こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。
子供の体が細い、スポーツをしているのに食が細い、そんなときには食事にプラスして栄養を補いたいもの。
タンパク質を補える栄養補助食品の代表といえば「プロテイン」です。
しかし「プロテイン」と聞くと、子供に飲ませて大丈夫なのか、何となく抵抗がありますよね。そこで今回は子供のプロテイン利用に、デメリットや副作用はないのかについて解説していきます。
プロテインを子供に飲ませるデメリットはある?
そもそも”Protein”とはタンパク質のこと。市販されている「プロテイン」は、牛乳や大豆の原料から脂肪分や糖質などを除去し、ドリンクや粉末状にしています。タンパク質自体が濃縮されているわけではなく、タンパク質以外の成分を省いているというイメージです。
ステロイドを含むドーピングや筋肉増強剤といいた「薬」とは異なり、食事で不足するたんぱく質を補う目的で利用する「食品」になります。
したがってプロテインを飲むことによってすぐに体に何らかの悪影響が出る、という副作用はありません。プロテインを飲むと体を悪くしてしまうというのなら、肉を食べても魚を食べてもダメということになってしまいます。
ただし、プロテインは食事でとるごはんやお肉と比べるとたんぱく質の量が多く、水に溶かして手軽にとれてしまうので、たんぱく質の過剰摂取には注意しなければなりません。
噂の弊害や副作用について
以下は「プロテインの副作用」としてよくいわれるものになります。
- 筋肉がムキムキになる
- 身長が止まる
- 体脂肪が増えて太る
- 内蔵に負担がかかる
これらが本当かどうか、以下順番にご説明していきます。
筋肉がムキムキになる?
プロテインを飲むだけで筋肉がつくということはありません。
プロテインはドーピングのような薬剤とは異なり、あくまでたんぱく質を補うための食品ですので、筋肉をつけるには運動が必要です。
また子供の場合、本格的なウエイトトレーニングは練習でもしないと思いますので、「スポーツをしている子供にプロテインを飲ませていたら、いつの間にかムキムキになってしまった」ということはまず起こりません。
タンパク質を過剰にとったとしても、余剰分は体脂肪に代謝されるだけです。
身長が止まる?
「筋肉がつきすぎるために骨の成長が止まり、身長が伸びなくなる」という風に言われることがありますが、これは間違いです。
前述しましたようにプロテインを飲んで筋肉ムキムキになることはありません。また骨の成長にはカルシウム摂取だけでなく、たんぱく質の摂取も必要になります。カルシウムが骨の材料だとすれば、それを伸ばすのがたんぱく質というイメージを持つとよいでしょう。
ただ一方で、たんぱく質は過剰摂取になると、体内のカルシウム排出を促進してしまうという悪影響があります。そういう意味ではプロテインの摂りすぎは、身長が伸びない原因となるかもしれません。
子供のたんぱく質摂取は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、1日あたりおよそ50~60gの量が推奨されています。上限は摂取カロリー全体の20%と設定されており、たんぱく質量で換算すると、小学校中学年~高学年であれば100g程度が目安になるでしょう。
しかしスポーツをしている子供であれば、していない子供よりも多くのカロリーやたんぱく質が必要になります。さらに子供用の「ジュニアプロテイン」であれば1食分あたりのタンパク質量も少なめに調整されているため、簡単には過剰摂取にはならないでしょう。
もし食事を3食しっかりとっている上に、普通の大人用のプロテインを1日に2杯も3杯も飲んでいる場合には、たんぱく質の摂りすぎになることもあるかもしれません。
過剰摂取は肝臓や腎臓などの内蔵に負担がかかる?
