スポーツ時の水分補給

マラソンなどスポーツ時の塩飴・タブレットの活用法とおすすめ商品

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これでマラソン完走!塩飴・タブレットの活用方法

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

マラソンやロードバイクなどの持久系スポーツを行うときには、補給食としてエネルギーゼリーだけでなく飴やタブレットを携帯していく方も多いかと思いますが、どのような基準で選んでいますでしょうか?

同じ飴でも成分にはいくつかバリエーションがあり、中に含まれている成分を理解した上で適切に活用することで、熱中症の予防や記録の向上に役立てることができます。

そこで今回は、スポーツ時の飴の選び方・摂取方法についてご説明いたします。

飴の種類

スポーツ現場でよく用いられる飴・タブレットには次の種類があります。

ブドウ糖飴

エネルギー補給のできるブドウ糖(グルコース)が入っているタイプ。ブドウ糖は「単糖類」という種類の糖質で、デンプンや砂糖よりも素早く吸収されます。

塩飴

汗で失った塩分(ミネラル)が含まれているタイプ。基本的に塩だけが入っているということはなく、砂糖かブドウ糖も含まれています。

アミノ酸タブレット

BCAAなどのアミノ酸が含まれているタイプの飴で、アミノバイタルやザバス、ウイダーのシリーズで発売されております。糖質や塩分が入っているものもありますが、含有量は多くなく味付けに入れられている程度です。

スポーツ時の飴の選び方

熱中症対策には塩飴

マラソンなどの補給に活用する飴は、基本的に塩飴・塩タブレットがおすすめです。

理由は塩飴には汗で失われる塩分と、水分の吸収を助ける糖分の両方が含まれていて、熱中症対策の効果が期待できるためです。普通な飴やブドウ糖飴ですと塩分はほとんど含まれていないため、熱中症対策ができません。

「エネルギー補給や血糖値低下の際の糖質補給なら、ブドウ糖飴の方が効率がいいのでは?」と思うかもしれませんね。しかし、塩飴含まれる食塩相当量は1個あたり0.05~0.1gと全体の2~4%程度しか含まれておらず、量的にはほとんどが糖分です(塩分補給はそのくらいの量で十分なのです)。

例えば同じメーカーの塩飴とブドウ糖飴で、栄養成分にどのような違いがあるか見てみましょう。下記はkeitai(ケンタイ)というメーカーの商品の成分比較になります。

kentaiのブドウ糖飴と塩飴

 栄養成分 1袋72g(20個)あたり
ブドウ糖飴 塩飴
エネルギー 280kcal 272kcal
たんぱく質 0g 0g
脂質 0g 0g
炭水化物 70g 68g
(-ブドウ糖) 5g
食塩相当量 0g 1.37g

炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせたものであり、飴の場合は炭水化物量はほぼ糖質量と考えればよいでしょう。この表を見ると炭水化物は1袋(20個入)の合計でもたったの2gしか差がなく、エネルギー(カロリー)も8kcalしか差がありません。

したがって、血糖値低下の際の応急処置やエネルギー補給のための糖分補給にも、塩飴で代用が可能なのです。

一方で塩分についてはブドウ糖飴はゼロで、塩飴は1.37÷20=0.068gとなっており、飲み物でいえば真水とスポーツドリンクくらいの違いがあります。

軽い運動をするときならブドウ糖飴でもいいですが、暑い季節や長時間の運動など、ある程度汗をかく場合にはやはり塩飴がよいでしょう。もしたくさんエネルギー補給をしたいなら、1個あたり15kcal程度しかない飴よりもむしろエナジージェルを飲んだ方が効率がいいです。

疲労の抑制にはアミノ酸タブレット

長時間の運動による疲労を抑えるには、アミノ酸配合のタブレット、特にBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシンが含まれているものをとるのもよいでしょう。

BCAAは運動時に筋肉のエネルギー源としてよく消費されるアミノ酸で、疲労を抑え持久力アップに役立ちます。

ただし、アミノ酸タブレットには塩分はあまり含まれておらず、塩飴のようなミネラル補給は期待できないので注意して下さい。優先度としては塩飴の摂取で熱中症対策をすることが第一です。

