こんにちは。管理栄養士の盛岡です。
ハードなトレーニングを行った後の休日、いつもより遅くまで寝ているという方は多いのではないでしょうか。栄養相談を行うと、オフの日は朝食をとっていない選手が多いことが気になります。
起床が1時間遅くなるくらいならよいかもしれませんが、昼前に起きるとなると体づくりの上でもあまりよくありません。
今回はアスリートにおけるオフの食事の重要性についてご説明いたします。
オフ日の朝食の重要性
オフの日にも朝食をとるべき一番の理由は、前日までのトレーニングの疲労回復と体力アップのためです。
体力・筋力をつけるためには、トレーニングをした後の栄養補給がとても重要です。これはトレーニングをすることによって、筋肉の合成(同化)作用が高まり、栄養補給によりその効果がさらに強化されるためです。
ここでChurchward-Venne TA ら(1)のレビューを取り上げてみたいと思います。下のグラフをご覧ください。
このグラフはトレーニング後の筋肉の合成と時間を表しています。20g程度のタンパク質摂取により、この効果がより高まるとされていますが、より早いタイミングでの摂取がより効果的とされています。
”合成期間”を最大限活用する
また、このトレーニングによる筋肉の合成作用は、少なくとも24時間以上持続するとされておりますので、この間は血中アミノ酸濃度を高く維持することが重要になります。
朝食がとれないと、次の日の昼食まで12時間以上空くことになり、血中アミノ酸濃度も下がります。したがって練習後の夕食だけでなく、翌朝の食事もタンパク質を含め栄養をしっかりとるようにしましょう。
※タンパク質源となるメニューとしては、納豆やウインナー・目玉焼き・焼き魚・牛乳などが挙げられますが、炭水化物源となるご飯ももちろん疲労回復の観点からは重要です。
また朝食は体温を上げ、体内時計を整える効果もあります。朝に太陽に日差しを浴びることと同じように、朝食をとることによって1日を活動的に過ごすことができます。
引退したイチロー選手はウォーミングアップや練習時のルーティンを徹底していることで有名でしたが、体のリズムを整えるという意味でも、朝食はスポーツ選手にとって最も重要なルーティンの1つといえるのではないでしょうか。
参考文献
1) Churchward-Venne TA, Burd NA, Phillips SM. Nutritional regulation of muscle protein synthesis with resistance exercise: strategies to enhance anabolism. Nutr Metab (London) 2012;9:40. PMID: 22594765