ジュニアアスリートの食事

ジュニアプロテインを比較!子供には何がおすすめ?【管理栄養士監修】

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市販されているジュニアプロテインを徹底比較

こんにちは。スポーツ栄養士の盛岡です。

前回の「ジュニアプロテインの効果と飲み方」では、子供用として販売されている「ジュニアプロテイン」は、普通のプロテインのようなタンパク質を多量に摂取するためのものではないとお伝えしました。

小学生~中学生の成長期にあるスポーツ選手は、タンパク質が適度にあり、かつカルシウムやビタミンなどをバランスよく配合しているジュニアプロテインがおすすめです。

ここではその子供用プロテインを選ぶ際のポイントについてご説明し、人気のある主な商品について成分や価格を比較してみます。

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子供用プロテインを選ぶ際のポイント

エネルギー(カロリー)

プロテインは牛乳や大豆を原料に作られており、脂肪分はどれもとても低く抑えられていますが、タンパク質や糖質の量は製品によって様々です。

食の細い子供にとってはよいエネルギー源となりますので、カロリーが高いのは必ずしも悪いとは限りません。

ただし、砂糖などの糖質が多く含まれているためにカロリーが高い場合、血糖値が上がり体脂肪に変換されやすいので、商品に記載されている目安量以上に飲み過ぎないよう注意が必要です。

(※糖質については栄養成分表示の「炭水化物」をチェックしましょう。炭水化物=糖質+食物繊維です。)

タンパク質

水泳の練習風景

練習後のリカバリーや、強い体づくりに欠かせない栄養素がタンパク質。厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、子供に必要なタンパク質量は以下が推奨量として設定されております。

 タンパク質推奨量(g/日)
年齢
3~5歳 25 25
6~7歳 35 30
8~9歳 40 40
10~11歳 50 50
12~14歳 60 55
15~17歳 65 55

女子の場合は10歳から、男子の場合は12歳から大人と同じ摂取量が推奨されております。

これらの量は朝・昼・晩の3食をきちんと食べていれば十分とることが可能ですが、運動量の多いアスリートであれば通常の1.5~2倍のタンパク質量が必要になるともいわれています。

また、タンパク質摂取量が増えるにつれて、その代謝に関わるビタミンB6をはじめとしたビタミンB群が多く必要になります。単純にタンパク質が含まれているだけでなく、ビタミンB群の栄養素が含まれているかどうかも栄養成分表示を見る際のポイントになります。

カルシウムとマグネシウム

乳成分由来のタンパク質

身長が伸びる成長期には、骨の形成に必要な栄養素であるカルシウムは多くの摂取量が必要とされます。

平成28年度の「国民健康・栄養調査」によると、7~14歳の平均的なカルシウム摂取量は男子で646mg、女子で610mgとなっており、食事摂取基準で定めている推奨量に到達していません。

カルシウム推奨量(mg/日)
年齢
8~9歳 650 750
10~11歳 700 750
12~14歳 1,000 800
15~17歳 800 650

カルシウムは不足しやすい栄養素ですので、食事に乳製品も取り入れながらしっかりとる必要があります。またカルシウムだけでなく、ビタミンDマグネシウムも含まれているとなお良いでしょう。

ビタミンDはカルシウムが腸管で吸収されるのを助ける栄養素で、マグネシウムはカルシウムと同様に骨や歯の形成に必要な栄養素です。特にカルシウム:マグネシウムは2:1の割合で摂取することが理想とされています。

その他の栄養素

鉄分

スポーツをしていると汗で鉄分が失われてしまったり、成長に伴う急激な血液量の増加にヘモグロビンの生成が追いつかなくなったりと、鉄分が不足しやすいです。

女子アスリートは特に貧血のリスクが高いため、貧血予防になる鉄分が含まれているものを選ぶとよいでしょう。

亜鉛

亜鉛はタンパク質の代謝を助けたり、成長ホルモンの生成・分泌に関わったりしているミネラルで、ジュニアアスリートには大切な栄養素です。

また亜鉛不足は食品の味に鈍くなる、味覚障害を引き起こすことがあります。これは、食欲不振の原因にもなってしまいます。

ビタミンC

ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持に関わる栄養素で、体内でコラーゲンを生成する働きや抗酸化作用もあります。

ビタミンCはジュニアプロテインに含まれているタンパク質やカルシウムと、必ずしもセットでとらないといけないわけではありませんが、体調を崩しやすい子供にとってはコンディショニングに役立つので、入っていると嬉しい成分です。

風味と甘味料

甘味料の写真

プロテインはそのままでは美味しいものではありませんので、多くの場合味付けがされています。

ジュニアプロテインも基本的には子供にとって美味しく飲めるよう、甘味料が使われており、砂糖であったり人工甘味料が使われています。

人工甘味料の代表的なものとしてはアスパルテームやアセスルファムK、スクラロースがございます。これらは砂糖と比べ非常に甘味が強いのが特徴で、少量の配合で甘味を感じることができるのでカロリーを低く抑えることができます。

人工甘味料には安全性を不安視する声もよく聞かれますが、添加物には人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても、健康への影響がないと推定される1日あたりの摂取量が定められており、これを「1日摂取許容量(ADI)」といいます。

加工食品はこの1日摂取許容量を超えないようにされているため、健康に悪影響を与える危険性は低いと考えられます。

しかし「安全とはいっても、含まれていないに越したことはない」ということであれば、砂糖や果糖で甘味づけしているものを選ぶのも1つです。ただし、砂糖や果糖の場合にはカロリーが高いことと、虫歯の原因に比較的なりやすいというデメリットがあるので注意しましょう。