スポーツ時の飴の摂取方法

塩飴は水分も一緒に補給する

水分補給をする男性

熱中症対策では当然ながら汗で失われた水分を補給することも大切です。きゅうりに塩をふると水分が抜けるように、塩だけ摂取しても逆に細胞から水分が出ていってしまいます。塩飴に含まれる程度の塩分なら影響は少ないかと思いますが、食べ過ぎは高血圧にもよくありません。

なので塩飴をとるときは水分もセットで補給するようにしましょう。目安はコップ半分(100mL)のお水に対して塩飴1個(塩分0.1g程度)の量になります。

この割合で摂取すれば、ちょうどスポーツドリンクと同じ比率の水分・塩分補給ができ、給水所があるタイミングごとに補給すれば塩分の摂りすぎ防止にもなります。

マラソンの給水所には大抵、コップ半分の量で水が入っているのでちょうどいいですね。もしスポーツドリンクが置いてあるなら、それで塩分補給はできますので塩飴をとる必要はありません。

例えばマラソンの給水所にスポーツドリンクがおいてなく、水しかなかったときには塩飴も一緒にとる、といったような活用のしかたがよいでしょう。

アミノ酸タブレットは運動前・運動中にとる

アミノ酸タブレットをとるタイミングは、運動中のエネルギー源や疲労抑制という目的から、運動前や運動中の摂取が一番よいでしょう。

アミノ酸は吸収されて血中濃度が上がるまでに30分程度かかるといわれていますので、運動前にチャージする場合には運動を始める30分前に補給するのがポイントです。

効果の感じられる摂取量が2,000mg以上で、摂取2時間後にはもとの状態近くまで減少すると報告がされています。したがって運動中の補給食としては1~2時間に1回を目安に再度補給するとなおよいでしょう。

おすすめの飴・タブレット

最後にスポーツ時におすすめの飴を3つご紹介いたします。どの商品もドラッグストアに行けば買える商品です。

塩熱サプリ(ミドリ安全)

塩飴で一番おすすめなのはミドリ安全の「塩熱サプリ」です。塩分と糖分が適切な比率で含まれていて、さらにカリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラルも含まれているため、足のけいれん対策にも役立ちます。

サイズは10円玉より少し小さいくらい。タブレットなので噛んで食べることができて、味もレモン風味で美味しいです。

塩分チャージタブレッツ(カバヤ食品)

塩分チャージタブレッツのパッケージと粒

塩熱サプリの次におすすめなのが、カバヤ食品の「塩分チャージタブレッツ」という商品です。1粒あたりの塩分は塩熱サプリと同じくらいです。

塩熱サプリのようにカルシウムやマグネシウムは入っておりませんが、カリウムは含まれています。

またこちらは写真のように個包装になっているので携帯性に優れているのもポイントですね。

アミノバイタル タブレット(味の素)

アミノバイタルタブレットのボトルと粒

アミノ酸タブレットでおすすめなのが味の素の「アミノバイタル タブレット」です。アミノバイタルシリーズの商品はアミノ酸の中でも特にBCAAを多く含有しているので、疲労抑制に役立ちます。

ただ問題は味があまり美味しくないことですね…。BCAA自体がもともと苦いので仕方ないのですが、味については少し我慢して食べましょう。

まとめ

  • 熱中症対策には塩飴をとることが大切で、ブドウ糖飴と比べても糖分量はあまり変わらないため、糖分補給も塩飴で代用できる
  • 疲労の抑制にはアミノ酸タブレットがよく、特にBCAA(分岐鎖アミノ酸)を含むものがよい
  • 塩飴は水と一緒にとるようにし、コップ半分の水に対して塩飴1個を目安にとるとよい
  • アミノ酸タブレットは1回あたり2,000mgを目安に、運動前や運動中に補給するとよい

参考文献

田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
大塚製薬:BCAA摂取のポイント http://www.otsuka.co.jp/a-v/bcaa/bcaa_point.html

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