子供の栄養学

子供の偏食の原因は?食べられるきっかけを作る対策5つ

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子供の偏食を解消する対策方法

子供の偏食は多くの方が抱える悩みのひとつです。

食事の用意が大変だったり、栄養不足が心配だったり。また「いつまで続くの?」と不安にもなりますよね。

子供の偏食の原因はさまざまですが「よくある原因」というものがいくつかあります。

偏食はすぐに治るわけではなく、気長に付き合っていく必要がありますが、原因を知り対策することが解決への一歩につながります。

今回は偏食の原因と、食べられるきっかけを作る対策5つを解説します。

子供の偏食はどこから?

子供の偏食はどこから

どこまでが「好き嫌い」で、どこからが「偏食」なのでしょうか?

はっきりした区別があるわけではありませんが、以下のイメージで使われることが多くなっています。

  • 好き嫌い:苦手な食べ物があるが、食べられるものの方が多い
  • 偏食:好き嫌いの度合いが大きく、特定のものしか食べられない

毎日同じものばかり食べている状況や栄養不足が心配になる状況では、偏食といってよいでしょう。

子供の偏食は特別なことではなく、偏食について悩んでいる保護者の割合は、3人に1人という調査結果もあります(※1)。

子供にもよりますが、成長により食べられるものが増えてくる場合があります。

気長に付き合う必要はありますが、思い悩みすぎず、子供1人1人にあった対策法をできるところからはじめていきましょう。

子供の偏食の原因4つ

子供の偏食が起きる原因は、味覚や食べる力、また自我の芽生えなどさまざまです。

まずは原因を知ることが、適切な対処への第一歩です。詳しく見ていきましょう。

1.子供の味覚・嗅覚が大人より敏感

味覚・嗅覚が敏感

子供の味覚・嗅覚は大人より鋭いため、苦い野菜、酸っぱい味付け、青臭い野菜、生臭い肉や魚などを苦手とすることがあります。

舌には味覚センサーである味蕾(みらい)細胞がありますが、子供は味蕾細胞の数が大人より多くなっています。

そのため、苦味や酸味などの苦手な味に敏感になってしまうのです。

たとえば大人がピーマンやほうれん草を食べたときに感じるわずかな苦味も、子供にとっては何倍も苦く感じることもあります。

特に苦味や酸味は、本来は毒の味や腐敗した味であり、人間が本能的に苦手と感じる味です。

苦味や酸味を拒否するのは、人間の正しい姿でもあり、偏食の原因となっても不思議ではありません。

同時に子供は臭いにも敏感です。

大人が気にならない程度でも、肉や魚の生臭さや、野菜の青臭さを苦手と感じることもあります。

子供によって敏感さは違いますので、よく観察して、どのようなものを苦手としているのかチェックしてみましょう。

2.噛む力が弱い

噛む力が弱い

子供は噛む力が弱いため、噛み切れないものを食べにくく感じ、苦手に思ってしまうこともあります。

歯が生えそろう頃になると、何でも食べられるようになったと考えてしまうかもしれませんが、噛む力と体重は比例するため、まだ体重の軽い子供は大人より噛む力が弱いのです。

噛みにくいといわれているものはこのようなものがあります。

  • ペラペラしたもの:レタス、輪切りきゅうり、薄切り肉
  • 硬い、弾力があるもの:肉、えび、かまぼこ、きのこ類、こんにゃく
  • パサパサするもの:ゆで卵、さつまいも、魚

幼児期に噛む力をつけることは大切ですが、食べづらいものばかりになっていないか、一度振り返ってみるとよいでしょう。

3.食べ慣れないものへの警戒

食べ慣れないものへの警戒

子供にとって、食べ慣れないもの、初めて食べるものは未知の世界です。

警戒心から、偏食や好き嫌いにつながることがあります。

安全な食べ物を食べることは人間の本能として重要であり、食べ慣れないものに警戒するのは当然ともいえます。

大人に比べると食経験の少ない子供が、食べ慣れた安全な食べ物ばかりを食べることは、自然なことともいえるでしょう。

4.お腹が空いていない

子供の胃は思った以上に小さく、食事以外の飲食が頻繁であったり、食事と食事の時間が近かったりすると、食欲がわかずに食べられないこともあります。

無意識に以下のようなことをしていないか、振り返ってみましょう。

  • 食事を食べなかったためにおやつを多めに与える
  • 野菜ジュースや果物ジュース、乳酸菌飲料など糖質を含む飲み物を与える
  • 決まった時間以外にお菓子やジュースなどを与える

これらの行動は、子供の空腹感を妨げてしまっている可能性があります。

大人からするとほんの少しの量でも、子供にとっては多い量かもしれません。

「空腹は最大のごちそう」というように、食事前に適度な空腹感を作ることが大切です。

与える場合は量と時間を決めるようにしましょう。

子供の偏食による影響はあるの?

