ジュニアアスリートの食事

スポーツとマグネシウムの関係|ジュニアアスリートに必要な摂取量は

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スポーツにマグネシウムが大事な理由

こんにちは!管理栄養士の盛岡です。

今回はマグネシウムのはたらきについて解説いたします。

マグネシウムは地味ですが、スポーツ成長期の体づくりに重要なはたらきを持つミネラルです。

カルシウムと同様に不足しやすい栄養素で、子供と大人では必要なバランスも異なるため、効果と摂取量について簡単に解説いたします。

スポーツにおけるマグネシウムの効果

マグネシウムは主に以下のはたらきがあります。

  • 筋肉の収縮
  • 体内酵素のはたらきやエネルギー生産を助ける
  • 骨や歯の形成を助ける
  • 神経伝達の制御
  • 体液の平衡維持

スポーツとマグネシウムの関係

主な役割には「補酵素」として体の中の様々な酵素のはたらきを助けて代謝などに関わっていたり、カルシウムと一緒に筋肉の収縮に関わっていたりします。

スポーツ時の水分補給にはミネラルの補給が大事とよくいわれますが、ナトリウムだけでなくマグネシウムやカルシウムも重要で、不足すると筋肉のけいれんを起こす要因になります。

そのため市販のスポーツドリンクや、ランナー向けのエナジージェルには、マグネシウムも含まれていることが多いです。

塩と砂糖で手作りしたスポーツドリンクでは、マグネシウムを摂取することができません。その点で手作りスポーツドリンクよりも、市販のスポーツドリンクの方が栄養価は優れているといえます。

※筋肉のけいれんにはマグネシウム以外にも様々な原因があります。詳しくは下記もご参照ください。

運動中に足がつる原因と対策 >

骨の形成とマグネシウム

マグネシウムが豊富な豆腐のきのこあんかけ

マグネシウムは骨の形成にも大事な栄養素です。

体の中にあるマグネシウムの50~60%は骨に含まれており、カルシウムやリンと共に骨の形成に関わっています。

骨が伸びる成長期において大事な栄養素ですが、「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると12~14歳で特に男女とも1日70mg程度不足しているのが現状です。

カルシウムとマグネシウムの比率が重要

摂取量だけでなく、マグネシウムはカルシウムと拮抗的に働くので、バランスよくとることも大切です。

カルシウムだけを摂取していると、かえってカルシウムが骨から溶け出すという変わった現象(カルシウム・パラドックス)が起こります。

カルシウム:マグネシウムのバランスについては、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において以下の量が推奨されています。

年齢 カルシウム マグネシウム
6~7歳 600mg 130mg
8~9歳 650mg 170mg
10~11歳 700mg 210mg
12~14歳 1,000mg 290mg
15~17歳 800mg 360mg
18~29歳 800mg 340mg

※男性の推奨量

一般的に、カルシウム:マグネシウムは2:1の割合でとるのがよいとされていますが、子供(小学生~中学生)においてはの推奨量は「カルシウム:マグネシウム=3~4:1」の割合になっています。

カルシウムサプリをとる場合は特にカルシウム単体に偏りがちなので、マグネシウムも併せてとることを意識しましょう。

なお、食べ物には木綿豆腐やほうれん草、ごま、バナナ、ナッツ類などにマグネシウムは豊富です。木綿豆腐にマグネシウムが多いのは、豆乳を固めるのに「にがり(塩化マグネシウム)」が使用されるためです。

足がつりやすいと感じる方は、運動中にバナナでエネルギー補給とマグネシウム補給をしてみると改善されるかもしれませんね。

マグネシウムについての解説は以上になります。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました!

参考文献

厚生労働省「(令和元年)国民健康・栄養調査
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

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