ジュニアアスリートの食事

ジュニアアスリートの食事3原則!スポーツをする子供に必要な栄養は?

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強く成長するスポーツキッズの食事のとり方

こんにちは!スポーツ栄養士の盛岡です。

スポーツが上達するためには練習を一生懸命することも大切ですが、栄養のある食事をちゃんとバランスよく食べていますか?

プロ選手を目指す野球少年・サッカー少年などのジュニアアスリートであれば、しっかり食事をとることも大切なトレーニングの1つです。

また子供のころから正しい食習慣を身につけることは、強い体づくりに役立つだけでなく、生活習慣病を予防し生涯に渡って健康でいるためにも役立ちます。

ここではスポーツをする子供の食事方法において大人と異なる点と、強い子どもに成長するための3つのルール、そして必要な食事量を簡単に計算できる「食事バランスガイド」の活用方法についてご説明いたします。

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スポーツをする子供の栄養摂取

従来、子供の栄養摂取については成年選手に準じた基準値が推奨されていましたが、成長の途中段階にある子どもは大人とはいくつか異なる点があります。

以下はスポーツをする子供の栄養摂取で考慮すべき点になります。

体重あたりのエネルギー必要量が多い

子どもは体重1kgあたりのエネルギー(カロリー)必要量が多く、例えば体重1kgあたりの基礎代謝量では、18~29歳の男性はおよそ24kcal/kgであるのに対し、6~7歳の男の子はおよそ44kcal/kgと倍近い差があります。

また、子どもの場合は基礎代謝分と活動分のエネルギーだけでなく、体を成長させるためのエネルギーも必要になります。

長期にわたって摂取エネルギーが不足してしまうと、身長が伸びにくくなり、生理不順や骨の形成阻害といったリスクを招いてしまいます。

子供は基礎代謝が多い上に、成長分のエネルギーも必要

1日に必要なエネルギーについて詳しく知りたい方は、「アスリートのカロリー計算」のページ中央にある「アマチュア選手や子どものエネルギー必要量」の部分をご参照下さい。必要な食事量については後述の「食事バランスガイド」を活用するとよいでしょう。

たんぱく質をより多く必要とする

エネルギーと同様、子どもは体を成長させるために、体重1kgあたりでは大人よりも多くのたんぱく質摂取が必要です。

たんぱく質は筋肉の材料になるだけでなく、体の免疫を作ったり、骨の形成を助けて身長を伸ばす働きもある重要な栄養素。

食べ物では肉類・魚・卵・大豆・牛乳に含まれており、具体的な摂取量については、後述する「食事バランスガイド」の「主菜」や「牛乳・乳製品」の量を参考にしましょう。

カルシウムをより多く必要とする

カルシウムは成長期に最も多く蓄積しますので、この時期にいかに蓄積量を高めておくかが、身長の伸びや大人になってからの骨量の保持につながります。

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」では、大人のカルシウムの推奨量は1日650mgとされていますが、小学校中学年の子どもでも大人と同程度の摂取量を推奨しており、さらに12歳からは男子で1,000mg、女子で800mgを推奨しています。

子供は大人よりはるかに多くのカルシウム摂取が必要

スポーツをする子供の場合はさらに、汗でカルシウムが排出されてしまうのでその分も摂取する必要があります。カルシウムは日本人が最も不足している栄養素の一つですので、特に意識してとるようにしましょう。

脂肪の利用率が高い

子どもは大人に比べて体積が小さいことから、体の糖質の貯蔵庫であるグリコーゲンの蓄積量が少なく、運動中のエネルギー源として脂肪が優先的に利用されやすいと言われています。

1日摂取エネルギーに対する脂質の割合は、「日本人の食事摂取基準」では1歳以上は年代に関係なく20~30%が目標量とされていますが、別の研究報告1)ではジュニアアスリートの場合は脂質エネルギー比率は25~30%がよいと推奨されています。

揚げ物や炒め物を特別に増やすように意識する必要はないですが、極端な脂肪分のカットはおすすめできません。

こまめな水分補給が必要

運動させる場合には、子どもは大人よりも熱中症になりやすいことに注意しなければなりません。

子どもの体は体容量に対する体表面積が大人よりも大きいため、物理的に熱しやすく冷めやすい特性を持っています。気温が体温よりも高い環境下では、体は皮膚から外気の熱を吸収していき、さらに発汗機能が未発達なため体温はどんどん上昇していってしまいます。

