こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。
お子様がスポーツをしている場合、「子供にプロテインを飲ませてもいいの?」とよく質問を受けます。
最近ですと中学生はスマホを持っていますので、栄養のとり方などを自分で調べて、プロテインを買って欲しいとせがまれる親御さんもいらっしゃるようです。私が中学生のころは親から出されたものを食べるだけで、プロテインは考えたこともありませんでしたが、、、意識の高い子はすごいですね。
このプロテインには、通常のプロテインとは異なり子供向けに作られた「ジュニアプロテイン」というものがございます。
あまりよくご存知でない方も多いかと思いますので、今回はジュニアプロテインとは通常のプロテインとどのような違いがあるのかや、その効果・飲み方などについてご説明いたします。
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ジュニアプロテインとは
普通のプロテインとの違いを比較
ジュニアプロテインとはその名の通り子供用におすすめされているプロテインです。主に小学生~中学生が対象になっています。
一般的な大人用プロテインとジュニアプロテインの違いは、大人用プロテインは「筋肉をつける」ことが目的であるのに対し、ジュニアプロテインはスポーツキッズの「発育」を目的に開発されているところです。
下記の表ではプロテイン大手メーカーの商品で、大人用プロテインと子供向けの「ジュニアプロテイン」で、成分にどのような違いがあるのか比較しています。
ジュニアプロテインに特徴的な成分
1食あたりの量はジュニアプロテインは少なめにされており、またタンパク質の量も少なめです。タンパク質6gといいますと、コップ1杯の牛乳と同じくらいです。大人との体格の違いが考慮されているものと考えられます。
炭水化物の量についてはジュニアプロテインは若干多めに含まれています。大人用プロテインは甘味料はスクラロースなどの人工甘味料のみを使用していますが、ジュニアプロテインの方は味の飲みやすさを重視しているからか、砂糖も使用しているためです。
(※スクラロースは砂糖の約600倍の甘さがあるため、ごく少ない量でも食品に甘味をつけることができるのです。)
脂質やビタミンB群(ビタミンB1~パントテン酸)、ビタミンCの配合量には大きな差はありません。カロリーはタンパク質が多い分、大人用プロテインの方が高めです。
最も大きなポイントは、成長期に欠かせないカルシウムやその吸収を助けるビタミンDを多く配合していることです。大手メーカーのジュニアプロテインにはカルシウムが1日に必要な量の42%、ビタミンDは1日に必要な量の15%が配合されています。
これは「ジュニアプロテイン」と表記して販売している他社の商品にも共通しているポイントです。
ビタミンやアミノ酸が入っているプロテインは色々とありますが、カルシウムが配合されているのは成長期である子供を対象にしている、ジュニアプロテインならではの特徴といえるでしょう。
ジュニアプロテインの効果
ジュニアプロテインをとる目的と効果は、主に以下の2点です。
①身長が伸びる成長期の栄養補助
身長を伸ばす上で大切な栄養素は、軟骨の材料となって骨を伸ばすために役立つタンパク質と、伸びた軟骨を固めて骨にするカルシウムです。
子供は消費する分の栄養素を補給するだけでなく、「成長する分」の栄養素も補給する必要があります。
特に骨の形成に欠かせないカルシウムは、小学生の高学年にもなれば大人以上にたくさん摂取する必要があります。
厚生労働省の出している「日本人の食事摂取基準」では、大人のカルシウム摂取の推奨量は650~700mgに設定されているのに対し、12~14歳の子供は男子で1,000mg、女子で800mgが推奨されています。
さらにスポーツをしていると汗でカルシウムが出ていってしまいますので、より意識してとる必要があるといえます。
日本人の食事摂取基準(2015年版)より
