スポーツや食に関わる専門家の方々が、「食と栄養」にどのように向き合っているかを学ぶ「#栄養の窓」シリーズ。
今回お話を伺うのは福井県にある個別サッカー教室「ReSTART(リスタート)」を運営している坂口亮さん。主に小学生~高校生のサッカー選手に、マンツーマンでサッカーの技術や考え方について指導を行っています。
子供の個性を活かす丁寧な指導で、サッカー教室は開業からわずか半年で生徒数が50人に達するほどの人気に。
マンツーマンのサッカー教室とはどのようなものなのかや、指導の際の心がまえについてお聞きしました。
目次
プロフィール
坂口 亮 さん
「ReSTART(リスタート)」代表
体育教員を経て、マンツーマンサッカー教室「ReSTART」を開業。
学生時代は丸岡高校サッカー部にてキャプテンを努める。現在も社会人サッカークラブ「坂井フェニックス」で選手としてプレーするかたわら、サッカー教室で選手の育成にあたっている。
保有資格:JFA公認C級指導ライセンス/JFA公認キッズリーダー/中学校教諭一種免許状(保健体育)/高等学校教諭一種免許状(保健体育)/コバ式体幹バランストレーニング指導資格
ホームページ:https://www.fukui-restart.jp/
インスタグラム:代表アカウント/サッカースクール/パーソナル/
マンツーマンサッカー教室 ReSTARTとは
ーまずはじめに、ReSTARTとはどのようなサッカー教室なのか教えて頂けますか。
ReSTARTは1対1で指導を行うパーソナルサッカー教室で、あとは1対5のグループスクールも今年の2月から始動しています。
パーソナルの方は塾生が50名を超えていて、幼児から高校生までご利用頂いています。
ー50名はすごいですね…!しかも地方の福井で。幼児からというと何歳くらいになるのですか。
一番下は4歳で、一番上は高校3年生になります。
僕はまだパーソナル指導だけをやっていて、スタッフが担当しているグループスクールは小学生向けでやっています。今後やっていく流れとしては中学生のグループスクールで、ここは僕も担当できたらと思ってます。
ーサッカーのパーソナル指導というと、どのような練習をするのですか。
その選手の課題、例えば基礎技術ができていないのであれば基礎から教えていきます。何事もそうですが基礎ができていないと形にならないので、まずは基礎を徹底的に指導していきます。
基礎技術とは足の内側・真ん中、それから太もも、胸、頭の5つの箇所にボールをちゃんと当てられるかや、同じところに同じ力で当て続けるタッチの感覚になります。
リフティングだと動かずに同じ場所でボールを付けられるといいのですが、だいたい初心者の子は力の加減が分からなかったり、足首がグラグラになっていたり、当てる場所をいまいち分からなかったりします。
そういったクセを見て、「ココに当てるんだよ」と教えて直していきます。
一年かけてすごくリフティングできる子もいれば、数ヶ月でコツをつかむ子もいて、個人差の幅は広いですね。
サッカー教室に入会するきっかけ
ー基礎技術の後の練習内容については、基本的に生徒さんがやりたいことをやるのでしょうか。それともこれをやろうというカリキュラムも決まっているのでしょうか。
基礎練習の後は、その選手のやりたいことを指導していきます。例えばシュート練習や守備の練習、パスの練習などを、決められたトレーニング時間(60~90分)の中で行います。
その選手が補うべきもの、例えばドリブルのタッチが上手くない場合はそれをやりますし、それと彼がやりたいメニューとをすり合わせていく感じですね。
ー普通のサッカークラブに加えてこちらの教室にも通っているかと思います。親御さんはどういったきっかけでマンツーマンのサッカー教室に通わせるのでしょうか。
やはり試合で活躍しているところを見たいとか、できなかったことができるようになってほしいとかが多いですね。
あとは教室に通っている選手の上達具合を見て、「何か特別なことやっているの?」という話になって、口コミが広がっているようです。
ー「あいつめっちゃ上手くなってない?」みたいな感じでウワサになるんですね。