たんぱく質の消化吸収・代謝は胃や小腸、肝臓、腎臓と体の様々な臓器で行われます。このことから「たんぱく質の過剰摂取は肝臓や腎臓に障害をきたすのでは?」といわれることがありますが、この説については実は十分な科学的根拠がありません。
肝機能の障害はアルコールの過剰摂取が原因だったり、腎機能の障害は糖尿病や高血圧などが原因だったりします。
肝臓・腎臓が悪い方はたんぱく質の摂取量を調整するよう指導されることがありますが、たんぱく質が肝障害・腎障害を引き起こすというわけではないのです。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」においても、たんぱく質は過剰摂取による健康障害が発生するリスクを表す「耐用上限量」は設定されていません。
また、同じたんぱく質源として比較すると、プロテインは肉や魚よりも脂肪分が非常に少ないため、ある意味プロテインの方が内蔵の消化にやさしいともいえます。
体脂肪が増えて太る?
もし仮に、毎日ハンバーグばかりを好きなだけ食べたらどうなるでしょうか?カロリーオーバーで太ってしまうでしょう。
プロテインも摂りすぎれば同じように太ります。
たんぱく質は筋肉の合成のほか皮膚や免疫やホルモンなど体の様々な組織の材料になりますが、余った分のたんぱく質は体脂肪に変換されてしまいます。
プロテインは食事でとる肉や魚と比べると低脂肪・低カロリーではあるものの、ジュニア用プロテインでも1食分で50~70kcalはあります。
食事で足りない分の栄養補助として使用する分にはデメリットはありませんが、カロリー過多には注意しなければなりません。
子供には「ジュニアプロテイン」がおすすめ
もし「栄養が足りていないのでは?」と思って子供用にプロテインを検討しているのであれば、「ジュニアプロテイン」もおすすめです。
ジュニアプロテインとはその名の通り子供用におすすめされているプロテインです。主に小学生~中学生が対象になっています。
子供と大人の栄養補給の一番大きな違いは、子供にはタンパク質と併せてカルシウムや亜鉛などの成長期に多く必要な栄養素があること。
大人用プロテインは「筋肉をつける」ことが目的であるのに対し、ジュニアプロテインは子供の「栄養補助」を目的に開発されています。
下記の表ではプロテイン大手メーカーの商品で、大人用プロテインと子供向けの「ジュニアプロテイン」で、成分にどのような違いがあるのか比較しています。
1食あたりの量はジュニアプロテインは少なめにされており、またタンパク質の量も少なめです。これは大人との体格の違いが考慮されているためです。
最も大きなポイントは、成長期に欠かせないカルシウムやその吸収を助けるビタミンDを多く配合していることです。大手メーカーのジュニアプロテインにはカルシウムが1日に必要な量の42%、ビタミンDは1日に必要な量の15%が配合されています。
これは「ジュニアプロテイン」と表記して販売している他社の商品にも共通しているポイントです。
ビタミンやアミノ酸が入っているプロテインは色々とありますが、カルシウムが配合されているのは成長期である子供を対象にしている、ジュニアプロテインならではの特徴といえるでしょう。
適量を守り、栄養補助に役立てましょう
プロテインを飲ませる際には「あくまで食事の不足分を補うもの」ということはきちんと子供に伝えておきましょう。「足りなかったらプロテインで補えばいい」と考えてプロテインに頼り切る食習慣になってしまっては、それこそプロテインを飲ませる弊害といえます。
プロテインは低脂肪で手軽にたんぱく質を補給出来る点では便利な食品ですので、メリットを活かして適宜利用するとよいでしょう。
また当社では植物性の素材を活用した、子供の体づくりに役立つジュニア用プロテインを取り扱っております。
1食あたり33kcalと他社と比較して非常にカロリーが低く、余計な体脂肪はつきにくいです。また良質な大豆タンパク質を100%使用し、人工甘味料は不使用のため、子供が毎日飲んでも安心です。
↓詳細はこちら↓
初回35%OFFの2,580円!大豆100%ジュニアプロテイン ›
参考文献
林淳三:「改訂 基礎栄養学」.建帛社,2010.
菱田明・佐々木敏 監修:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」.第一出版,2014.