ジュニアプロテインは成長を促進するような薬ではありませんので「身長を伸ばす」というと語弊があり、「身長が伸びる成長期に必要な栄養素を補う」という表現が正しいでしょう。ただその上ではタンパク質もカルシウムも一緒に摂取できますので、栄養補助として便利な食品といえます。
<※備考:カルシウムで身長は伸びない>
身長を伸ばすには骨を伸ばさなければなりませんが、カルシウムの作用は骨を固くすることで、直接的に骨の伸長を助けるわけではありません。つまり、カルシウムは成長促進剤ではないということです。
ただ、カルシウムやその吸収を助けるビタミンDが不足すると、骨の成長が阻害されてしまうため、その場合にはカルシウムやビタミンDを補助することにより成長が正常に回復するでしょう。
②強い体づくりのための栄養補助
外遊びの減少などから、最近では子供の体力低下が指摘されていますが、スタミナをつけるためにもパワーをつけるためにも、タンパク質をはじめとした適切な栄養補給が大切です。
アメリカスポーツ医学会が2009年に発表した「栄養とスポーツパフォーマンス」に関する声明によると、これまで報告された研究データに基づいたタンパク質の必要量は、スポーツ選手の場合は体重1kgあたり1.2~1.7gが推奨されています。
体重1kgあたり1.2~1.7gのタンパク質といってもピンとこないと思いますが、これは普通の人と比較すると約1.5~2倍の量が必要になるということになります。週に2~3日ほどの練習をしているだけなら2倍とはいいませんが、ちょっと多めに栄養をとる意識は持つといいと思います。
子供の食が細いと感じる場合にはジュニアプロテインを活用してみてもよいでしょう。
効果的な飲み方・タイミング
それではジュニアプロテインを普段の食生活に取り入れるとしたら、いつ飲むとよいでしょうか。飲むタイミングとしては、以下のようなときがおすすめです。
おやつ代わりに
お菓子を食べることの多い子供であれば、間食のときに飲ませるのも1つの選択肢です。ジュニアプロテインは甘いので、温かい牛乳に溶かして飲めば空腹もまぎれますし、砂糖の多いジュースや脂肪分の多いお菓子よりもよい栄養源になります。
アレンジしてホットケーキやスコーン、パウンドケーキなどに混ぜてみるのもよいでしょう。
運動後の栄養補給に
筋肉の疲労を回復させ、体力をつけるには運動後できるだけ早いタイミングでタンパク質と糖質を補給することが大切です。この栄養補給のタイミングは、理想は運動後30分~1時間以内とされており、運動後約2時間経過すると普段の栄養摂取と同じレベルに戻るといわれています1)。
※同化能力効率:体内のアミノ酸がタンパク質へ変わり筋肉を形成する働きの効率
とはいっても、すぐに食事をとるというのは環境的に難しい場合もございます。そういった場合には軽食としておにぎりやパンと、たんぱく質のとれるプロテインを準備しておくと補食として役立ちます。自宅まで帰るのに時間がかかる場合や、遠征のときなどに活用してみましょう。
朝食が少ないとき
朝食は体内時計をリセットし、体温を上げて1日を活発に過ごすためにとても大切です。そして、この体温を上げるために必要になる栄養素が炭水化物とたんぱく質の2つ。
最終的には朝からでも納豆や卵、ウインナーなどの食べ物からたんぱく質をとれるようにすべきですが、どうしても朝食を食べられない、あるいはごはんやパンだけになってしまうという子供にはよいでしょう。
子供用プロテインを選ぶ際のポイント
ジュニアプロテインはどれがいいか選ぶ際には、以下のポイントをチェックしてみましょう。
エネルギー(カロリー)
プロテインは牛乳や大豆を原料に作られており、脂肪分はどれもとても低く抑えられていますが、タンパク質や糖質の量は製品によって様々です。
食の細い子供にとってはよいエネルギー源となりますので、カロリーが高いことは必ずしも悪いとは限りません。
ただし、砂糖などの糖質が多く含まれているためにカロリーが高い場合、血糖値が上がり体脂肪に変換されやすいので、商品に記載されている目安量以上に飲み過ぎないよう注意が必要です。
タンパク質
練習後のリカバリーや、強い体づくりに欠かせない栄養素がタンパク質。運動量の多いアスリートであれば通常の1.5~2倍のタンパク質量が必要になるともいわれています。
