ジュニアアスリートの食事

成長期の中学生に多いスポーツ貧血の症状は?予防のための食事術

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子供のスポーツ貧血、よくある症状と食事での対策法

こんにちは。管理栄養士の盛岡です。

部活動で本格的にスポーツをするようになってから、めまいやふらつきが起きることが増えたということはありませんか?もしかしたらそれは運動が原因となって引き起こされる、「スポーツ性貧血(運動性貧血)」かもしれません。

関連記事:スポーツ貧血とは?症状・原因と食事療法>

貧血になるとスポーツでよいパフォーマンスができないことはもちろん、日常生活でも支障をきたすおそれがあります。もし貧血が疑われる場合には、早めに病院で治療を受けることが必要です。

今回は成長期の子供に貧血が多い理由や、予防のための食事について解説いたします。


貧血にみられる症状

貧血の症状

貧血でよくみられる症状には、下記のような症状があります。あてはまるものがないかチェックしてみましょう。

  • 立ちくらみ
  • めまい
  • 動悸
  • 眠気・倦怠感
  • 息切れしやすい
  • 顔が青白い
  • まぶたの裏側が白っぽい
  • 食欲がない
  • 爪がスプーン状に反っている
  • 無性に氷を食べなくなる

貧血では血中の酸素を運ぶヘモグロビンの量が少ないため、息切れしやすくなって持久力が落ちたり、疲労感が強くなったりします。

また脳に十分に酸素が行き渡らなくなるため、頭痛やめまい・立ちくらみ・ふらつきなどの症状が起きやすくなります。

貧血の基準値

もし血液検査を受けたことがある場合には、ヘモグロビンの量を確認してみるとよいでしょう。国際的には、WHOでは貧血の基準とヘモグロビン値が以下のように設定されています(1)

<WHOによる貧血の基準値>

年齢または性別 ヘモグロビン値
5~11歳 11.5g/dL以下
12~14歳 12.0g/dL以下
女性15歳以上 12.0g/dL以下
男性15歳以上 13.0g/dL以下

※女性15歳以上において、妊娠時の場合は11.0g/dL以下

貧血の小中学生はどのくらいの割合でいるのか

東京都予防医学協会の調査(2)では、血中ヘモグロビンの濃度が正常値になっているのは小学4年~中学3年生の男子ではおよそ95%前後、女子の場合は89~92%となっています。

この調査では運動習慣の有無に関係なく全員を対象としているため、激しい運動をしているジュニアアスリートであれば正常者の割合はさらに低くなると考えられます。

また思春期に多い鉄欠乏性貧血では、通常「貯蔵鉄」として蓄えられているフェリチンが減少して足りなくなった後に、「血清鉄」のヘモグロビンが減少する順番になります。そのためヘモグロビンの値が正常値に入っていても、潜在的に鉄不足になっている人(=貧血予備軍)は多くいることに注意が必要です。

激しい運動は貧血を起こす原因になりやすい

部活動でサッカーをしている中学生

中学生は特に、体の急激な発育によって血液の量が増え、鉄分の需要が高まります。女子は特に月経によって鉄分が失われるため、より多くの鉄分を補給しなければなりません。

ただでさえ貧血になりやすい時期なのに、そこに毎日の部活動が加わると、運動量増加に伴う鉄喪失や循環血しょう量の増加によって、血中ヘモグロビン濃度が低下しやすくなります。

マラソンやバレーボールなどの競技では、地面に足をたたきつける動作が繰り返されるため、物理的に赤血球が壊れ鉄分が出ていってしまうこともあります。

以上のことから、成長期のスポーツ選手は貧血になる可能性がとても高い環境におかれているのです。

貧血予防のための食事・栄養素

鉄分の多い食べ物(レバー・牛肉の赤身・まぐろ・貝類・大豆・緑黄色野菜)

鉄欠乏性貧血を予防するために最も重要なのは鉄分の摂取です。

鉄分はレバーや牛肉、大豆製品、小松菜やほうれん草などの食べ物に多く含まれており、特にレバーや牛肉は吸収率の高い「ヘム鉄」が多く含まれています(鉄分の多い食べ物一覧も参考にしてください)。

そのほか、鉄分の吸収率を高めるビタミンCをとることや、反対に鉄分の吸収を阻害するタンニンを含んでいる緑茶・紅茶は食事中には飲まないことも意識するとよいでしょう。

※スポーツ選手に必要な鉄分量などの食事については「スポーツ貧血とは?」の記事でより詳しく解説しています。

また思春期の女子は競技や見た目のために体脂肪を気にすることが多いですが、過度の食事制限・ダイエットは栄養不足から貧血につながるおそれがあるため注意が必要です。

貧血の場合は病院で治療を

病院の医師

学校の検診などで貧血が指摘された場合、その子の成長経過を知る小児科を受診するとよいでしょう。思春期の貧血には様々な病気が隠れていますので、診察結果によっては血液内科や産婦人科に照会されることもあるかもしれません。治療にあたっては、食事指導や鉄剤の服用を受けることになります。

(※鉄剤注射は血液中のリンが減ることになり、骨も弱くなり疲労骨折がしやすくなるなど、健康上問題が生じる危険性があります。日本陸連は鉄剤注射は原則禁止の見解を出していますので注意してください。)

鉄分は中枢神経系における多くの神経伝達物質の合成に必要な成分で、学童期の鉄欠乏は集中力や思考力にも影響するといわれています(3)

もし子供に元気がないときには、慢性的な「調子の悪さ」の原因として貧血の可能性を疑ってみてほしいと思います。

まとめ

  • 貧血では立ちくらみやめまい、動悸、スプーンネイルなどの症状がみられ、スポーツにおいては持久力の低下や疲労感につながる
  • ヘモグロビンの基準値で正常値に入る子供は男子で95%前後、女子で89~92%。
  • 思春期の子供は体の成長に伴う鉄需要の増加や、運動量増加に伴う鉄喪失などによって貧血になりやすい。
  • 貧血の予防には鉄分の多い食事に加え、ビタミンCを多くとることや、タンニンを含む緑茶などを避けることが大切。

参考文献

1) WHO, UNICEF, UNU: Iron deficiency anemia assessment prevention and control. A guide for programme managers. World Health Organization, Geneva, 2001.
2) 前田美穂:貧血検査の実施成績,東京都予防医学協会年報 2017年版.第46号 52-55.
3) 加藤陽子:小児と思春期の鉄欠乏性貧血. 日本内科学会雑誌, 99(6): 1201-1206, 2010.

 



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