主なジュニアプロテインの比較

それでは市販のジュニアプロテインについて、商品ごとに価格や成分を比較してみたいと思います。味のおいしさは主観的なものであるため、ここでは取り上げていませんのでご了承下さい。

(※販売価格は2018年5月時点のAmazonの価格を参考にしております)

ザバス ジュニアプロテイン

ザバスジュニアプロテイン840g(ココア味・マスカット味)

ザバスジュニアプロテインの価格と成分(2018年5月時点3,776円)

「ザバス」はプロテインの中で最もメジャーなブランドです。ザバスのジュニアプロテインに含まれているタンパク質は、「ホエイ」という乳成分由来のタンパク質が原料で、1食あたり6.0g含まれています。

カルシウムは420mgとしっかり配合されており、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用のあるビタミンも配合されています。

1食あたりの価格が約63円と安く経済的なのも続けやすくて嬉しいポイントではないでしょうか。

マグネシウムは10mgとわずかだけ含まれており、甘味料には砂糖も人工甘味料も使われています。

味はココア味とマスカット味の2種類。

ウイダー ジュニアプロテイン

ウイダージュニアプロテイン980g(ココア味・ヨーグルト味)

ウイダージュニアプロテインの価格と成分(2018年5月時点3,908円)

ウイダージュニアプロテインはカルシウムが1食あたり500mgと最も豊富に含まれています。タンパク質は乳成分由来のホエイと大豆の2種類が原料に使われており、ザバスよりも配合量が8.4gと多いです。

甘味料には人工甘味料が使われておらず、砂糖と果糖が使われています。ただその分、炭水化物の量が8.2gと多くなっているため、カロリーも74kcalとやや高めです。

マグネシウムやビタミンCは含まれていません。味はココア味とヨーグルト味の2種類です。

ケンタイ ジュニアプロテイン

ケンタイジュニアプロテイン700g(グレープ味)

ケンタイジュニアプロテインの価格と成分(2018年5月時点3,156円)

ケンタイジュニアプロテインは乳成分由来のホエイカゼイン、そして大豆と3種類のタンパク質原料が使われていますが、配合量は1食あたり3.15gと少ないです。

一方で炭水化物は1食あたり16.5gとあり、糖質が多く使われていることが分かります。カロリーも1食80.6kcalと高めですね。

甘味料にはマルトデキストリン・果糖・ブドウ糖のほか、人工甘味料のスクラロースの使用されています。マルトデキストリンとはデンプンを分解して作られる吸収性の高い糖質で、エネルギーゼリーなどにも使われているものです。

カルシウムは220mgと比較的少ないですが、マグネシウムは80mg含まれているほか、ビタミンAやビタミンC、カリウムなど他のジュニアプロテインにはない成分が含まれているのが特徴的です。

アストリション ジュニアプロテイン

アストリション ジュニアプロテイン600g(ココア味)

アストリションジュニアプロテインの価格と成分(2018年5月時点3,780円)

こちらは当社オリジナルのジュニアプロテインです。

タンパク質原料には大豆のみを使用しており、牛乳と混ぜて飲むことにより、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよくとることができます。また水に溶かして飲んでも大丈夫ですので、乳アレルギーを持つお子様にも安心です。

ミネラルはカルシウム420mgにマグネシウム210mgと2:1の割合でバランスよく配合されており、そのほか成長ホルモンの分泌にも関わる亜鉛も配合されています。

甘味料には植物由来の甘味料であるステビアとオリゴ糖を使用しています。ステビアはあまり聞き慣れない名前かと思いますが、WHO(世界保健機関)をはじめ世界で安全性が認められており、人間において長い食経験がある「既存添加物」として日本でも使用が許可されている甘味料です。
ステビア

風味はアスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料や砂糖と比べると少し劣りますが、低カロリーで何より子供が毎日飲んでも安心です。

詳細ページ:アストリション ジュニアプロテイン ›

タイプ別のおすすめ

ジュニアプロテインの比較マップ

1食あたりの価格で選びたいという方にはザバスのジュニアプロテインがおすすめです。タンパク質・カルシウムだけでなくビタミンCも豊富なので、体調管理にも役立つでしょう。

人工甘味料なしで、子供にはできるだけ自然に近いものをとらせたいという方には、ウイダーや当社のジュニアプロテインがおすすめです。

また当社のジュニアプロテインは乳成分由来のホエイタンパク質やカゼインタンパク質を使用していないため、牛乳が苦手という子も飲むことができます。

あとは頻繁に飲むものですので、子供が「美味しい」といって続けられそうかどうかで判断するとよいでしょう。

ケンタイのジュニアプロテインはタンパク質が少ないのでそもそも「プロテイン」と呼んでいいのか少し疑問ですが、味はグレープ味で「水でおいしい」とパッケージにありますので、ジュースの代わりに飲むような使い方だと良いのではないでしょうか。

まとめ

  • プロテインは脂肪分はどれも低く抑えられているが、タンパク質や糖質の量は様々なのでチェックしよう。
  • 体づくりにはタンパク質やビタミンB群が含まれていることが大切。
  • カルシウムとマグネシウム、ビタミンDは骨をつくる上で必要な栄養素。成長期の小学生~中学生は積極的にとろう。
  • 必須ではないが、ビタミンCや亜鉛、鉄分も含まれていると体調管理に役立つ。
  • 人工甘味料が含まれていても微量なので基本的に安全だが、できるだけ子供にはとらせたくない場合にはアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースが入っていないかチェックしよう。

参考文献

厚生労働省:平成28年度 国民健康・栄養調査
厚生労働省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
各メーカーのHP