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牛乳で身長は伸びるのか?身長が伸びない理由と伸ばす6つのポイント

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牛乳で身長は伸びるのか?

身長を伸ばすものといえば、カルシウム豊富な牛乳を真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

でも「牛乳で本当に身長は伸びるのか?」と思ったり「牛乳を飲んでいるのに身長がなかなか伸びない」と悩んだりする方もいるでしょう。

今回は牛乳と身長の関係や、身長が伸びない理由、さらに伸ばすために知っておきたいポイントを解説します。

牛乳で身長は伸びる?

牛乳で身長は伸びる

結論からいうと、牛乳だけで十分に身長を伸ばすことは期待できません。

牛乳はカルシウムが豊富ゆえ「身長を伸ばすには牛乳をたくさん飲むとよい」というイメージを持つ方もいるでしょう。

実際、カルシウムの摂取と身長、体重、骨密度の関係を調べた論文をまとめたメタ分析では、カルシウムの補給により骨密度への影響はみられたものの、身長には影響しなかったということがわかっています(※1)。

たしかに、牛乳に含まれるカルシウムは骨が成長する際に骨を硬くするはたらきがあり、成長には欠かせない栄養素です。

しかし、牛乳を飲んでカルシウムをたくさん摂ったからといって、身長がどんどん伸びるというわけではないのです。

むしろ、牛乳の飲みすぎにより、コレステロール値の増加や肥満の原因となることがあります。

こちらも実際に、小学4年生と中学1年生の男女に対し、牛乳の摂取状況と身体状況を調査した結果があります。

牛乳を1リットル以上飲んでいる小学4年生と中学1年生の男児において、総コレステロール値、体脂肪率、体重が大きい傾向がみられることがわかりました(※2)。

適量であればこのような心配は少なくなりますが、身長を伸ばしたいからといって極端にたくさん飲むことは控えましょう。

牛乳を飲んでも意味がない?

では「牛乳を飲んでも意味がない?」と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。

牛乳はカルシウムとタンパク質を豊富に含むため、成長期である子供にとって、欠かせない存在です。

とくにカルシウムは骨を丈夫にするために欠かせず、将来の骨粗しょう症を予防するほか、ケガの予防にも役立ちます。

またタンパク質は筋肉や細胞を作り、成長に必要な栄養素です。

牛乳に身長を伸ばす効果は期待できませんが、身長が伸びる際に大切な役割があるため、ぜひ毎日取り入れましょう。

適量についてはのちほどご紹介します。

そもそも身長が伸びないのは牛乳が足りないからではない

身長が伸びない理由

そもそも身長が伸びないのは、牛乳以外の理由があります。

  • 遺伝
  • 栄養素の不足や偏り
  • 運動不足
  • 生活習慣の乱れ

たとえば両親の身長があまり高くなければ、子供の身長も高くなりにくいと考えられます。

また極端な食事の偏りがある場合や、運動量の多い場合は栄養不足も心配です。

遺伝的な要素は遠ざけることはできませんが、栄養や運動、生活習慣であれば今日からでも取り組みが可能です。

身長を伸ばしたい方は、続いて紹介する方法を取り入れてみましょう。

身長を伸ばすために取り入れたい6つのこと

身長を伸ばすためには、牛乳以外にも取り入れたい栄養、生活面での注意点がさまざまあります。

ポイントを6つ紹介しますので、身長を伸ばしたい方はぜひ実践しましょう。

1.牛乳は1日1~2杯を目安にする

カルシウムを十分に摂る

カルシウムが不足しないために、毎日牛乳1~2杯(200~400ml)の摂取がすすめられます。

子供のカルシウムは不足気味の傾向があり、毎日欠かさずにとったほうがよいでしょう。

牛乳の摂取量やタイミングの目安は以下を参考にしてください。

  タイミング
小学生まで コップ1杯(200ml) 朝食、またはおやつに
小学生~中学生 コップ1~2杯(200~400ml) 給食とあわせて、必要に応じて朝食にも
高校生 朝食1杯+夕食1杯

または部活動前後でも

牛乳を飲めない場合は、チーズ、ヨーグルト、小魚、緑黄色野菜、大豆製品などからカルシウムを補う必要があります。

(詳しくは「牛乳以外でカルシウムを摂れる食べ物一覧」もご参照ください。)

2.成長に必要な栄養素を摂る

成長に必要な栄養素を摂る

身長を伸ばすために必要な栄養素は、カルシウムのほかにエネルギー、タンパク質、亜鉛、ビタミンDなどがあります。

それぞれの栄養素が必要とされる理由や食べ物を以下にまとめています。

成長に必要な栄養素一覧

とくに運動量の多い子は、エネルギーなどの栄養素が不足しやすくなります。おやつや補食を取り入れて、不足しないよう気を付けましょう。

また栄養補給にぴったりな、身長を伸ばすおやつレシピをこちらで紹介しています。
<執筆予定の記事URL>

3.菓子や加工食品に含まれる「リン」に注意

加工食品のリンに注意

リンという栄養素は、適量であれば成長によい働きをしてくれますが、長期的に過剰摂取するとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。

リンは加工食品の添加物として使われることがあり、知らず知らずのうちにたくさん摂ってしまうことがあります。

リンを含む加工食品を子供が好んで毎日のように食べている場合、少しずつ減らす工夫を行いましょう。

【リンを含む加工食品】
ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、麺類、インスタント麺(カップ麺)、冷凍食品、清涼飲料水、スナック菓子

4.睡眠を十分にとる

睡眠を十分にとる

「寝る子は育つ」というように、睡眠は成長ホルモンの分泌にとても大切です。

とくに深い眠りのときに分泌されやすくなるため、深く眠れるような工夫も必要です。

睡眠の質を向上させるには、寝る前のスマートフォンやタブレット、テレビを避けたり、決まった時間に寝て起きたりすることが大切です。

睡眠時間の目安は、3~6歳では10~11時間、6~12歳では8~10時間が理想といわれています。

朝6時に起きるための就寝時間の例をあげると、3~6歳であれば19~20時、6~12歳では20~22時が目安となります。

理想の睡眠時間をできる限り確保できるよう、工夫できるところを探してみましょう。

5.運動

適度な運動を行う

骨が成長するには、運動による刺激も大切です。

とくに走ったりジャンプしたりするなどの骨に刺激のある運動がよいといわれています。

毎日1時間程度は体を動かす遊びをするなど、意識的に運動を取り入れましょう。

6.日光を浴びる

日光を浴びる

骨の成長には日光を適度に浴びることも必要です。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、食べ物から摂る以外にも、日光を浴びることでも作られます。

日光を浴びる時間が少ないと、ビタミンDの生成が不足する恐れがあります。

通学や外遊びなどで外に出ていれば問題ないと考えられますが、たとえば休日や長期休暇に家に閉じこもりきりにならないよう、30~60分程度、散歩や外での活動をする時間を設けるとよいでしょう。

身長を伸ばすために様々な取り組みをはじめよう!

身長を伸ばすには、牛乳以外にもほかの栄養素や生活習慣など、さまざまな取り組みが必要です。

牛乳はコップ1~2杯ほどを目安にし、さまざまな食べ物をバランスよく取り入れて成長に必要な栄養素をしっかり補給し ましょう。

参考文献

(※1)独立行政法人国立健康・栄養研究所「健康・栄養フォーラム」
(※2)岩田 富士彦ら,牛乳摂取が児童,生徒の動脈硬化危険因子に及ぼす影響に関する検討,小児保健研究 = The journal of child health 56 (5), 655-659, 1997-09
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)