりやパンがよいでしょう。
お菓子類は必ずしもダメというわけではありません。ようかんやカステラといった和菓子類は低脂肪で消化がいいので、練習開始まであまり時間がないときのエネルギー補給に役立ちます。
タイミングごとのおすすめの補食を下記にまとめました。
間食のとり方については「アスリートの間食・補食の選び方」で詳しく解説していますので、こちらをご参照下さい。
コンビニで売られているようかんはサイズも手ごろなので、マラソンランナーの補給食にもよいでしょう。
まとめ
- コンビニで食事を選ぶ際でも、「主食+主菜+副菜+果物+乳製品」をできるだけそろえたものにする
- 商品にかかれているカロリーをチェックして、メニューを調整するとよい
- コンビニだと炭水化物中心の食事になりがちなので、タンパク質をとれる肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を必ず取り入れる
- コンディションを崩さないためにも、野菜や果物は1品はメニューに入れる
- エネルギーゼリや和菓子、バナナは練習前の補食におすすめ