この記事は第三者の監修を受けています。
竹中美恵子 先生(小児科医/小児慢性特定疾患指定医/難病指定医)
「女医によるファミリークリニック」院長。
2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。 日本小児科学会、日本小児皮膚科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本リウマチ学会などに所属。
今回は成長期の亜鉛のはたらきについて解説いたします。
背が伸びるには様々な栄養素が必要になりますが、亜鉛は特に大事な栄養素の1つです。
ここでは亜鉛がなぜ大事なのかということと、亜鉛が手軽にとれるおすすめの食べ物やレシピをご紹介していきます!
目次
亜鉛の身長を伸ばす効果
亜鉛とは人のカラダに不可欠なミネラルで、そのはたらきとして200種以上の酵素の構成 、酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調節、DNA合成、その他たんぱく質の合成に関わっています。
成長ホルモンの分泌にも必要で、体の様々な組織をつくる上で欠かせない栄養素であることから、子供の発育・成長にもとても重要です。
また味覚を感じる細胞をつくる際に必要であったり、免疫反応の調節にも関わっていて、亜鉛のはたらきはとても幅広いです。
亜鉛不足だとどんな症状が出る?
亜鉛は幅広いはたらきがあることから、不足すると様々な問題が生じますが、主に以下のような症状があらわれます。
味覚障害
亜鉛は味を感知する細胞の合成に関わっているため、不足すると食べ物の味が分からなくなります。
食欲不振
胃や腸など消化管の働きが悪くなり、食欲が低下します。食べる量が減るために亜鉛がさらに足りなくなり、悪循環となります。
子供の成長障害
成長ホルモンや性ホルモンの合成に関わっているため、身長の伸びや体重の増加に障害が起こることがあります。
皮膚炎・口内炎
タンパク質の合成に障害が起こることで、正常な皮膚・粘膜をつくれなくなり、皮膚炎や口内炎が起こります。
貧血
貧血というと一般的には鉄分の不足(鉄欠乏性貧血)というイメージですが、亜鉛の不足によっても起こります。
亜鉛欠乏の状態では細胞分裂が正常に行われないため、赤血球をつくることもできなくなり貧血が引き起こされます。
亜鉛がとれる食べ物とレシピ
亜鉛は牡蠣やホタテなどの貝類や、レバー、卵、ナッツ類に多く含まれています。また肉類の中では牛肉が鶏肉・豚肉に比べて豊富です。
以下は亜鉛がとれるおすすめのメニューになります!
カシューナッツフィッシュ
☆亜鉛が豊富なカシューナッツと煮干しの組み合わせで栄養満点のおやつに。手が止まらなくなるおいしさです。
亜鉛(1人分):1.4mg
<レシピ(4人分)>
・煮干し 40g(小さめ、塩なしがおすすめ)
・カシューナッツ 40g
・ゴマ油 小さじ1
・砂糖 大さじ3
・みりん 大さじ1
・しょうゆ 小さじ1弱
・白ごま 大さじ2
<作り方>
1)フライパンにゴマ油をしき煮干しを炒め、水分を飛ばします。冷ましてカリカリになるくらいまで炒めます。
2)荒く刻んだカシューナッツをいれ、さっと炒め、皿に取り出しておきます。
3)同じフライパンに、砂糖、みりん、しょうゆ、白ごまを入れて煮詰めます。焦がさないよう注意。
4)③に②を戻し、からめたら出来上がり。
完全に冷めても歯につくようなら、フライパンに戻し加熱→冷まして様子をみて下さい。
牛肉の味噌そぼろ
☆お肉の中でも牛肉は亜鉛含有量がナンバーワン。ごはんのお供に、お弁当に、作り置きしておくととても便利です。
亜鉛(1人分):5.8mg
<レシピ(2人分)>
牛ミンチ 150g
生姜(すりおろす) 半かけ
A.酒 大さじ1
A.みりん 大さじ1強
A.砂糖 大さじ1
A.しょうゆ 小さじ1
A.赤みそ 大さじ1
<作り方>
1)フライパンにひき肉を入れてほぐし、中火にかけます。
2)焼き色がついてきたら混ぜ、炒めます。半分程火が通ったら、しょうがと合わせたAの調味料を入れて炒めます。
3)肉に火が通り、水分が飛んだら出来上がり。
卵とじゃがいもの味噌汁
☆卵に含まれる亜鉛の吸収を助けるビタミンCが豊富なじゃがいもも入れました。じゃがいもは加熱してもビタミンCが壊れにくい優秀食材♪
亜鉛(1人分):0.5mg
<レシピ(2人分)>
・卵 1個
・じゃがいも 80g
・こねぎ 適量
・和風だしの素 2g
・みそ 大さじ2
・水 350ml
<作り方>
1)鍋に半月切りにしたじゃがいも、水、和風だしの素を入れて火にかけ、じゃがいもが柔らかくなるまで煮ます。
2)味噌を溶かし入れ、溶き卵、小口切りにしたこねぎをいれたら出来上がり。
亜鉛不足が疑われる方は意識してとりましょう
亜鉛は子供の成長に大事な栄養素ですが、とればとるほど身長が伸びるわけではありません。
体の成長にはタンパク質やカルシウム・ビタミンなどもバランスよくとる必要がありますので、亜鉛不足の症状がみられる場合は意識してとるとよいでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございました!