スポーツ時の水分補給

スポーツドリンクは糖分が多いから太る?ダイエット中のおすすめはコレだ!

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スポーツドリンクの砂糖の量はすごいんでしょ?

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

ダイエットをしている方やアスリートにとって、飲み物に含まれているカロリーは気になりますよね。スポーツドリンクには糖分が含まれていますのでカロリーがあり、カロリーがあるということは飲み過ぎればもちろん太る可能性もあります。

しかしだからといって、汗をかいたときに水やお茶で水分補給をしていると、今度は熱中症になる恐れもあります。

そこで今回はスポーツドリンクにはどれくらいの糖分が含まれているのか、そして運動中やダイエット時にはどんな飲料を選んだらよいのかについてご説明いたします。

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スポーツドリンクに含まれている糖分の量

角砂糖

スポーツドリンクに含まれている糖分濃度は、代表的な商品である「ポカリスエット」は6.2g/100mLとなっており、ペットボトル1本(500mL)あたり約30gの糖分が含まれています。

糖分30gは角砂糖でいうと6個分で、下の写真の量が1本分に含まれていることになります。

スポーツドリンクに含まれている糖分(砂糖)の量

他のソフトドリンクの糖分濃度と比較してみると、コカ・コーラは11.3g/100mL、オレンジジュースの「なっちゃん」は10.7g/100mLとなっており、スポーツドリンクは比較的糖分が少ない方ではあります。

それでもポカリスエットのカロリーは1本で125kcalと、ごはんのお茶碗半分に相当するカロリーがあり、普段の水分補給で飲んでいたらお茶や水よりはやはり太りやすいといえます。

しかし一方で、スポーツドリンクに含まれている糖分には熱中症対策において重要な役割があるということも覚えておく必要があります。

運動時の水分補給における糖分の効果

長時間の運動を行うとき、あるいは暑い季節の野外活動などでは、スポーツドリンクに含まれる糖分には次の3つの効果があります。

効果①味を美味しくする

汗をかいたときには水分だけでなく汗で失われた塩分(ミネラル)も一緒に補給する必要があります。

しかしただの塩水では飲みづらいため、糖分を入れることで味が美味しくなり飲みやすくなります。

効果②水分の吸収を促進する

砂糖はブドウ糖と果糖という2種類の糖分からできているのですが、ブドウ糖には塩分とともに水分の吸収を促進する効果があります。

下のグラフ(1)は糖分濃度と水分の吸収効率を表したものです。紫色の曲線が水分の吸収率を表しており、糖質濃度が2.5~8%のところで最も高い状態になっています。

糖質濃度が2.5~8%の飲料が最も効率的に水分を吸収する

この領域を「至適水分補給域」といい、真水よりもある程度の糖分が含まれている方が水分は効率よく吸収されるのです。(詳しいメカニズムについては「アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の違い」のページをご参照下さい。)

効果③エネルギーを補給する

減量時には摂取カロリーを抑えることは大切ですが、カロリーとは体を動かすためのエネルギーのことです。

スポーツドリンクの糖質には運動時のエネルギーを補給するという大切な役割があり、糖分からエネルギーを補給しないことは運動のパフォーマンスに影響を与えるということも考慮しておく必要があります。

下のグラフ(2)は糖分を含む飲料を飲ませた群と糖分を含まない飲料を飲ませた群とで、体力がどれだけ持続するのかを比較したグラフです。

スポーツドリンク摂取を飲んだ方が体力が持続する

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糖分を含まない飲料を飲ませた群は、運動時間が150分のころには運動強度が大幅に低下しているのに対し、糖分を含む飲料を飲ませた群は180分まで高いパフォーマンスを維持しています。

このことから部活動をしている学生や長い距離を走るランナーの方は、運動の強度を維持するためにもある程度の糖分が含まれた飲料を選ぶべきです。また日本体育協会では、長時間の運動の際には糖分濃度が4~8g/100mLの飲料を飲むことを推奨しています。

 

なお、味を美味しくすることは人工甘味料でも代用できますが、水分の吸収を促進する効果とエネルギーを補給する効果については人工甘味料では代用できません。

スポーツドリンクの選び方

状況と目的に応じた使い分けを

スポーツドリンクに含まれる糖分は商品によって様々ですので、状況と目的に応じて使い分けるとよいでしょう。使い分けのポイントは以下の3つです。

1.夏の野外活動や運動時など発汗量が多いときには、熱中症対策の観点から糖分の含まれているスポーツドリンクを飲む(特に長時間の運動では糖分濃度が4~8g/100mLの飲料がよい)

