アスリートの献立

ジュニアアスリートの部活弁当を考える際のポイント【レシピ付き】

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ジュニアアスリートの弁当メニューを選ぶポイント

こんにちは。管理栄養士の盛岡です。

子供がスポーツ・部活動をしている場合には、練習や試合の日にどんなお弁当を持たせたらよいのか、悩む方も多いでしょう。

スポーツ選手の食事は手間暇かけた特別なものである必要はありません。大事なことは練習や試合でしっかり動けるように、エネルギーをしっかり補給することと、栄養バランスを整えること。

今回は小・中学生ジュニアアスリートの、お弁当メニューを考える際のポイントについてご説明したのち、後半ではメニュー例もご紹介いたします。

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部活弁当の献立を考える際のポイント

スポーツをする子供の食事量は大人と同じかそれ以上

子供は消費する分の栄養だけでなく、成長する分の栄養も必要になります。とくにスポーツをする子供は体が小さくても大人と同じくらいの食事量を食べなければなりません。

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、スポーツなどの活発な運動習慣のある子供については、1日の目安となる摂取カロリーを以下のように設定しています。

男子 女子
8~9歳 2,100kcal 1,900kcal
10~11歳 2,500kcal 2,350kcal
12~14歳 2,900kcal 2,700kcal

※身体活動レベルⅢの推定エネルギー必要量を参照

厳密にカロリー計算する必要はありませんが、ジュニアアスリートであれば8~9歳の子供でもお母さんと同じくらい、10~11歳の子供ならお父さんと同じくらいの量を食べる必要があるということになります。少食な子の場合には間食で補うのもおすすめです。

献立の割合はごはん1:おかず1

午後の練習でしっかり動けるように、ごはんをしっかり入れつつ栄養バランスのよい献立にしましょう。栄養バランスを整えるには、

◯主食(ごはん、パン、スパゲティ など)

◯主菜(肉、魚、卵を使ったおかず)

◯副菜(野菜、海藻、きのこ、豆類、いも類を使ったおかず)

を組み合わせることが大切です。

おかずに対してごはんが少ないお弁当になっていることがよくありますが、スポーツ選手にとって一番大切なのはエネルギー源になるごはんです。スペースが限られるお弁当であっても、ごはんは最優先で確保しなければなりません。お弁当箱の面積のうちごはんとおかずの割合は1:1を目安にしましょう。

またおかずの配分は、主菜が焼き魚やハンバーグ、鶏肉の照り焼きといったメニューであれば主菜1:副菜2の割合が目安になります。肉野菜炒めのような野菜を使った主菜であれば、主菜1:副菜1くらいに少し主菜の方を多めにしましょう。

ジュニアアスリートの弁当の配分(主食2:主菜1:副菜1)
野菜を使った主菜のときの配分

果物や乳製品もあると◎

栄養バランスを整えるために、果物や乳製品があるとさらによいです。

バナナやオレンジなどの果物や果汁100%のフルーツジュースがあると、ビタミンや糖質の補給ができます。

また成長期の子供にはカルシウム摂取が大切ですが、野菜が少なくなりがちなお弁当では不足しやすいため、牛乳やチーズなどがあるとよいでしょう。ただ食中毒にはならないよう、しっかり保冷をして衛生面には注意してください。

冷凍食品の活用について

便利な冷凍食品

できれば毎回手作り弁当を持たせてあげるのが理想かもしれませんが、時間がないときはお惣菜や冷凍食品を活用するのも1つです。

ただし冷凍食品・加工食品にはリンが多く含まれているものもあり、多量のリン摂取はカルシウムの吸収を抑制するともいわれています。

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」には、リン摂取量の上限は子供については十分な研究報告がないため定められていませんが、極端に冷凍食品ばかりになってしまうのは考えものです。(詳細は「身長が伸びない原因となる食事」をご参照ください)

