こんにちは!管理栄養士の盛岡です。
子供がスポ少や部活をやっていると、夕食時がちょうど練習時間というご家庭も多いのではないでしょうか。
「練習前にがっつり食べさせるとお腹痛くならないかな・・」
「練習後に食べさせて、すぐ寝ると体に悪くないかな・・」
疑問はたくさんあり、夕食はどのように食べさせたらいいか悩みますよね。
そこで今回はジュニアアスリートの練習後の食事メニューを考える際のポイントや、疲労回復に役立つ具体的な献立例について解説します!
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目次
運動後の栄養補給は疲労回復に必要
運動後、特に運動直後30分以内は成長ホルモンが多く分泌され、筋肉の合成が促進され、最も効率よく栄養を取り込める「ゴールデンタイム」と呼ばれています。
またこのタイミングは筋肉の合成だけでなく、運動による筋損傷とエネルギーの枯渇によって、筋肉の分解も進んでいます。
このときに筋肉の分解を止め、合成を促進させるためには炭水化物とたんぱく質などの栄養をしっかりとらなければなりません。
もし運動後に何も栄養をとらなかったら、疲労がなかなか回復せず、筋肉の分解が進んでしまいます。
せっかくハードな練習したのに体力・筋肉もつきにくい状態となってしまい、とてももったいないことになります。
そのため夜遅い場合でも栄養補給は必須と考えてください。
運動前の補食でエネルギー補給
例えば19~21時に練習があるような場合は、夕食を練習前と練習後、2回に分けて食事をとるのがよいです。
<分割食の例>
18時 | 炭水化物の補食 (おにぎり・パン・バナナなど) |
19~21時 | 練習 |
21時半~ | 夕食(おかずだけ) |
運動前の18時にはエネルギー源になるおにぎりなどの主食のみをとります。(夕食後すぐ練習という場合は、より速く消化吸収されるバナナなどがおすすめです)
運動前にエネルギー補給をすることで集中して練習ができ、夜のドカ食いも少なくなります。
そして帰宅後は、ご飯は少なめにするか、おかずのみの夕食でタンパク質メインの食事をとります。
運動後の栄養補給は筋疲労を修復するためにも、練習後にタンパク質を摂取することは大切です。練習後の栄養補給はしっかりとしましょう。
練習後の夕食は消化のよいおかずを
練習後の夜遅めの食事は、食後から就寝までの時間が短いので、良質な睡眠をとるためにも睡眠中に体が消化のために働くのは避けたいところ。消化のよい献立にするのが重要です。
揚げ物などの脂質の多い食事は消化が悪いので避け、消化によく、タンパク質がとれる献立がベスト。
参考に消化時間の目安ですが、ぞうすいだと2時間、普通の食事だと4時間、脂質多い食事だと、なんと8時間も消化に時間がかかります。
消化によい食材とは
タンパク質は、脂肪の少ない肉や白身魚・大豆製品がおすすめ。
野菜類は、キャベツ・にんじん・じゃがいも・大根・白菜など、繊維質でない野菜が消化が良いのでおすすめです。
また、調理法を工夫することでも消化のよい食事にできます。煮る・蒸すが油を使わず、かつ柔らかく仕上がりますので消化に良いでしょう。
水分をたっぷり含んだ料理にするなど工夫して、十分に満腹感を得られる献立にしましょう。
夜遅い時間の夕食メニュー例
豚しゃぶ献立
<献立>
・豚しゃぶ
・みそ汁(豆腐、ねぎ)
・りんご
・ほうれん草おひたし
調理に油を使わないため、消化吸収がよい献立です。
豚しゃぶのタレは脂質抑えめのお好きなものを。ポン酢などおすすめです。
消化のよいデザートとしてはりんごやバナナはよいでしょう。
白身魚のムニエル献立
<献立>
・白身魚のムニエル
・具だくさんコンソメスープ
・卵豆腐
白身魚のムニエルにはバターを使用しますが、バターは少量であれば消化にやさしい食べ物です。乳化された油は消化にやさしく、バターは油脂類の中では消化が早いです。
付け合わせにはかぼちゃ・じゃがいも等そのまま食べてもおいしい温野菜を添えて、脂質をカット。具だくさんスープの材料は小さく切ってよく煮ることにより、消化を早めます。
温泉卵や卵豆腐はタンパク質をプラスするための一品としておすすめです。
さらに夕食が遅くなる場合は
例えば帰りが22時以降でとても遅い場合はどうしたらよいでしょうか。
ここまで遅くなる場合は、できれば練習前の夕方にまとまった量の夕食や補食をとった方がよいでしょう。
練習前の夕食や捕食には、煮込みうどんや卵サンドなど、炭水化物を中心とした消化によいメニューがいいですね。タンパク質については消化の良い豆腐などを選んだり、次の日の食事でカバーするなどしてもよいです。
代わりに練習後はプロテインを栄養補助として活用するのがおすすめです。プロテインであれば固形の食事と比べて胃腸に負担をあまりかけません。
タイミングに合わせてしっかり栄養をとりましょう
夕食を抜いたり、食べる量を極端に減らして就寝すると、布団に入ってからお腹がすいて深い眠りにつけず、逆に睡眠の妨げになってしまいますので、やはり夕食は何かしらとったほうがよいです。
消化によい食材や調理法、あるいはプロテインを活用し、上手に栄養補給しましょう。
明日からのお子様の食事の参考にしていただけたら幸いです。