こんにちは!管理栄養士の盛岡です。
子供が少食だったりハードにスポーツをしている場合、プロテインを取り入れているご家庭も増えてきました。
子供にプロテインを飲ませるとなると、成長期なので身長に影響しないか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はタンパク質と体の関係から、プロテインを飲むと背が伸びるのか・伸びないのかについて解説いたします。
目次
プロテインと身長の関係についての結論
そもそもプロテイン(Protein)とは「タンパク質」のことをいいます。
タンパク質をぎゅっと凝縮したものというよりも、牛乳や大豆から脂肪分など余計な成分を除去してパウダー状にしています。
結論からいいますと、タンパク質を多くとるだけで筋肉がムキムキになったり、身長が止まるわけではありません。
また反対にタンパク質は体の成長には大切な栄養素ですが、タンパク質だけで身長が伸びるわけでもありません。
プロテインを飲むと身長が伸びないとされる原因
「プロテインを飲むと身長が伸びなくなる」という話は、しばしば筋肉がつきすぎて、その関係で身長も伸びなくなるという論調となっています。
しかしプロテインはステロイドのようなドーピング剤ではありません。
低脂肪という観点では効率よくタンパク質を摂取できますが、摂取するだけでは筋肉がつかないのは、肉や魚を食べるだけで筋肉がつかないのと同じです。
筋肉をつけるにはトレーニングが必要で、そして身長が伸びなくなるほどの筋肉は、よほどのトレーニング強度でないとつきません。
タンパク質が体の成長に必要な理由
(1)骨の成長に関わっている
タンパク質は体を構成するあらゆる組織(骨、皮膚、筋肉、髪の毛、爪、内臓など)をつくる上で不可欠です。
もしタンパク質が不足していたら、これらの体の組織をつくる材料がないということになってしまいますため、むしろ成長期の体づくりに必要な栄養素といえるでしょう。
また身長が伸びるということは、骨が伸びるということでもあります。
骨には両端に「骨端線」という軟骨でできた部分があり、ここが伸びてカルシウムで固められていくことで徐々に骨が伸びていきます。
成長ホルモンが働きかけると、軟骨細胞が増殖して伸びていきます。 この軟骨細胞の原料となるのがタンパク質です。
このように、タンパク質は骨を伸ばす上で重要な役割を果たしています。
カルシウムが骨を「固める」栄養素とすると、骨を「伸ばす」栄養素がタンパク質といえます。
(2)睡眠にも関係している
身長が伸びるためには睡眠も大切です。
タンパク質に含まれるアミノ酸の一種である「トリプトファン」は、深い睡眠につながる「メラトニン」をつくるために重要な成分で、成長ホルモンの分泌に関節的に関わっています。
とはいえタンパク質だけでは伸びない
残念ながら「タンパク質さえしっかり食べたら背が伸びる!」ということにはなりません。
タンパク質が骨の成長に重要なのは間違いありませんが、骨を固めるカルシウムも必要で、カルシウムが不足していると骨の成長が阻害されてしまいます。
さらに成長ホルモンの分泌には亜鉛も必要で、カルシウムの吸収にはビタミンDやマグネシウムも併せて必要になります。
(詳しくは「身長を伸ばす7つの栄養素」もご参照ください。)
このことから栄養面ではプロテインでタンパク質だけを摂取するのではなく、様々な栄養素をバランスよくとることが大切だといえます。
プロテインは上手に活用しよう
プロテインだけで身長が伸びるわけではありませんが、タンパク質を効率よく摂取する上では便利な食品です。
- 食が細くてたくさん食べられない
- 運動後はすぐに食事がとれない
- 朝ごはんが苦手
- 献立の栄養が偏ってしまう
- 毎日猛練習していて、食事での栄養補給が追いつかない
このようなときなどは無理に食事だけで栄養をとろうとすると大変です。栄養補助としてプロテインを上手く活用してみるとよいでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。