赤ちゃんに不足しやすい鉄分は、離乳食でしっかり補給しましょう。
中でも納豆は鉄分が豊富で、離乳食に使いやすい食材です。
納豆はお粥に混ぜる以外のレシピにもアレンジできるため、上手に活用したいもの。
そこで今回は、離乳食の鉄分強化におすすめの、納豆を使ったおすすめレシピ5選を管理栄養士が紹介します。
目次
納豆は離乳食の鉄分補給にぴったり
納豆は離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)から使える食材です。
納豆の100gあたりには、下記のとおり鉄分が含まれています。
【100gあたりの鉄分含有量】
・納豆 3.3mg
・ひきわり納豆 2.6mg
普通の納豆は鉄分が豊富ですが、刻んだりすりつぶしたりする手間がかかります。
一方で、ひきわり納豆は鉄分含有量は少なくなりますが、刻む手間がありません。
お好みのものを取り入れましょう。
納豆の目安の量
離乳食の時期別に使える目安の量と、鉄分含有量を見てみましょう。
【時期別納豆の量の目安と鉄分含有量(1回あたり)】
時期 | 納豆の量の目安 | 鉄分含有量 (普通の納豆の場合) |
離乳食中期 (生後7~8ヶ月頃) |
10~15g | 0.3~0.5mg |
離乳食後期 (生後9~11ヶ月頃) |
15~20g | 0.5~0.7mg |
離乳食完了期 (生後12~18ヶ月頃) |
20g | 0.7mg |
これは、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」の豆腐の量を参考に、同じタンパク質量になるように計算をしています。
1回あたりの量なので、他の肉や魚、卵などのタンパク質源をとるときは、納豆の量を減らすようにしましょう。
離乳食にぴったりの納豆レシピ5選
離乳食中期または離乳食後期向けの、鉄分補給ができる納豆を使ったレシピ5選を紹介します。
※冷凍保存できるかどうかについても紹介していますが、冷凍保存をする際は、記事最後の注意点をご覧ください。
【中期】ほうれん草の納豆味噌汁
納豆とほうれん草をあわせた味噌汁は、納豆の自然なとろみで赤ちゃんが食べやすくなります。
ほうれん草も鉄分が豊富であり、納豆の鉄分をさらに強化してくれます。
<材料(2~3食分)>
・ひきわり納豆 30g
・冷凍ほうれん草 20g
・だし汁 150ml
・味噌 少々(耳かき1杯分程度)
<作り方>
1)冷凍ほうれん草は電子レンジ(600W)に30秒かけて半解凍の状態にし、食べやすい大きさに刻む。
2)鍋にだし汁、ほうれん草を入れて中火にかけ、沸騰したらふたをして弱火にし、3分煮込む。
3)ひきわり納豆と味噌を加えてひと煮立ちしたら火を止める。
<冷凍保存について>
冷凍保存できます。1食分ずつ小分けにして冷凍してください。
<栄養成分値(2食分としたときの1食分あたり)>
32kcal 鉄分0.5mg
【中期・後期】納豆とほうれん草のオートミール粥がゆ
納豆とほうれん草入りの、オートミールを使ったお粥です。
オートミールは鉄分や食物繊維が豊富で、調理も手軽なので、離乳食に取り入れやすい食材です。
納豆、ほうれん草、オートミールのいずれからも鉄分を補給できます。
<材料(1食分)>
【中期】
・オートミール 大さじ2(10g)
・だし汁 大さじ5
【後期】
・オートミール 大さじ3(15g)
・だし汁 大さじ5
・ひきわり納豆 10g
・冷凍ほうれん草 10g
<作り方>
1)冷凍ほうれん草は耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)に10~20秒かけ、食べやすい大きさに刻む。
2)大きめの深めの耐熱容器に、1のほうれん草、オートミール、だし汁、納豆を入れて混ぜる。ラップをかけずに電子レンジ(600W)で1分加熱する。一度かき混ぜ、人肌になるまで冷ます。
