赤ちゃんが少食だと栄養バランスが気になり、栄養補給としてプロテインを飲んでも良いのか気になる人も多いかもしれません。
プロテインは食品であるため、明確な年齢制限はありませんが、0〜1歳の赤ちゃんには早すぎると考えられます。
今回は、赤ちゃんはプロテインを飲んでも良いのか、何歳から飲めるのかについて解説します。
目次
赤ちゃんはプロテインを飲んでも大丈夫?
プロテインは食品のため年齢制限がなく、「赤ちゃんにプロテインを飲ませてはいけない」という明確な決まりはありません。しかしながら、プロテインの性質を考慮すると赤ちゃんには早すぎるといえます。
0歳児の赤ちゃんの場合、母乳や育児用ミルク、離乳食が最適な栄養源となります。1歳児においても、味が濃く栄養価が高いプロテインは負担になる可能性があるため、幼児食を中心に栄養を補給することが基本です。
もし離乳がうまく進まず、栄養不足が心配な場合や体重が順調に増加しないときは、医師に相談してフォローアップミルクなどを検討しましょう。
赤ちゃんにプロテインは早すぎる理由
プロテインに年齢制限はないものの、赤ちゃんにはプロテインが適さない理由を見ていきましょう。
①タンパク質や栄養素量が多すぎる
プロテインにはタンパク質が多く含まれており、赤ちゃんの必要量を超えてしまうことが懸念されます。厚生労働省の食事摂取基準によると、赤ちゃんに必要なたんぱく質量は以下の通りです。
月齢 | 1日あたりの目安量 |
0~5ヶ月 | 10g |
6~8ヶ月 | 15g |
9~11ヶ月 | 20g |
たんぱく質は、過剰摂取による健康障害が発生するリスクを表す「耐容上限量」が設定されていませんが、乳児期から離乳期にタンパク質の摂取量が多いと、小児期の BMI が高くなることが分かっています。
授乳や離乳食に含まれるタンパク質量に加えてプロテインを摂取すると、必要量をオーバーする恐れがあるため、赤ちゃんにはまだ適さないといえます。
②消化・吸収機能が未発達
乳幼児は消化・吸収の機能が未熟です。
そのため、食べ物の過剰摂取や不適切な食品の摂取により、消化不良を起こす可能性があります。
また、赤ちゃんの胃は小さく、プロテインを与えることでお腹がいっぱいになり、食欲が落ちて離乳食や母乳が入らなくなってしまう恐れもあります。
③牛乳の飲用は1歳以降から
牛乳の飲用は1歳を過ぎてからが推奨されています。
牛乳に含まれるカルシウムとリンは鉄分の吸収を妨げるため、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、牛乳の飲用は1歳を過ぎてからとされています。
そのため、調理用として牛乳を少量使う場合は問題ありませんが、飲料としての牛乳の摂取は1歳以降からが望ましく、牛乳に溶かして飲むプロテインは早すぎるといえるでしょう。
④プロテインの味が濃すぎる
プロテインは、飲みやすさを考慮して味やフレーバーがついているため、赤ちゃんには味が濃すぎる場合があります。
赤ちゃんは、離乳期の食体験によって味覚が発達し、食の好みが形成されます。食べ物がもつ素材の味を知ってもらうためにも、乳幼児の食事は薄味が基本です。
エネルギー源になる食べ物の甘味は本能的に好まれる味であり、過剰摂取に繋がりやすくなります。しっかりと味がついたプロテインを早期に飲ませると、甘いものに慣れてしまい、甘味の少ない離乳食を嫌がってしまったり、味覚づくりを邪魔する可能性があるでしょう。
⑤正しい食習慣の形成
赤ちゃんが正しい食習慣を身に付けるためにも、食事からの栄養補給を優先させましょう。
離乳食は、いろいろな食べ物の味や舌触りに慣れるほか、噛む・飲み込むといった食べ方を練習する役割もあります。また、食事のリズムを整え、食べる楽しみを見出すことも、離乳食の目的の一つです。
プロテインにはタンパク質をはじめさまざまな栄養素が含まれており魅力的ですが、赤ちゃんの心と身体の発達においても、食事が基本となります。
プロテインは何歳から飲める?
お伝えした通り、プロテインに厳密な年齢制限はありませんが、基本的には未就学児は食事でしっかりと栄養をとるようにしましょう。少食でタンパク質不足が気になる場合は、あくまで食事の補助として少量活用すると良いです。
またプロテインの中には、子供用に栄養バランスを調整した「ジュニアプロテイン」というのもあります。
ジュニアプロテインは大人用のプロテインと異なり、タンパク質は少なめで、成長期に適したビタミン・ミネラルが含まれており、さらに添加物にも配慮されているのでおすすめです。
当社で販売している「アストリション ジュニアプロテイン」の場合、2〜6歳の幼児でも飲んでいいかお問合せがあった場合は半分〜1食分を目安量としてご案内しています。
ジュニアプロテインの対象年齢については「ジュニアプロテインは何歳から何歳までの子供が対象?」で詳しく解説しています。
赤ちゃんにはスクスクダイズがおすすめ
ご紹介した通り、栄養素の量や消化機能、味などの観点から赤ちゃんにプロテインは早すぎるため、栄養補給は母乳や育児用ミルク、そして離乳食が基本です。
もし赤ちゃんの栄養バランスが不安な場合は、赤ちゃん・幼児用の栄養補給食品を活用してみてはいかがでしょうか。
当社が販売している「スクスクダイズ」は、国産きな粉をベースに作られた栄養補助食品で、生後6ヶ月から使えるため、離乳食に混ぜて活用いただけます。
スクスクダイズは、たんぱく質が豊富な福井県産の大豆「里のほほえみ」を主原料に、お魚カルシウムやミネラル豊富な国産雑穀を配合しています。普通のきな粉と比較して鉄分が約12倍多く含まれているため、離乳期に不足しがちな鉄分補給にも役立ちます。
人工甘味料・香料・着色料などを使わず、麦芽糖のほのかな甘味のみなので、まだ甘い味に慣れていない赤ちゃんにおすすめです。
参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
国立健康・栄養研究所「食事:子供の発育と栄養のバランス」
厚生労働省「保育所における食事の提供ガイドライン」
こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(平成31(2019)年3月)」
公益財団法人 母子衛生研究会「はじめての離乳食」