筋肉をつける食事

体を大きくするラグビー選手の食事量|どのくらい食べると良い?

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ラグビー選手の食事量

こんにちは!公認スポーツ栄養士の馬明真梨子(まみょう まりこ)と申します。

広島県を中心に、ラグビー選手などのスポーツ栄養サポート、セミナー講師、健康経営・企業アドバイザーの活動をおこなっています。

これからラグビー選手をはじめとした、アスリートに関する食事について発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

第1回目の今回は、ラグビー選手の食事量について解説します。

ラグビーは運動量が多い上に、当たり負けしない強い体づくりが必要な競技。他のスポーツと比べても食事量は非常に多く必要になります。

今回はラグビーの競技特性から、食べる量の目安はどのくらいがいいかご説明します。

ぜひ参考にしてください。

ラグビー選手の特徴

ラグビーはタックルやスクラム、ラック、モールといったぶつかり合いが認められているコンタクトスポーツです。そのため、筋力やパワーが求められる競技であり、体格や体重も重視されています。

また、試合時間の前後半40分(高校生は30分)をサッカーと同じくらいのグランドの広さを走る体力やスピードも必要とされる競技です。

 

そして、15人制と7人制があり、15人制は国内リーグやワールドカップがあり、7人制はオリンピックをはじめ、アジア大会やワールドカップなどの試合があります。

特に15人制は2019年にワールドカップが日本で開催されたことをきっかけにラグビーや選手達を見る機会が増えた方も多いのではないでしょうか。

強靭な体つきをした選手だけでなく、小柄な選手や足の速い選手など様々な体格・特徴を持った選手が1つのチームで躍動する、これがラグビーの一つの魅力でもあると思います。

ラグビー選手の体格と体重

15人制ラグビーのポジション

15人制では8人のフォワード(以下、FW)と7人のバックス(以下、BK)に大きく2つのポジションに分けられます。さらに、FW・BKともに5種類のポジションがあり求められる役割がそれぞれ異なります。

そして、背番号でポジションを確認することができることも特徴の一つです。

FWはPR(プロップ、1.3番)、HO(フッカー、2番)、LO(ロック、4.5番)、FL(フランカー、6.7番)、NO.8(ナンバーエイト、8番)があり、スクラムやモール、ラインアウトなどボール争奪戦を繰り広げるため、パワーを兼ね備え体重が100kg前後の大型な選手が多いです。

BKはSH(スクラムハーフ、9番)、SO(スタンドオフ、10番)、CTB(センター、12.13番)、WTB(ウィング、11.14番)、FB(フルバック、15番)があり、FWと比べて足が速くスリムな選手が多く体重も70~90kgの選手が多いです。

走る、キック、パスなどを駆使し得点に結びつけるテクニックや頭脳が求められるポジションです。

また、コンタクトスポーツのためスポーツ傷害のリスクが高い競技であり、外傷・障害予防はとても大切です。

怪我を予防する上で身体作りやリカバリー(疲労回復)ためにも、食事面では「いつ、何を、どのくらい、どのように食べるのか」が鍵となります。

食事量の目安

ラグビー選手

ラガーマンの1日の消費エネルギー量はおおよそ4,000~5,000kcalが目安です。ポジションにより体重や運動量の差が大きいことや増量・減量によっても必要になる量は異なりますが、一般の大人の方の約2倍の食事量です。

成長期の子ども達は年齢や性別、体格、運動量など個人差が大きいため必要な食事量も異なりますが、小学生は1,650~2,900kcal中学生は2,500~3,450kcalが目安です。

 

必要なエネルギー量や栄養素の量(=食事量)も多くなる分、まずはスポーツ選手の食事の基本である「主食」・「主菜」・「汁物」・「副菜」・「果物」・「乳製品」の6品を朝昼夜の食事で食べることを心がけましょう!

食で食べきれない場合は、補食で食べればOKです。補食には3回の食事で補いきれないエネルギー量や栄養素を補う目的や運動前後の栄養補給をする役割があります。

また筋肉量やパワーも競技パフォーマンスへ影響するため、「たんぱく質量」を意識する選手も多くいます。

おかず(たんぱく質)中心の食事になりがちですが、特にエネルギー源である「主食」の量が必要なエネルギー量を摂るための要となります。

もし、1日の主食を「ごはん」だけで食べるとすれば、1日約5合が目安です。また、食べる体力や好き嫌いなく何でも食べる力も選手として活躍するためには不可欠なスキルです。

スポーツ選手の食事の基本

食べる体力を身につけよう

高校ラガーマンを見ていると、食事量を無理なく摂れる選手と時間をかけても食事量が摂れない小食の選手がいます。

毎年、小食の選手達が苦労している姿を目の当たりにし、幼少期からの食習慣や家庭での食意識などの影響も大きいなと感じています。

高校以上になると運動量が増え、食べる体力があるかどうかが身体作りをも左右します。

食べる体力はすぐに身につくものではなく、競技レベルがあがる高校生より前から食のことを気にかけてほしい、そう思います。

食べる体力作りの一歩として、朝食が「パン食」の選手や子ども達は「ごはん(お米)」に変えて鍛えていきましょう!

食べることを考え実践する力も必要

練習・運動時間が長いと食べる量を増やす必要がありますが、消化吸収が効率よく行える時間が短くなることや1回で食べられる量にも限界があります。

数回の食事に分けて食べても、1食あたり1500kcal程になる場合もあります。たくさん食べる必要があるのに、効率よく消化吸収が行えない。

だからこそ「よく噛んで食べる」ことや食べるタイミング、内容も意識してほしい。

「いつ、何を、どうのくらい、どうやって、なぜ食べるのか」、食べることを考え実践する力も活躍するためには必要な力です。皆さんが実践していることや頑張っていることもぜひ教えてください。

次回はラグビー選手のご飯の量について解説します!

参考文献

日本ラグビーフットボール協会公式HP https://www.rugby-japan.jp/
日本人の食事摂取基準2020年版(厚生労働省)
ラグビー調べ https://note.com/ken_kohira/

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