2.減量に取り組んでいてカロリーを抑えたい場合には、糖分濃度が2~3g/100mLの比較的薄いスポーツドリンクがおすすめ

3.気温が低く熱中症の心配があまりないときに運動するなら、カロリーゼロのスポーツドリンクで水分と塩分の補給をするだけでもOK

スポーツドリンクの糖分量の比較

次に、メーカーのスポーツドリンクに含まれている糖分量とカロリーを比較してみます。

<100mLあたりのカロリーと糖分量>

商品名 カロリー 糖質
ゲータレード 25kcal 6.3g
ポカリスエット 25kcal 6.2g
GREEN DAKARA 19kcal 4.9g
miu プラススポーツ 19kcal 4.8g
アクエリアス 19kcal 4.7g
ビタミンウォーター 18kcal 4.7g
アクエリアスビタミン 18kcal 4.6g
アミノバリュー 18kcal 3.6g
ラブズスポーツ 14kcal 3.4g
スーパーH2O 12kcal 2.9g
イオンウォーター 11kcal 2.8g
アミノバイタル 13kcal 2.8g
VAAMウォーター 0kcal 0.74g
アクエリアス ゼロ 0kcal 0.7g
塩JOYサポート 0kcal 0.7g

比較してみますと、「イオンウォーター」・「スーパーH2O」・「アミノバイタル」は糖分が少ないのでダイエットにおすすめです。特に、アミノバイタルは値段が高めですが、アミノ酸のBCAAも含まれていますので運動中の疲労の抑制に役立ちます。

そして「VAAMウォーター」「アクエリアス ゼロ」はカロリーゼロになっていますので、気温の低い時期や軽い運動時の水分補給にはよいでしょう。

※「カロリーゼロ」という表記は、100mLあたり5kcal以下の場合にできます。VAAMウォーターやアクエリアスゼロは糖分が全くないわけではありませんので、微量のカロリーはあると思われます。

人工甘味料でも肥満や糖尿病になる?

人工甘味料でも糖尿病や肥満になる可能性がある?

糖分の少ないスポーツドリンクにはいずれも人工甘味料は使用されていますが、最近では「人工甘味料でも肥満や糖尿病につながるのではないか」との指摘があります。

実際に、アスパルテームという甘味料を混ぜた水を飲んでいたマウスは、普通の水を飲んでいたマウスよりも体重が増加し、メタボリックシンドロームの症状を示したそうです。

また別の実験では、人工甘味料を混ぜた食事をとらせたショウジョウバエは、その後天然の甘い食品を与えられると、カロリーを30%多く摂るようになったそうです。

この理由として、前者の実験では肥満や糖尿病の予防効果がある小腸型アルカリ性ホスファターゼ(IAP)と呼ばれる腸の酵素の働きを人工甘味料がブロックすること(3)、後者の実験では人工甘味料が脳に働いて食欲を増幅させること(4)が可能性として示唆されています。

しかしこれらの研究の実験はショウジョウバエやマウスが対象で、ヒトを対象にしたものではなく、メカニズムも不明確なため効果について断定はできません。

分からない部分が多いですが、少なくとも砂糖が入っている飲料は血糖値を上昇させますし、余ったカロリーは体脂肪として蓄積されるのは確実です。それと比べれば、カロリーが少ない人工甘味料入りのスポーツドリンク方が太りにくいのではないかと思います。

ただ「人工甘味料であっても、体脂肪の増加を引き起こすかもしれない」ということだけは胸にとどめておき、日常生活でのちょっとした水分補給ならお茶やミネラルウォーターですます方が無難といえるでしょう。

まとめ

  • スポーツドリンクにはペットボトル1本あたり約30gの糖分が含まれている
  • コーラやフルーツジュースと比べれば糖分は少ないが、それでも日常生活の水分補給で使用する際にはカロリーに注意するとよい
  • 一方で糖分には水分の吸収を促進する効果や体のエネルギー源となる効果もあるため、運動時にはある程度糖分の含まれているスポーツドリンクを選ぶとよい
  • ダイエットの際には「イオンウォーター」や「スーパーH2O」のような糖分が少ないものがおすすめ
  • 人工甘味料でも太る可能性が示唆されているため、日常生活のちょっとした水分補給ならお茶ですますのが無難

参考文献

1) Brouns F: Nutritional needs of athletes. John Wiley & Sons, p70, 1993.
2) Coyle E.F, Hagberg J.M, Hurley B.F, Martin W.H, Ehsani A.A, Holloszy J: Carbohydrate feeding during prolonged strenuous exercise can delay fatigue. Journal of Applied Physiology 55, 230-235, 1983.
3) https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-11/mgh-amp112216.php
4) https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-07/uos-was070616.php
日本体育協会:「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」,2013.
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.

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