きな粉は離乳食初期から使え、離乳食の風味づけや、赤ちゃんの栄養補給にぴったりな食材です。
きな粉を初めてあげるときに気を付けたいことや、離乳食初期にあげてよい量について知っておきましょう。
今回は、離乳食初期のきな粉のあげ方とおすすめレシピ3つについて、1歳児の母であり、保育園勤務の経験がある管理栄養士が紹介します。
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目次
離乳食のきな粉はいつから?
きな粉は離乳食初期(生後5~6ヶ月ごろ)から取り入れてOKです。
きな粉は大豆から作られており、タンパク質や鉄分、カルシウムなどの栄養素をたっぷりと含むため、赤ちゃんの栄養補給に役立ちます。
初めてあげるときの注意点や量を詳しく解説します。
離乳食のきな粉の与え方
初めて与えるときは少量から試す
きな粉はお粥や野菜に食べ慣れたころから食べさせるようにし、初めて与えるときは少量から試しましょう。
きな粉の原料となる大豆は、食物アレルギーの原因となることがあり、万が一アレルギーがあった場合、たくさん食べると症状が強く出る恐れがあります。
きな粉を初めて与える日は、ほかに新しいものを与えることは控え、食べ慣れたものをあげるようにしてください。
初めは、少量のおかゆにきな粉を少々混ぜたものをスプーン1杯程度からあげていき、徐々に量を増やしていきます。
量は小さじ1/2が目安
離乳食初期のきな粉の量は、1日小さじ1/2杯が目安です。
タンパク質の量を考えると小さじ2杯までOKなのですが、きな粉をたくさん混ぜると粉っぽくなり食べづらくなってしまうため、小さじ1/2杯ほどが使いやすいでしょう。
もちろん、多少前後しても問題ありません。
ちなみに、離乳食食中期(生後7~8ヶ月ごろ)では小さじ2~3杯まで、離乳食後期(生後9~11ヶ月ごろ)では小さじ3杯までが目安です。
ほかの食べ物に混ぜてあげる
きな粉はそのままあげるのではなく、必ずほかの食べ物に混ぜてあげましょう。
そのままだとムセてしまうため食べづらく、気管に入り誤嚥の原因になることもあります。
お粥、バナナ、さつま芋などのとろみのある食材に混ぜてあげると、赤ちゃんが食べやすいでしょう。
加熱しなくてOK
離乳食初期のきな粉は、加熱せずにそのまま与えてOKです。
きな粉は原料である大豆を煎って粉にしたものであり、すでに加熱されているため、そのまま食べても問題ありません。
離乳食にパラパラと振りかけて、よく混ぜて食べさせましょう。
種類は砂糖の入っていないものであれば何でもよい
きな粉の種類はなんでもよく、普通のスーパーに売っているもので大丈夫です。
砂糖が入っているものは赤ちゃんにはまだ早いため、砂糖が入っていないかどうかチェックするようにしましょう。
離乳食のきな粉の選び方やおすすめのきな粉について「離乳食のきな粉おすすめランキング5選(栄養士監修)」で詳しく紹介しています。
有機栽培のものや栄養強化のものなど、さまざまなきな粉を紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。
鉄分不足を予防するなら栄養強化タイプを選ぶ
鉄分不足を予防するなら、栄養強化されたきな粉を選ぶのもよいでしょう。
生後6ヶ月ごろからは、お腹の中で蓄えていた鉄分が少なくなるため、離乳食から意識して鉄分を取り入れる必要があります。
普通のきな粉にも鉄分が含まれていますが、小さじ1杯(約2.5g)では鉄分0.2mgほどであり、この時期に必要な4.5~5.0mg(1日あたりの推奨量)には、なかなか届かない量です。
育児用ミルク与えている場合は、ミルク自体に鉄分を含むため心配は少ないのですが、母乳にはほとんど鉄分が含まれていないため、母乳育児の場合は特に注意が必要です。
必要に応じて、鉄分強化きな粉を取り入れるようにすると、不足しがちな鉄分を手軽に補給できます。
きな粉のように使える「スクスクダイズ」は小さじ1杯(約2.5g)で1.8mgの鉄分を含み、普通のきなこより効率的に摂れます。
人工甘味料・乳化剤・香料・着色料・増粘剤・保存料なども無添加であるため、赤ちゃんでも食べられますよ。
おいしく栄養補給したい場合は、スクスクダイズをぜひ一度チェックしてみてください。
【離乳食初期】きな粉を使ったレシピ3選
離乳食初期にきな粉を取り入れたいときにおすすめのレシピ3つを紹介します。
バナナきな粉
きな粉と相性のよいバナナを組み合わせたレシピです。
バナナは加熱するとトロっとするため、離乳食初期でも赤ちゃんが食べやすくなりますよ。
<材料(1食分)>
・バナナ 20g
・湯冷まし 小さじ2
・きな粉 小さじ1/2
<作り方>
1)バナナと湯冷ましを耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で20~30秒加熱する。
2)1をすりつぶし、きな粉を加えてなめらかになるまでよく混ぜる。
さつま芋きな粉がゆ
いつものおかゆにさつま芋ときな粉を加えた、1品でたっぷりの栄養を摂れるレシピです。
さつま芋の甘みで赤ちゃんも食べやすく、きな粉の風味もとってもよいですよ。
<材料(1食分)>
・ご飯 15g
・さつま芋 10g
・水 120ml
・きな粉 小さじ1/2
<作り方>
1)さつま芋は5mmのいちょう切りにして水にさらして5分おく。
2)鍋にさつま芋、ご飯、水を入れて火にかける。煮立ったら弱火にしてやわらかくなるまで煮込む。
3)2をなめらかになるまですりつぶし、きな粉を加えてよく混ぜる。
きな粉ミルクポテト
じゃが芋とミルクのやさしい甘味と、きな粉の風味がよくあうレシピです。
彩りにブロッコリーを載せていますが、ほうれん草やにんじんなどでも代用できます。
<材料(1食分)>
・じゃが芋 15g
・育児用ミルク(溶いたもの) 20ml
・きな粉 小さじ1/2
・冷凍ブロッコリー(穂先) 5g
<作り方>
1)じゃが芋は5mmのいちょう切りにし、深めの耐熱容器に入れ、かぶるくらいの水を入れる。電子レンジ(600W)で1分30秒~2分ほど、やわらかくなるまで加熱する。
2)1をすりつぶし、育児用ミルクときな粉を混ぜてなめらかにする。
2)冷凍ブロッコリーは耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600W)で20~30秒加熱する。穂先の部分をすりつぶし、2の上に載せる。
離乳食初期からきな粉を活用しよう!
きな粉はパラパラと振りかけるだけで手軽に栄養強化できる、離乳食のお助けアイテムです。
ぜひ離乳食初期にきな粉にチャレンジしてみて、食べられる食材を増やしていきましょう。
記事中で紹介した、鉄分をたっぷり摂れるスクスクダイズの詳細は、こちらからもチェックできます。
【参考文献】
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」