子供の栄養学

子どもの栄養不足のサインは?体調や行動から分かるポイント

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子供の栄養不足のサイン

ここ最近うちの子、風邪をひきやすくなった。あまり元気がないように見える…。イライラしていることが多い気がする。それはもしかしたら、栄養不足のサインかもしれません。

今回は栄養不足のサインについて、体調面と情緒面・食行動からそれぞれ解説し、栄養バランスを整えるための食事についてご説明します。

体の栄養不足のサイン

風邪をひきやすい

→原因は、ビタミンCや亜鉛が不足している可能性があります。

ビタミンCは免疫力を高めて風邪をひきにくくする効果、ストレスに対する抵抗力を高める効果など、様々な働きをもちます。

亜鉛が不足すると免疫が十分に働かなくなるため、風邪をひきやすくなるといわれています。さらに子どもの亜鉛不足は、味覚障害の他、下痢を引き起こす感染症にかかりやすくなることがわかっています。

また大人に比べ子どもは、免疫の獲得が少ないことも風邪や感染症にもかかりやすい原因の1つです。

顔色が悪い(貧血ぎみ)

原因は、鉄が不足している可能性があります。子どもの貧血のほとんどは「鉄欠乏性貧血」といわれています。

特に生後6ヶ月頃からお母さんからもらった鉄は少しずつなくなってしまうので、初期食から与えられるほうれん草、小松菜や納豆などの他に中期食からはレバーペーストを意識して与えたり、後期食からは豚ひき肉、赤身肉や魚などを積極的に食べるように心がけましょう。

また、小松菜や納豆をはじめとした植物性のものはビタミンCと一緒に食べることで吸収率がアップするので一緒に摂りましょう。

肌あれ、ニキビ、口内炎など

肌荒れに悩む子供

原因は、ビタミンB2、B6、Cが不足している可能性があります。ビタミンB群は古いものから新しいものに生まれ変わるために必要な代謝ビタミンです。

特にビタミンB2は成長を促進し、身体の粘膜や皮膚を保護する役割があります。甘いものを食べ過ぎてしまう、肉や魚をあまり食べない、偏食がある場合は注意しましょう。

ビタミンB2を多く含む食材として、納豆などの大豆製品、卵、牛乳、乳製品、鮭、さば、きのこ類などがあります。

他にもβカロテンやビタミンAを含む、ほうれん草やにんじん、かぼちゃなどは皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあるので効果的です。

食事と合わせて口の中の乾燥を防ぐ、清潔に保つ、睡眠をたくさんとることも意識しましょう。

便秘

原因は、食物繊維の不足や水分不足の可能性があります。

おすすめの食材としてリンゴやバナナ、じゃがいも、さつまいも、ごぼう、納豆などの食材を毎日の食事に積極的に取り入れるほか、白米に雑穀米を混ぜると食物繊維を摂りやすくなります。

またうんちは80%が水分でできています。水分が不足するとカチカチうんちになり排便する際、肛門が切れてしまうことから怖くなってしまい我慢してしまいます。そういう経験から便秘になってしまうこともあるので、水分補給も心がけましょう。

併せて生活リズムを整える事、身体を動かして腸を動かす事も意識しましょう。慢性的でお子様が苦しそうな場合は病院で診察してもらうことも視野に入れておくと良いですよ。

行動、情緒面の栄養不足のサイン

癇癪が多い

癇癪をおこす子供

原因は、鉄不足の可能性があります。鉄が不足すると体中が酸欠状態になり、発育・発達に影響するといわれています。

他にも鉄は神経伝達にかかわり、やる気や集中力を高めるドーパミンやリラックスする効果のあるセロトニンという物質の生成にも必要です。

そのため鉄が不足すると乳幼児でも、イライラして癇癪を起こしやすくなったり、落ち着きがなくなったり、疲れやすくなることがあります。

ぼーっとしている

原因は、ビタミンB1不足の可能性があります。ビタミンB1は糖質の代謝と深い関係があり、不足すると米やパンなどの食事から摂取した糖質をうまくエネルギーに変換できなくなってしまいます。ビ

タミンB1不足の状態が続くことで、集中力がなくなってしまったり、頭がぼーっとしてしまったりしてしまう原因になるので、炭水化物中心の食生活やお菓子などの食べすぎには気を付けましょう。

食事に関する栄養不足のサイン

子どもがお菓子ばかり食べていると、心配になりますよね。子どもにとって甘いものやしょっぱいお菓子は食べやすい物とも言えますが、そればかり好んで食べる場合は栄養不足のサインが隠されているかもしれません。

チョコレートばかり食べる

原因は、マグネシウム不足の可能性があります。マグネシウムは体中に栄養素を運ぶはたらきがあり、不足すると疲れやすくなります。

マグネシウムは、雑穀米やひじき、昆布などの海藻類、ほうれん草、納豆や豆腐などに多く含まれます。

お味噌汁に豆腐を入れてみたり雑穀米入りのご飯に変更してみるなど、少しずつ取り入れてみましょう。

しょっぱいものばかり食べる

原因は、ミネラル不足の可能性があります。ミネラルは海藻類や魚介類、乳製品、肉や大豆製品にも含まれているので、積極的に摂るようにしましょう。

ミネラルは互いに吸収や働きに影響をあたえ合うことがあるため、普段の食事からバランスよく摂ることを心がけましょう。

栄養バランスを整えるための食事

子どもの栄養バランスを整えるために意識することは、

①主食(ご飯、パン、麺)、②主菜(肉、魚)、③副菜(野菜、豆、豆製品、海藻など)④汁物がそろった定食のような献立を意識してみましょう。

副菜まで作るのが大変だと感じる方は、具だくさんの汁物にすると副菜の役割をしてくれるのでおすすめです。

食材は季節の食材を使用すると、その季節に合った栄養を摂取できることや流通が増えるので食材を安価に仕入れることができます。

<幼児食の献立例>
・海苔の佃煮ごはん
・ねぎと豆腐の味噌汁
・鮭の塩焼き
・オクラとにんじんともやしのネバネバサラダ

 

★少食のお子様には1品で3つそろったメニューを取り入れてみて!

少食であまり食べられないお子さんには、具だくさんのカレーや中華丼とスープなどご飯、肉、野菜が摂りやすいメニューにするとごはんもおかずも食べられるのでおすすめです。

 

おやつの時間にふかし芋や肉まん、おにぎり、ヨーグルトなどで3食で補えない栄養素を摂るように心がけましょう。

また食べムラなどがあり全く食べられない日があったとしても、1週間である程度のバランスがとれていたら大丈夫です。ごはんの前はしっかり身体を動かしてお腹を空かせてからご飯に臨みましょう!

まとめ

・体の不調から栄養不足のサインを見つけよう

・少食の場合はおやつの時間で補うようにしよう

・食べムラがあったとしても1週間である程度、バランスがとれていれば心配ない

参考文献

https://note.com/kids_snack_lab/n/nde1ab5880e65

https://www.e-ben.jp/child/04_treatment/

https://himitsu.wakasa.jp/contents/vitamin-c/

https://market.abc-cooking.jp/blogs/topics/signs-of-nutritional-deficiency

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