(執筆:高木 勲)
子どもが本気でスポーツに取り組むようになると、いつか「世界」という舞台を意識する瞬間がやってきます。
今回、咲來(さくら)にとって初めてとなる海外遠征の舞台は、ギリシャで開催された世界大会(IMG Future Stars)でした。

各国のトップ選手が集まる大会で、普段とはまったく異なる環境の中、技術だけでなく、体力や精神力も含めた“総合力”が試される遠征になりました。
初めて経験した「海外で戦う」ということ
海外遠征は、想像以上に過酷でした。
まず大きく違ったのは、プレー環境です。
ヨーロッパでは、赤煉瓦を砕いた赤土を使った「レッドクレーコート」が主流になります。
このコートは、日本でプレーする機会の多いハードコートとは感覚が大きく異なります。
ボールに細かい土が絡むことで球が重くなり、深いボールを打つためにはより大きなパワーが必要です。
さらに、球足が遅くなることでラリーも長くなり、1ポイントごとの消耗が非常に激しくなります。
加えて、対戦相手は各国のトップ選手ばかり。
初戦からプロと同じ3セットマッチで戦う環境は、想像以上にタフなものでした。
試合を重ねる中で感じたのは、技術だけでは世界では戦えないということ。
最後まで動き続ける体力、コンディションを維持する力、そして毎日を安定して過ごすための準備。そのすべてが大切なのだと、改めて実感する遠征になりました。
環境が変わると、食事も大きく変わる
海外遠征では、食事環境も日本とは大きく変わります。
味付けや食材の違いはもちろん、試合時間との兼ね合いもあり、普段通りの食事を続けることの難しさを感じました。
「しっかり食べているつもりでも、必要な栄養は足りているのだろうか」
そんな不安を感じる場面も少なくありませんでした。
特に、連戦が続く中では、疲労を翌日に残さないことの重要性を強く感じました。
試合後の回復や、翌日のコンディションづくりまで含めて、“食べること”も競技の一部なのだと痛感しました。
遠征の中で改めて感じた「日々の積み重ね」

今回の遠征では、持参できる荷物にも限りがあり、普段飲んでいたジュニアプロテインの量も、いつもより少ない状態で過ごすことになりました。
その影響が直接的な原因かは分かりません。
ただ、試合後の夜にふくらはぎが攣る場面があり、以前にも摂取量が減った時期に似たことがあったのを思い出しました。
普段は「少し多いかもしれない」と感じていた量も、実は日々のハードな練習や試合を支えるために必要だったのかもしれない。
そんなことを考えさせられる出来事でした。
一般的な基準はあっても、必要な量は子どもの活動量や身体の状態によって大きく変わります。
特に、高いレベルで日々トレーニングを積んでいるジュニア世代では、“周りと同じ”ではなく、その子に合ったサポートを考えていくことが大切なのだと感じています。
世界を目指す挑戦を、どう支えていくか

今回の海外遠征を通して、親として改めて感じたのは、子どもが思い切って挑戦できる環境を整えることの大切さでした。
練習や試合だけでなく、身体づくり、食事、休養、コンディション管理。
表には見えにくい部分の積み重ねが、最後には大きな差につながっていくのだと思います。
世界の舞台では、まだまだ足りないものもたくさん見えました。
それでも、この経験は間違いなく次につながる大きな一歩になりました。
これからも、一つひとつの経験を大切にしながら、親としてできるサポートを続けていきたいと思います。








