鉄分というと、大人も子供も毎日「しっかりとれていない」「とりづらい」「とれているか心配」など、どちらかというと不足していると感じる方が多いかと思います。
そんな、なかなかとりづらい栄養素である鉄分。毎日のちょっとした工夫で、よりたくさんの鉄分を体に取り入れられたらいいですよね。
そこで今回は、鉄分を効率的にとる方法や、鉄分不足に役立つ、おすすめの作り置きレシピをご紹介いたします。
目次
鉄分の吸収を上げる方法
タンパク質も併せてとろう
肉・卵・魚などに多く含まれているタンパク質には、鉄分の吸収率を上げる働きがあります。
特に赤身の肉や魚にはタンパク質だけでなく、鉄分も豊富。ひとつの食材でも鉄分の吸収が高くなるので、一石二鳥ですね。
また、野菜に含まれる鉄分は非ヘム鉄という、吸収率が低い鉄分。野菜は肉・卵・魚などのタンパク質と一緒に食べて、吸収率を上げるとよいでしょう。
ビタミンCで鉄分の吸収率をUP!
鉄分はビタミンCやクエン酸と一緒にとると、吸収率がよくなります。
お肉のソテーにレモン汁をかけたり、小松菜やほうれん草のスープにお酢を少したらすなど、手軽でおすすめです。
鉄分の吸収を妨げる成分を含む食品は控えめに
リン酸ナトリウムやタンニンといった成分は、鉄分の吸収を阻害します。
リン酸ナトリウムを含んでいる加工肉や、インスタント食品はなるべく控える、タンニンを含んでいる紅茶や緑茶は食事中に飲まないようにするなど、心がけるとよいでしょう。
鉄分たっぷりのおかずをストックしておく
毎日鉄分をたっぷりとることを意識した食事作りは大変です。
「あと一品足りないな」と思うそんな時、冷蔵庫に1品でも鉄分豊富なおかずを用意しておくと、献立の鉄分量がグッと上がります。
おかずを作るとまではいかなくても、例えば鉄分が強化してあるチーズで、冷やしトマトをカプレーゼにしたり、納豆を献立にプラスしたりといった、手間をかけずに鉄分量をアップさせるのもおすすめです。
鉄分は毎日コンスタントにとりましょう
子供は筋肉の成長や出血、発汗等、大人よりも鉄分を消費する活動が多いため、鉄分をとることがより重要となります。
ジュニアアスリートとなると、普通の子供より運動量がより多い分、更に鉄分の消費が激しくなります。
鉄分は失いやすい栄養素ですので、毎日コンスタントにとれるとよいですね。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、子供の鉄分推奨量は次の表の通りとなります。
【1日の鉄摂取推奨量】 ※10歳以上の女性は月経も加味した値
男性 | 女性 | |
6~11ヶ月 | 5.0mg | 4.5mg |
1~2歳 | 4.5mg | 4.5mg |
3~5歳 | 5.5mg | 5.5mg |
6~7歳 | 5.5mg | 5.5mg |
8~9歳 | 7.0mg | 7.5mg |
10~11歳 | 8.5mg | 12.0mg |
12~14歳 | 10.0mg | 12.0mg |
作り置きでもおいしい鉄分レシピ
ここからは鉄分たっぷりのおすすめのメニューをご紹介します!
鯖の南蛮漬け
鉄分を豊富に含み、お値段もお手頃で年中出回っている鯖は、積極的に食べたい魚のひとつです。お酢に含まれているクエン酸で、鉄分の吸収率もアップ!
甘酸っぱいタレで食欲が沸き、食欲が落ちやすい子供にも、これからの季節にぴったりの一品です。
<材料(2人分)>
・鯖 半身2枚
・塩こしょう 少々
・片栗粉 適量
・サラダ油 適量
・酢 90ml
・醤油 大さじ2
・めんつゆ(4倍濃縮) 大さじ2
・砂糖 大さじ4
・玉ねぎ 1/2個
・人参 1/2本
<作り方>
1)酢、醤油、めんつゆ、砂糖、千切りにした玉ねぎと人参をバットに入れ、混ぜておきます。
2)鯖は骨をとり、3cm幅に切って塩こしょうを振ります。15分程おいたらキッチンペーパーで水気を拭きます。
3)鯖に片栗粉をまぶし、サラダ油を多めに熱したフライパンで揚げ焼きにします。
4)揚げ焼きにした鯖を、1)のバットに熱いうちに入れ、しばらく野菜となじませたら出来上がり。
牛肉と小松菜のカレー炒め
小松菜は鉄分豊富な野菜です。小松菜に含まれる非ヘム鉄は、牛肉などの動物性食品と一緒に食べると鉄分の吸収率がアップします。牛肉もまた、鉄分の豊富な食材です。
子供が大好きなカレー風味の味付けで、食が進みますよ。ご飯にのせて、どんぶりにして食べるのもいいですね。
<材料(2人分)>
・牛こま切れ肉 120g
・塩こしょう 少々
・ごま油 大さじ1/2
・片栗粉 小さじ1/2
・小松菜 1/2袋
【A】
・酒 大さじ1
・カレー粉 お好みの量
・オイスターソース 小さじ2
・醤油、砂糖 各小さじ1
・鶏ガラスープの素 小さじ1/2
・にんにくチューブ 1〜2cm
<作り方>
1)材料Aは混ぜておきます。
2)牛肉は塩こしょう、ごま油、片栗粉をよく揉み込み、味をなじませておきます。小松菜は3cm幅に切っておきます
3)フライパンを熱し、牛肉を入れて炒めます。色が変わってきたら小松菜を入れて更に炒めます。
4)火が通ってきたら材料Aを入れ、全体的になじませたら出来上がり。
大豆としめじの煮物
水煮大豆は鉄分が豊富な食材。パウチや缶詰で販売されているものは賞味期限が長いので、ひとつストックしておくととても便利です。
材料を切る手間がかからず、煮るだけですぐ出来る簡単副菜。子供が好きな甘めで出汁のきいた煮汁が、お豆の旨味を引き出します。
<材料(4人分)>
・水煮大豆 1パック
・しめじ 1パック
・和風顆粒だし 小さじ2
・砂糖 大さじ1
・醤油 小さじ1
・水 100ml
<作り方>
1)材料全てを鍋に入れ加熱し、10分程煮たら出来上がり。
まとめ
鉄分たっぷりの食材を選ぶほか、鉄分の吸収を上げてくれる食材を併せてとる工夫をしたり、少しでも日々の栄養を効率的にとれるといいですね。
最後までお読み頂きありがとうございました!
参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」