しかも「この1~2ヶ月でどうしたの!?」みたいな子とか、自主練しなかった子がいきなり自主練頑張るようになったりとか。
僕は「サッカーが本気で上手くなりたいとか夢があるなら、普段のチーム練習にプラスαの練習をした方が近づけるよ」って伝えているので、それが影響しているようです。
ー本当に上手くなりたいなら自主練は必須ですよね。生徒さんはプロを目指しているから入会するものなのですか。
そういう子もいます。中学生になったらJクラブの下部組織にいきたいとか、あとは基礎技術ができていないのでそれを教えてほしいという子と。
ただ皆がプロを目指しているかというとそうでもなくて、シンプルにサッカーを上手くなりたい、試合に出たい、試合で活躍したいという子が多いですね。
親御様も「この子を絶対プロにしてくれ」みたいな感じよりは、試合で活躍してほしい、もっと自信をつけてもらいたいという想いの方が多いですね。
僕としてはサッカーはあくまでもツールとして、ちゃんと挨拶をするとか、サポートする人に感謝するとか人間力を磨いてほしいと思っています。
練習時間の中で「今日は朝ごはん食べた?」みたいな雑談をすることがありますが、その中で「送り迎えしてるお父さんにありがとうって言った?」とか話すようにします。
これは僕がもともと教員として教育現場にいたのが大きいかもしれません。
指導の際に心がけていること
ー普段指導をしている上で大事にしていることはありますか。
「答えを言わない」ことは意識しています。ヒントを与え続けて、自分の考えを発言してもらうようにする。
僕自身がそうだったのですが、自分から導き出した答えだと忘れないので。
パスだったら「こうやって蹴るんだよ」とすぐに教えるのではなく、足の色んなところでボールを蹴ってみるようにする。
「どんな発言でも間違いではないから、自分の考えを発言してほしい」と伝えています。
僕のやり方が絶対に正しいとも思ってほしくないので、自分で考える力を身につけてほしいですね。
あとは「その子の個性を引き出す」ことですね。
性格によってプレースタイルは全然違うので、ガツガツいく子はドリブルもガツガツいくのでもっと自信つけさせたいなとか、冷静な子はプレーも冷静なのでもっと周りを見ようとか。
選手の良さ・強みを引き出すのが、指導者の役割です。
A君・B君・C君がいたとして、基礎は教えますが、それぞれに同じドリブルを教えることはないです。それそれの性格や技術を考慮して教える内容を考えています。
健康な体でないとサッカーはできない
ー教室ではジュニアプロテインを取り扱って頂いてますが、取り入れようと思ったきっかけについて教えて頂けますか。
試合前後の食事について、SNSで発信したり、話をしたりすることはあります。例えば脂っこいものを前日に食べないとか、刺し身などの生ものを食べないとか。
生ものを大事な試合の前に食べたりして、万が一お腹を壊してしまうとよくないので。
教室の中にも試合前の食べ物リストや、水分補給のしかたが書かれたチラシが置いてあるといいなと思っています。
そもそも健康な体じゃないとサッカーはできないと思っています。そういう意味で栄養は重要ですし、体づくりをする上でサポートになると思い、アストリションさんのジュニアプロテインを取り入れています。
プロテインは色々ありますが、アストリションさんのは子供用に特化した成分で、人工甘味料も不使用ですしということでおすすめしています。
ジュニアプロテインは練習後に飲む子もいれば、帰ってから自宅で飲む子もいますね。
夢や希望をもっと提供できるように
ー最後に今後の展望や目標について教えていただけますか。
まずは一人の事業者として福井県のサッカーを盛り上げていきたいですし、「福井のサッカー教室といえばReSTART」というところまでもっていきたいですね。
そのためにコーチの質をもっと上げていく必要がありますし、僕自身も新しい資格をとるなどして学び続けていきます。
また今は生徒をJリーグの試合観戦に招待することがあるのですが、このような形で福井にいる子供たちを取りまとめて、夢や希望を、僕らにしかできない形でもっと提供できるようになりたいです。