試合前はより糖質中心&低脂肪に

大事な試合のある日はエネルギー源となる糖質中心の食事にしましょう。反対に脂肪分の多いおかずは消化に時間がかかり肝心なときに動けなくなりますので、唐揚げやハンバーグなどは控えて低脂肪なメニューにします。

野菜のおかずも食物繊維によってお腹が張る原因になることがありますので、積極的にお弁当に入れる必要はありません。おかずもあっていいですが試合前の昼食はシンプルに、

①エネルギー源(おにぎり、パン、エネルギーゼリーなど)

②フルーツまたはフルーツジュース

の2点をおさえれば大丈夫です。

パンはおにぎりよりも衛生的で夏場に重宝します。ただロールパン・レーズンパン・ハムサンドなどはいいですが、カツサンド・クロワッサン・カレーパンなどは脂肪分が多いため、どちらかというと好ましくありません。

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ジュニアアスリートの昼食メニュー例

お弁当のメニュー例として「酢豚弁当」をご紹介いたします。酢豚は通常お肉を油で揚げますが、炒めて調理することで低脂肪になり、スポーツ選手にはおすすめです。

お弁当メニュー(酢豚弁当)

  • ごはん(200g)+ごま塩
  • ノンフライ酢豚
  • じゃがいものおかか煮
  • キャベツのオイスター和え
  • オレンジ 3切れ
  • チーズ 2P
カロリー 806kcal
タンパク質 34.3g
脂質 25.0g
炭水化物 106.0g

各メニューのレシピ

ノンフライ酢豚

材料(4人分)

食材 分量
豚もも肉 320g
A.しょうゆ 小さじ2
A.酒 小さじ2
A.おろししょうが 小さじ1/2
A.片栗粉 適量
玉ねぎ 1/2個
パプリカ 1個
ブロッコリー 120g
サラダ油 大さじ2
B.酢 90mL
B.砂糖 大さじ1
B.ケチャップ 大さじ2
B.しょうゆ 小さじ2
片栗粉 小さじ1
大さじ1

作り方

  1. 豚肉はひと口大に切り、Aをもみ込む。
  2. 玉ねぎは細切りにする。パプリカは1cm幅に切る。ブロッコリーは小さく分けて、熱湯で茹でる。
  3. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、片栗粉をまぶしたを焼く。
  4. 全体に焼き色がついたら玉ねぎ、パプリカを加えて炒める。
  5. 玉ねぎが透き通ったらBと水溶き片栗粉を加えて混ぜ合わす。
  6. とろみがついたら、ブロッコリーを加えさっと混ぜて出来上がり。

じゃがいものおかか煮

材料(4人分)

食材 分量
じゃがいも 2個
60mL
しょうゆ 小さじ2
みりん 小さじ1
削り節 1g

作り方

  1. じゃがいもは皮ごとラップで包み、電子レンジ(600W)で約3分加熱する。
  2. あら熱がとれたら皮をむき、ひと口大に切る。
  3. 小鍋にじゃがいも、水、しょうゆ、みりんを入れ、中火にかける。
  4. 汁気がなくなったら削り節をからめて出来上がり。

キャベツのオイスター和え

材料(作りやすい量)

食材 分量
キャベツ 200g(4枚)
オイスター
ソース
大さじ1
豆板醤 少々

作り方

  1. キャベツは食べやすい大きさにざく切りにする。
  2. キャベツを熱湯に入れ、しんなりしたらざるに上げて湯をきる。
  3. オイスターソースと豆板醤で和えて出来上がり。

ノンフライ酢豚弁当の出来上がり

まとめ

  • ジュニアアスリートは大人と同じかそれ以上の量を食べる必要がある。
  • お弁当のごはんとおかずの割合は1:1を目安にする。
  • 献立は主菜・副菜をそろえ、果物や乳製品もあるとなおよい。
  • 冷凍食品は便利だが、リンが多く含まれているものもあるためとりすぎに注意。
  • 試合前はより糖質中心で、かつ低脂肪のメニューにする。
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