子供の偏食が強い場合、栄養不足などの影響を心配するかもしれません。

たしかに成長に必要なエネルギーはもちろん、タンパク質、カルシウム、鉄、亜鉛などの不足は心配な点です。

ただし「肉はダメだけど魚はOK」「ピーマンはダメだけどブロッコリーはOK」など、代替えとなる食べ物をとれていれば、栄養不足は心配しすぎる必要はありません。

どの食べ物が代替えになるかは「6つの基礎食品群」というグループ分けが参考になります。

6つの基礎食品群

これは食品を栄養や機能別にグループ分けしたものです。

覚える必要はありませんが、このグループの中から代替えとなる食べ物がどれかひとつでも食べられていればまずはOK。

少しずつ食べられるものが増えていくよう、次から紹介する対策を取り組んでみましょう。

食べられるきっかけを作る対策5つ

食べられるきっかけを作る対策5つをご紹介します。

子供の偏食に困っている方は、すでにいろいろな対策を試された方も多いでしょう。

一度試したことがあるものでも、時間を空けると効果がみられることもあります。

無理のない程度にチャレンジしてみましょう。

1.楽しく食べる雰囲気を作る

楽しく食べる雰囲気を作る

食べてほしい気持ちから、食事のときについ表情がけわしくなっていませんか?

「食べることは楽しいこと」と子供が思うことが、進んで意欲的に食べるきっかけにつながります。

たとえば子供が食べ物で遊んだり苦手な食べ物を吐き出したりすると、注意する方は多いでしょう。

ですが注意することで、気を引くために同じ行動を繰り返したり、また食事に対して苦手意識を持ってしまったりすることがあります。

このような行動はあまり注目せず、反対に、好ましい行動にはしっかりと反応してほめましょう。

認められた満足感で、進んでやってみようという気持ちを作るきっかけになります。

ほめるポイントは小さいことで構いません。

「○○を食べようとしているね」「フォークで刺せたね」などでOKです。

注意が減り、褒める言葉が増えれば、自然と楽しい食事の時間を作れます。

はじめは難しく感じるかもしれませんが、少しずつ意識してみましょう。

2.苦手な食べ物に挑戦する機会を作る

苦手な食べ物に挑戦する機会を作る

苦手な食べ物を無理に食べさせる必要はありませんが、慣れる機会を作ることは大切です。

先ほど説明した通り、苦味や酸味は本能的に拒否する味ですが、食べ慣れることで安心し、おいしく感じるようになることがあります。

苦手なものも、時々は食事に登場させ、食べる練習をさせましょう。

3.調理法を工夫する

調理法を工夫する

子供が食べやすい調理法を工夫することで、食べる練習がスムーズになることがあります。

  • 噛みづらいものは小さく切る
  • パサパサするものはとろみをつける
  • 苦味のある野菜は加熱時間を長くする
    またはカレー粉やケチャップなどの風味のある調味料を使う

子供が何を苦手としているか、よく見て工夫してあげるとよいでしょう。

もし食べられなかったとしても、がんばろうとした姿勢などのほめるポイントを見つけて、自信がつくようにサポートしてあげてくださいね。

4.ほどよい空腹感をつくる

食事と食事の間は時間を空け、決まった時間以外は食べ物や甘い飲み物はなるべく与えないようにし、生活リズムを整えましょう。

理想の食事間隔は2時間半から3時間といわれています。こちらは1日のスケジュールの例です。

食事時間の例

ご家庭の都合に合わせたスケジュールを一度考えてみましょう。

またおやつの量も多すぎないよう配慮が必要です。

1日あたりのおやつの適量は、1~2歳児であれば150kcalほど、3~5歳児であれば200~250kcalほどが目安です。

たとえば3~5歳児の場合、牛乳200ml(約120kcal)と、さつまいも100g(約130kcal)またはおにぎり小1個(約125kcal)でちょうどよい量になります。

甘いお菓子やスナック菓子もたまにはOKですが、おやつは食事で足りない分を補う意味があるため、さつまいもやおにぎり、ロールパンなどの食事に近いものを選ぶと、次の食事を妨げにくくなります。

おやつの内容もぜひ工夫してみてくださいね。

5.食事のお手伝いをする

食事のお手伝いをする

食事の準備など簡単なお手伝いをすることで、食への興味が広がり、食べる意欲につながりやすくなります。

たとえばピーマンの種を取る、玉ねぎの皮をむく、和え物を混ぜる、盛り付ける、などの簡単なお手伝いでOKです。

すべての工程だと大変なため、1つだけ手伝ってもらうようにするとよいでしょう。

「○○ちゃんが混ぜてくれたからおいしいね」「○○くんが皮むきしてくれたから、いつものお野菜がもっとおいしいね」などという言葉を伝えるようにすると、食事の時間も楽しくなります。

保育園ではこのような食育が実践されることがあるのですが、そのときの給食は残飯がゼロ、という話もよく聞かれます。

この料理がどうやって作られているのか?を知ることで、食べる意欲につながるようです。

ぜひ家庭でも実践してみてくださいね。

偏食は気長に付き合い、楽しい食卓を目指そう!

さまざまな対策や工夫をしても、うまくいかないこともあるかもしれません。

大人にも好き嫌いがあるように、子供にも直せない好き嫌いはあるものです。

また対策の効果はすぐに出るわけではなく、長い付き合いになることがほとんどです。

偏食があっても、なにか食べられていればOK!という気持ちも持ちつつ、まずは食べることを一緒に楽しむことからはじめてみましょう。

 

成長期に必要な栄養素の中でも、強い骨を作るために必要なカルシウムは不足することなく補いたいものです。

牛乳や乳製品、小魚、色の濃い野菜が食べられていればOKですが、これらを好まない場合は不足が心配です。

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きな粉と同じように使えるため、朝食やおやつに手軽に取り入れられますよ。

カルシウム不足が心配な方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

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参考文献

※1:厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要
神奈川県小児保険協会「偏食外来パンフレットby神奈川県立こども医療センター