アスリートの食事メニュー

スポーツの試合前・大会前にはお餅がおすすめな理由とは?

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試合前・大会前に体調を整えるためのおモチ活用術

あけましておめでとうございます。スポーツ栄養士の盛岡です。

今回はお正月ということで、お餅についての話をしようと思います。

お餅というと「カロリーが高くて太りやすい」というイメージがありますが、スポーツの試合前・大会前には、実はお餅はコンディショニングに優れた食品であるというのはご存知でしたか?

ここではお餅が他の主食より優れている理由と、おすすめの食べ方・レシピについてご紹介します。

スポーツ前にはお餅が良い理由

もち米は糖質量が多い

どんなスポーツでも大会前には日ごろのトレーニングの疲労を回復させ、エネルギーを補給するために糖質(炭水化物)を補給することが大切です。

糖質を摂取するための食品にはごはん、パン、めん類、シリアルといった「主食」に分類される食品があります。お餅はお米から作られていますから普通のごはんを食べても糖質補給はできますが、もち米は普通のお米と比べて糖質を多く含んでいるため、少ない量でも効率よく糖質をとることができます。

下の表はもち米と普通のごはんの栄養価の比較です。私たちが普段食べている白米は「うるち米」というのですが、もち米はうるち米よりも水分量が少なく、代わりに糖質量が多いためカロリーが高いことが分かります。

<炊飯したときのカロリーと糖質量(100g中)>

100gあたり もち米 うるち米
カロリー 202kcal 168kcal
水分 52.1g 60.0g
糖質 43.5g 36.8g

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

もち米を蒸した後に固めてつくったお餅は、切り餅2個分(100g)だと約230kcalですが、同じ重量のごはんだと約170kcalなので、カロリーの密度が高い食品といえます。

切り餅2個のカロリーは230kcal、ごはん軽め1杯のカロリーは170kcal

マラソンなどのカーボローディングにもよい

持久系スポーツ

マラソンやトライアスロンなどのような持久系スポーツの場合には、レース前はしっかり糖質を補給してエネルギーを蓄えておく「カーボローディング」が必要になります。

お餅に含まれている糖質は、ごはんと同じ「デンプン」です。デンプンは複数の糖が繋がってできている「多糖類」という糖質で、エナジージェルやジュースに含まれている砂糖や、バナナに含まれている果糖に比べて消化吸収に時間がかかるため、腹持ちがいいのです。

(果糖は1個の糖質でできている「単糖類」、砂糖は2個の糖質が繋がってできている「二糖類」。分解(消化)する手間がかからないので、すぐに吸収される)

レース後半でスタミナ切れとならないようにするためにも、レース前にデンプンを手軽に補給できるお餅は便利な食品といえます。

大会当日におすすめの食べ方

前述しましたように、お餅はゆっくり消化吸収されます。直前にとると消化不良で腹痛の原因となりかねませんので、試合当日に食べる場合には試合開始の3~4時間前にとるとよいでしょう。

また、試合当日の食事ではエネルギー補給が第一ですので、糖質中心の食事メニューにして、たんぱく質や脂質を含む肉・魚のおかずなどは控えめにします。

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重要な試合前では緊張して食欲がでなくなったり、だ液の分泌が少なくなったりしがちです。そんなときには以下のように汁物と一緒にすると食べやすくなるのでおすすめです。

おしるこ

試合前の食事におすすめのおしるこ

1杯あたりのカロリー:約350kcal

糖質の多いあんことお餅の組み合わせは、試合前の糖質補給に最適です。おしるこ1杯分の汁と切り餅1個で、約350kcalのエネルギーになります。手軽に作れるインスタントのカップおしるこを利用するのもいいですね。

力うどん

試合前の食事におすすめの力うどん

1杯あたりのカロリー:約400kcal

糖質と糖質の組み合わせである「力うどん」も試合前にはおすすめです。うどん1玉と切り餅1個で約400kcalになります。

朝から丼ぶりのごはんは辛くても、めん類やお餅だとするっと口に入るという方も多いのではないでしょうか。

大会1週間前~前日におすすめ!ワンプレートお雑煮

試合前日におすすめのワンプレートお雑煮

試合の1週間前~前日ですと、糖質を十分に補給しつつも、肉や野菜からバランスよく栄養をとる体調管理につとめる必要があります。

そこで今回、糖質補給と同時にたんぱく質やビタミン・鉄分もまとめてとれる「ワンプレートお雑煮」をご紹介します。

材料(4人分)

鶏肉の塩漬け(※1)
鶏もも肉 2枚(500g)
小さじ2
小さじ1
砂糖 小さじ1/2
小松菜の塩漬け(※2)
小松菜 1束(200g)
大さじ1/2
砂糖 小さじ1/2
吸い地
だし汁 4カップ
大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
みりん 大さじ1/2
小さじ1
餅・ゆず
切り餅 各2個
ゆずの皮 適量

(※1)鶏肉の塩漬けは3~4日もつので、残りは親子丼にしても美味しい
(※2)小松菜の塩漬けは約1週間もつので、残りは浅漬けとして食べてもOK

栄養価(1人分)

カロリー 519kcal
たんぱく質 25.8g
脂質 18.5g
糖質 55.1g
食物繊維 1.5g

作り方

  1. 鶏もも肉は食べやすい大きさに切り、ポリ袋に入れる。酒・塩・砂糖を加えて袋の口をとじ、よくもみ込んだら冷蔵庫に入れて一晩おく。
  2. 小松菜は4~5cm幅に切り、ポリ袋に入れる。塩・砂糖を加えて袋の口をとじ、よくもみ込んだら冷蔵庫に入れて一晩おく。
  3. 鍋に吸い地の材料を入れ、中火にかける。沸騰したら鶏の塩漬けを入れ、弱火で10分間煮る。
  4. 切り餅はオーブンやレンジで柔らかくなるまで加熱する。
  5. お椀に3の煮汁を入れ、小松菜の塩漬けと餅、ゆずの皮を盛り付けて出来上がり。

お雑煮の出来上がり

まとめ

  • お餅に使われているもち米は、普通のお米に比べて糖質量が多く、手軽にエネルギー補給できる
  • お餅に含まれている糖質はデンプンなので、エナジージェルやバナナよりも腹持ちがいい
  • 糖質中心の食事にすることで、マラソンなどの持久系競技のカーボローディングにも役立てられる
  • 大会当日に食べる場合は、試合開始の3~4時間前に食べると良い
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