こんにちは!管理栄養士の盛岡です。
体の成長には様々な栄養素が関わっていますが、その中でも最近よく注目されているのがビタミンDです。
ビタミンDは不足すると筋力の低下にもつながる(特に高齢者)ことが報告されており、スポーツ選手に対する効果の研究も進められています。
そこで今回はビタミンDで身長が伸びるかどうかについて着目して解説します。
ビタミンDのはたらきと豊富な食べ物
ビタミンDはカルシウムの腸管での吸収を高めるはたらきのある栄養素で、骨をつくる上で欠かせない栄養素です。
ビタミンDは欠乏すると子供では「くる病」、大人では「骨軟化症」という骨の異常が発症するほどであり、それだけ骨の形成に深く関わっている栄養素になります。
体に吸収されにくいカルシウムにおいて、ビタミンDも併せてとることはとても重要です。
ビタミンDは食品では魚介類や卵、きのこ類に多く含まれております。野菜や肉類にはあまり含まれていません。
また日光を浴びることで皮膚にあるコレステロールの一種からビタミンDはつくられますので、外で遊ぶことも子供の成長にとって大切です。
ビタミンDで身長が伸びる効果はある?
ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、骨を作る上で必要な栄養素であることは間違ありませんが、ビタミンDだけを摂取しても身長が伸びるわけではありません。
そもそもカルシウムは骨を「固める」はたらきはありますが、骨を「伸ばす」わけではありません。
カルシウムは不足すれば成長の阻害につながりますが、多くとればとるほど身長が伸びるわけではありません。
このことからビタミンDも同様に、それだけを多く摂取しても身長が伸びるわけではないといえるでしょう。
骨を伸ばすには、骨にある軟骨(コラーゲン)の材料になるタンパク質や、成長ホルモンの分泌に関わる亜鉛なども必要です。
体の成長にはやはり様々な栄養素をバランスよくとることが大切になります。
プロテイン・サプリはビタミンDの含有量に注意
またビタミンDのサプリメントでは、含有量がとても多いものがあるので注意しましょう。
未成年向けのサプリメントでは含有量が5.0μg以上にならないようにと消費者庁からの通達があります。
一日当たりの目安量が5.0μgを超える加工食品については、成人向けに設計されていることを表示すること等により、未成年者にビタミンDの過剰摂取による健康への悪影響が生じることのないよう配慮
消費者庁:未成年者におけるビタミンDを含む加工食品の摂取状況の調査結果等について
しかし実際には、市販のサプリメントではそれ以上の含有量のある商品も多くあります。
魚介類の少ない方、日光をあまり浴びていない方はビタミンDが不足しやすくなります。大事な栄養素ではありますが、もしサプリを取り入れるのであれば、適度な含有量のものを選びましょう。
今回もお読み頂きありがとうございました!