<冷凍保存について>
冷凍保存できますが、オートミールは調理時間が短いため、都度作るのもよいでしょう。
<栄養成分値>
中期:57kcal 鉄分0.8mg
後期:75kcal 鉄分1.0mg
【後期】きな粉入り納豆お焼き
ベタベタしやすい納豆は、お焼きにすることで食べやすくなり、離乳食後期の手づかみ食べにぴったりです。
きな粉にも鉄分が含まれているため、納豆ときな粉の両方から鉄分を補給できます。
<材料(1食分)>
・軟飯 80g
・ひきわり納豆 大さじ1(約15g)
・きな粉 小さじ1
・白すりごま 小さじ1/2
・青のり 小さじ1/2
・片栗粉 小さじ1/2
・ごま油 適量
<作り方>
1)ボウルに軟飯、ひきわり納豆、きな粉、青のり、片栗粉を入れてよく混ぜる。
2)1を4等分の大きさに丸めて平らにする。フライパンにごま油を入れ弱めの中火にかけ、2を両面こんがりと焼く。
<冷凍保存について>
冷凍保存できます。1枚ずつラップで包んで冷凍してください。解凍は1枚あたり30秒ほどが目安です。
<栄養成分値>
168kcal 鉄分1.2mg
レシピにあるきな粉には「スクスクダイズ」もおすすめです。
スクスクダイズはきな粉と同じように使えますが、鉄分やカルシウムが多く含まれているのが特長です。
ヨーグルトにかけたりおかずに混ぜたりといろいろな使い方ができ、離乳食はもちろん、幼児食以降の栄養補給としても役立ちます。
【中期】納豆と小松菜のしらす和え
納豆の粘り気で、パサつきやすい小松菜が食べやすくなります。しらすを加えて、味のアクセントに。
小松菜でさらに鉄分をプラスできるレシピです。
<材料(1食分)>
・小松菜(葉先) 15g
・ひきわり納豆 大さじ1
・しらす 小さじ1
<作り方>
1)小松菜は葉先をやわらかく茹でて食べやすい大きさに刻む。しらすは茹でて刻む。
2)1、納豆を混ぜたら出来上がり。
<冷凍保存について>
冷凍保存できます。1食分ずつ小分けにして冷凍してください。
<栄養成分値>
32kcal 鉄分0.8mg
【後期】納豆とほうれん草入り豆腐ハンバーグ
納豆とほうれん草を入れた豆腐ハンバーグは、離乳食後期の手づかみ食べにぴったりです。
ベタベタしやすい納豆も、ハンバーグに入れると食べやすくなります。
豆腐、ほうれん草で鉄分を強化し、同時に鉄分の吸収を助けるビタミンCも摂取できます。
<材料(6~8食分)>
・絹ごし豆腐 100g
・鶏ひき肉 100g
・ひきわり納豆 40g
・ほうれん草(茹でたもの) 30g
・パン粉 大さじ2
・片栗粉 小さじ1
・サラダ油 適量
<作り方>
1)ボウルに豆腐、鶏ひき肉、刻んだほうれん草、パン粉、片栗粉を入れてよく混ぜる。
2)サラダ油を薄く引いたフライパンを中火にかけ、1をスプーンで落とし入れて形を整える。焼き色がついたら上下を返し、弱火にしてふたをし、約5~6分、中に火が通るまで焼いたら出来上がり。
<冷凍保存について>
冷凍保存できます。1食分ずつ小分けにして冷凍してください。
<栄養成分値(8食分としたときの1食分)>
45kcal 鉄分0.4mg
納豆は和え物や汁物、ハンバーグなどのいろいろなレシピに大活躍してくれます。
納豆を上手に取り入れて、離乳食からしっかり鉄分補給をしましょう!
冷凍保存に関する注意点
冷凍保存をする際は、衛生面に注意しましょう。
出来上がった離乳食は1食分ずつ小分けにして素早く冷まし、冷めたらすぐに冷凍します。
解凍する際は鍋や電子レンジで十分に再加熱をしましょう。
保存期間は1週間を目安にし、なるべく早めに食べ切るようにしてください。
参考文献
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」