ジュニアアスリートの食事

子供が体を大きくするために、補食はどう取り入れるといい?

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ジュニアアスリートが体を大きくする補食のとり方

こんにちは。公認スポーツ栄養士の馬明(まみょう)真梨子です。

体を大きくしたいジュニアラガーマンにとって、「補食」は体作りの味方です。

1回の食事で食べることができる量には限りがあるので、朝昼夕の3回の食事で摂りきれないものは「補食」を活用していきます。

学校や勉強と忙しいジュニアアスリートは、「いつ、何を、どのくらい、どう食べるのか」、生活のスケジュールと合わせて食事のスケジュールも組み込んでいくことがポイントです。

併せて、「どうして食べるのか」を考えていくことも今後の競技力向上のためには大切です。

今回は体を大きくするために、補食をとる量やタイミングについて解説します。

関連記事:ジュニアアスリートの補食レシピ9選 >

補食とは

補食のサンドイッチ

朝昼夕の3回の食事で摂りきれないエネルギーや栄養素を補うために食べる食事を「補食」と言います。

足りないものを補う役割だけでなく、運動前後の栄養補給としても活用します。

運動前は必要なエネルギーを補給する目的で「糖質」が豊富な食品、運動後は使ったエネルギーの補給や体の修復に必要な栄養補給をする目的で「糖質」と「たんぱく質」が豊富な食品を選びます。

体を大きくするためには、食事量を多くする必要があるため、3回の食事で摂りきれない食事量を補うために、複数回に分けて補食を食べていきます。

体を大きくするための補食を考える際、まずは1日の食事量を考えます。例えば、12-14歳の男子では1日のごはん量の目安が「900g」になります。

※各年代の食事量やごはん量は下記の記事を参考にしてください▼
食トレとは?ラグビー選手に必要なご飯の量 >

体を大きくするためには、上記の記事でご紹介している1日のごはん量よりも多く食べる必要があります。

ただ、あくまでも目安ですので、運動量や体重など個人の状況によって量は異なってきます。

補食をいつ、どのように取り入れるのかを考えるためには、まずは

  • 自分が“今”どのくらいの量を食べているのか
  • 朝昼夕のそれぞれの食事で、どのくらい食べることができるのか
  • 補食を食べるならいつ食べることができるのか

を把握することが最初のスタートです。

増量時の補食に人気のお餅は良い?

増量時、ごはん量を意識する選手が多いですが、「ごはんばかりだと飽きるから」「食欲が落ちていても食べれる」ということで「お餅」を補食に取り入れる選手も多いです。

ごはんお茶碗1杯150gとお餅2個(1個50g)がおおよそ同じくらいの栄養価ですが、ごはんの方がお餅よりも「水分量」や「食物繊維」が豊富という違いもあります。

餅とお米の栄養価

同じ100gで比べると、お餅のほうがエネルギー(カロリー)は高くなります。量とエネルギーが考えると「お餅」が良いかもしれませんが、「食費」で考えると、「ごはん(お米)」のほうがお財布に優しいですよね。

 

ちなみに、ごはんは「うるち米」でお餅は「もち米」という違いがあり、構成しているでんぷんの割合が異なります。

ごはんは、アミロースとアミロペクチンが含まれ、もち米はほぼ100%がアミロペクチンです。お米の粘りや柔らかさはアミロペクチンに由来しています。

お餅の活用術は下記のコラムも参考にしてくださいね!▼
スポーツの試合前にはお餅がおすすめな理由 >

食べるタイミングはいつ?

前述しました12-14歳男子の1日のごはん量の目安が「900g」であることをもとに、食事スケジュールを考えてみます。

まず、このごはん量を食べきるスケジュールを立てることからスタートです。下図は朝昼夕の3回の食事と練習前後の補食でごはん量「900g」を食べるための食事スケジュール例です。

食事と補食のスケジュール

主食のグループには、ごはんだけでなく、パンや麺類もありますが、イメージがつきやすいように「ごはん量」に絞っています。

我が家の息子くんも小学校高学年の頃は、学校から帰宅してから夕方から練習がある場合「食べる時間がない又は短い」といったことがありました。

そんな時は先述したお餅の仲間である団子を食べてから練習に行っていました。

補食のお団子

練習後はすぐに帰宅して食事が摂れる環境だったので練習後の補食は食べず、すぐに夕食でしたので、図に示している補食分のごはん量は3食のごはん量を増やして必要量が摂れるように食べ方をすればOK。

もし練習後、帰宅まで1時間以上空く場合は図にあるように補食を摂り入れましょう。

 

また、目安としている1日のごはん量「900g」が食べることができており、身長や体重の増えも順調で食べる余力があれば、ごはん量を100gほど増やしても良いと思います。

ただ先述しているよう運動量や食べる時間・タイミング、身長・体重などの個人差がありますので“管理栄養士や公認スポーツ栄養士に相談をして実践“がおすすめです。

将来を見据えた関わり方をしよう

補食のおにぎりと豚汁

高校生以上になってくると、「朝食と昼食の間の補食」や「夜食」を取り入れる場合もあります。

練習もハードになり、その分食事量を摂る必要があるため「食べる体力」も必要になってきます。食べる体力はすぐに身につかないので、ジュニア期に「食べる経験」はとても重要です。

むやみに沢山食べるというわけではなく、学校に練習に、さらには塾などスケジュールが忙しいので、そのスケジュールに食事や補食を組み込んでいかないと必要な量を「食べきれない」可能性があります。

だからこそ、「いつ、何を、どのくらい食べるのか」ここを考えて実践し習慣化していくことが、ジュニア期の発育発達や競技力向上のためには大切になってきます。

 

さらに、中学高校になると、選手本人の「食実践力」と「考える力」も必要となります。

保護者の皆さんも、食事を準備したり、食べたほうが良いよと促したりするだけでなく、選手本人が「どうして食べるのか」を考えて実践できるようにコミュニケーションをとっていきましょう!

参考文献

全国餅工業協同組合HP:https://omochi100.jp/
日本食https://omochi100.jp/品標準成分表2020年版(八訂)
デンプンはブドウ糖うるち米ともち米 | 東京農業大学:https://www.nodai.ac.jp/research/teacher-column/0058/

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