また、タンパク質摂取量が増えるにつれて、その代謝に関わるビタミンB6をはじめとしたビタミンB群が多く必要になります。単純にタンパク質が含まれているだけでなく、ビタミンB群の栄養素が含まれているかどうかも栄養成分表示を見る際のポイントになります。
カルシウムとマグネシウム
身長が伸びる成長期には、骨の形成に必要な栄養素であるカルシウムは多くの摂取量が必要です。
厚生労働省の「食事摂取基準」では、中学生の男子は1,000mgの摂取が推奨されています。大人の男性の推奨量が650mgであることを考えると、はるかに多い必要量ということになります。
カルシウムは不足しやすい栄養素ですので、食事に乳製品も取り入れながらしっかりとる必要があります。またカルシウムだけでなく、ビタミンDやマグネシウムも含まれているとなお良いでしょう。
ビタミンDはカルシウムが腸管で吸収されるのを助ける栄養素で、マグネシウムはカルシウムと同様に骨や歯の形成に必要な栄養素です。特にカルシウム:マグネシウムは2:1の割合で摂取することが理想とされています。
その他の栄養素
鉄分
スポーツをしていると汗で鉄分が失われてしまったり、成長に伴う急激な血液量の増加にヘモグロビンの生成が追いつかなくなったりと、鉄分が不足しやすいです。
女子アスリートは特に貧血のリスクが高いため、貧血予防になる鉄分が含まれているものを選ぶとよいでしょう。
亜鉛
亜鉛はタンパク質の代謝を助けたり、成長ホルモンの生成・分泌に関わったりしているミネラルで、ジュニアアスリートには大切な栄養素です。
また亜鉛不足は食品の味に鈍くなる、味覚障害を引き起こすことがあります。これは、食欲不振の原因にもなってしまいます。
風味と甘味料
プロテインはそのままでは美味しいものではありませんので、多くの場合味付けがされています。
ジュニアプロテインも基本的には子供にとって美味しく飲めるよう、甘味料が使われており、砂糖であったり人工甘味料が使われています。
人工甘味料の代表的なものとしてはアスパルテームやアセスルファムK、スクラロースがございます。これらは砂糖と比べ非常に甘味が強いのが特徴で、少量の配合で甘味を感じることができるのでカロリーを低く抑えることができます。
人工甘味料には安全性を不安視する声もよく聞かれますが、「できるだけ自然に近いものがいい」ということであれば、砂糖や果糖のほか、植物性甘味料(ステビアやラカンカ)などで甘味づけしているものを選ぶのも1つです。
なお、砂糖や果糖の場合にはカロリーが高いことと、虫歯の原因に比較的なりやすいというデメリットがあるので注意しましょう。
おすすめの植物性プロテインとは?
「子供用のプロテイン」について今回のご説明でイメージが少し変わったのではないでしょうか。
ジュニアアスリートにとってタンパク質とカルシウムは特に大切な栄養素です。普段の栄養状態や環境に合わせて、適宜活用していくという形がよいでしょう。
また当社では植物性の素材を活用した、子供の体づくりに役立つジュニア用ソイプロテインを取り扱っております。
人工甘味料は不使用で、良質な大豆タンパク質を100%使用。1食あたり61円とお手頃価格になっていますので、成長期の継続的な栄養補助におすすめです。
以下は他社のジュニアプロテインとの成分比較になります。
今なら初回限定のキャンペーンを行っていますので、この機会にぜひご利用頂ければと思います。
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参考文献
菱田明・佐々木敏 監修:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」.第一出版,2014.
厚生労働省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
文部科学省:「子どもの体力向上のための総合的な方策について」
1)John Ivy, Ph.D., & Robert Portman, Ph.D.: Nutrient Timing: The Future of Sports Nutrition. p9, 2004.