こんにちは。管理栄養士の盛岡です。
最近はサバ缶が栄養価や利便性からとても注目されていますね。
以前に「身長を伸ばす食べ物・飲み物」の記事にて魚の缶詰が便利だとご説明しましたが、サバ缶はカルシウムが豊富で、その他の栄養素も多く含まれているため乳製品が苦手な方にもおすすめです。
そこで今回はサバ缶の栄養価や食べ方について解説し、後半ではおすすめレシピもご紹介したいと思います。
目次
骨づくりに嬉しいサバ缶の栄養素
カルシウム含有量
「日本食品標準成分表(2015年版)」によるとサバ缶(水煮)100gあたりのカルシウム含有量は260mgとなっており、コップ1杯(200cc)の牛乳よりも少し多いくらいです。
ちなみに缶詰ではない普通のサバ100gに含まれているカルシウム量は6mgとなっており、大きく異なります。
これは缶詰に加工するとカルシウム量が増える!、、、というわけではありません。
缶詰にする過程で骨ごと食べられるほど柔らかくなるまで調理しており、缶詰では骨の栄養素も加味してこの含有量になっているのです。サバの「身」自体には、それほどカルシウムが多いわけではないのですね。
その他の栄養素
カルシウムの他には、筋肉の材料となる良質なタンパク質や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含んでいます。
カロリーについては低いわけではありませんが、サバの脂はよく知られたDHAやEPAで、血中中性脂肪を下げるなど健康に良い効果があります。
また魚のDHAやEPAは光にあたったり空気にふれると酸化しやすいという欠点がありますが、真空保存になる缶詰ではそういった心配もいりませんね。
カルシウムとタンパク質の両方を多く摂取できる食品というのは、乳製品や魚の缶詰を除くとそれほど多くありませんので、サバ缶は強い体・強い骨をつくる上でとても良い食材といえるでしょう。
水煮と味噌煮で栄養素の違いはある?
サバ缶には水煮・味噌煮・味付け(醤油)といった種類がありますが、種類によって栄養素も以下のように多少異なります。
<100gあたりの成分量>
成分 | エネルギー | タンパク質 | 脂質 | カルシウム | ビタミンD | ビタミンB1 |
水煮 | 190kcal | 20.9g | 10.7g | 260mg | 11μg | 0.15mg |
みそ煮 | 217kcal | 16.3g | 13.9g | 210mg | 5μg | 0.04mg |
醤油 | 215kcal | 21.4g | 12.6g | 180mg | 5μg | 0.03mg |
参照:日本食品標準成分表(2015年版)
※液汁を除いた栄養価
水煮缶の方がタンパク質やカルシウムは多いようですが、メーカーや製造時期などによって変動することが大きいのではないかと考えられます。
食べる際のポイント
サバ缶から栄養をしっかりとる上では以下のポイントを抑えましょう。
①骨ごと食べる
先ほどもご説明しましたように、サバの身の部分にはカルシウムはほとんどありません。カルシウムも補給するためには骨ごと食べるようにしましょう。
②汁を捨てない
汁の部分にはサバのDHAや、流れ出てしまったビタミンB群などの栄養素が含まれていますので、できれば捨てずに料理に活用しましょう。
温めて食べる際のコツ
温めてそのまま食べる場合には、ひと手間かかりますが湯せんで温めるのがおすすめです。レンジで加熱すると、油分だけが先に加熱され、身がはじけてしまったり、温まる箇所にムラができてしまったりします。
鍋にお湯を沸騰させたら火を止めて、缶詰のフタを開けずに入れ、3~4分でちょうどいい感じに温まります。
サバ缶活用レシピ
ここからはサバ缶を普段の料理に活用したレシピをご紹介します。サバ缶は1缶あたり180gの容量のものを使用しています。
レシピ1:お茶漬け
食欲が出ない朝食にも食べやすいのが、サバ缶のお茶漬けです。だしは昆布だしを使うと、サバの風味と合わさって旨味が引き立ちます。
材料(2人分)
食材 | 分量 |
サバ缶(醤油) | 1/2缶 |
だし汁(昆布) | 300mL |
青ねぎ | 適量 |
白ごま | 適量 |
ごはん | 300g |
※青ねぎは小口切りにする。
栄養価(1人分)
カロリー | 326kcal |
タンパク質 | 10.5g |
脂質 | 4.5g |
糖質 | 57.8g |
食物繊維 | 0.6g |
カルシウム | 70mg |
レシピ2:味噌汁
にんじんと白菜も使った具だくさんのメニューです。だしはサバ缶の汁があるので、使わなくても大丈夫です。
臭みが苦手な方も多いと思いますが、ねぎや生姜を合わせるとかなり食べやすくなりますのでお試しください。
材料(4人分)
食材 | 分量 |
サバ缶(水煮) | 1缶 |
にんじん | 1/4本 |
白菜 | 1/2~1枚 |
味噌 | 大さじ2 |
おろし生姜 | 1かけ |
青ねぎ | 適量 |
水 | 600mL |
※にんじんは短冊切りに、白菜は食べやすい大きさに切る。青ねぎは小口切りにする。
栄養価(1人分)
カロリー | 83kcal |
タンパク質 | 7.8g |
脂質 | 3.8g |
糖質 | 3.0g |
食物繊維 | 1.2g |
カルシウム | 101mg |
レシピ3:トマトカレー
カレーは基本的に何を入れても美味しいですが、サバ缶を入れても美味しいです。ここでは水煮を使っており、トマトとよく合います。
材料(4~5人分)
食材 | 分量 |
サバ缶(水煮) | 2缶 |
にんじん | 1本 |
じゃがいも | 2個 |
トマト缶 | 1缶 |
にんにく | 1かけ |
カレールウ | 適量 |
サラダ油 | 大さじ1 |
水 | 200mL |
ごはん | 各300g |
※にんじん、じゃがいもは1口大に。にんにくはみじん切りに。
※サバ缶の汁とトマト缶を使うため、水は少なめです。
栄養価(1人分)
カロリー | 839kcal |
タンパク質 | 23.6g |
脂質 | 18.3g |
糖質 | 134.5g |
食物繊維 | 5.1g |
カルシウム | 210mg |
サバ缶と厚揚げのハンバーグ
鉄分はもちろん、カルシウムも豊富なさば缶、厚揚げを使い、成長期の子供の栄養補給にぴったりのメニューです。
お弁当のおかずにもなりますし、冷凍保存もできます。
詳細記事:厚揚げでつくるお魚ハンバーグ >
まとめ
サバ缶は調理の手間がないので、料理に使う場合にも時短になりますね。ぜひ普段の食事に取り入れて、タンパク質とカルシウム補給に役立てましょう!
参考文献
日本食品標準成分表(2015年版)