子どもは熱中症になりやすい

気温が暑いときや風邪をひいたとき、子どもの顔は真っ赤になりますが、子どもは決して”汗っかき”なわけでありません。顔が真っ赤になっているのはそれだけ熱が体内に溜まっているからなのです。

真夏日や猛暑日での長時間のスポーツはできるだけ控えるようにし、こまめな水分補給を心がけましょう。

スポーツ時の水分補給方法についてはこちら

ジュニアアスリートの食事3原則

原則1.様々な食品に馴染む機会を作る

ジュニアアスリートに最も重要なのは、食べ物に含まれている詳細な栄養素や、どれだけ食べるかを学ぶ前に、様々な食べ物を好き嫌いなく食べれるようになることです。

この時期の食生活は、大人になってからの食習慣に大きく影響します。子供の頃にいつも決まったものばかり食べていたら、大人になっても偏食が直らない可能性があります。

また外食があまりに多かったりしますと、濃い味付けものばかり食べるようになり、将来的に生活習慣病につながりかねません。

まずはアスリートにとっての食事の基本形である、主食・主菜・副菜・牛乳・果物をそろえたメニューにした上で、様々な食べ物を食事に取り入れることが大切です。

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【食事メニューの例】

アスリートの食事の基本形

それぞれの料理区分には以下のような役割があります。

  • 主食:運動する上でのエネルギー源や疲労回復に役立つ炭水化物の供給源
  • 主菜:筋肉や体の様々な組織を作るために必要なたんぱく質の供給源
  • 副菜・果物:体の免疫力を高めたり栄養素の代謝を助けるビタミン・ミネラルの供給源
  • 乳製品:身長を伸ばしケガを予防する強い骨づくりに必要なカルシウムの供給源

子どもの場合、野菜が苦手なことから主菜と副菜の割合が逆転してしまっている場合が多いですが、練習や試合でしっかり動くためのエネルギーをつくったり、大きく丈夫な体をつくるためには様々なビタミン・ミネラルがかかせません。

そのためにも、ビタミン・ミネラルを豊富に含む野菜や果物をしっかり食べることが必要であることを、子どもにもよく伝えて理解させることが大切です。

原則2.朝食を食べる

毎朝食事をとろう

1日を活発にすごすためのエネルギー源として、朝食を毎日食べることはとても大切です。ジュニアアスリートが朝食を抜いてしまうと、以下のような問題が生じてきます。

集中力の低下

朝は前日の夕食からかなり時間が経っていて、体のエネルギーが不足している状態です。このとき朝食を抜くと、エネルギーの貯蔵庫であるグリコーゲンが不足したままになり、最後まで集中して練習をすることができなくなります。

特に、午前中に練習や試合がある日には朝食でのエネルギー補給は不可欠です。普段朝食を食べる習慣のない子供が、試合のある日だけ朝食を食べようと思ってもなかなか口に入らないでしょう。そういった意味では早起きする生活習慣をつけることも大切です。

筋力や代謝の低下

1日に2食しか食べない状態ですと、体づくりに必要なたんぱく質を十分に補給するということも難しくなります。また、食事からのエネルギーが不足していると、体は不足分を筋肉の分解によって補おうとしてしまい、筋力や基礎代謝の低下を招いてしまいます。

体脂肪の増加

メカニズムは諸説ありはっきりしていませんが、朝食の欠食率と肥満率の高さには相関があることが多くの研究から分かっています。

原因としては、前述したたんぱく質の不足から基礎代謝が低くなることや、朝食の欠食により昼食や夕食で血糖値が急激に上昇し、摂取した糖質を体脂肪として溜め込みやすくなることなどが挙げられています。

原則3.おやつ(間食)を上手く取り入れる

おやつを上手く取り入れよう

体がどんどん大きくなる子供はたくさんの栄養をとらなければなりませんが、スポーツをする子供の場合は運動量が多いので朝・昼・晩の3食だけでは必要な量を食べきれない場合があります。

また暑い季節には夏バテもしやすく、食事量が減って体重が落ちてしまうこともあるでしょう。そんなときの栄養補給にはおやつが必要になります。

ジュニアアスリートにとっての間食は、3食でとりきれない栄養素を補給するための大切な「補食」です。

間食にはお菓子やインスタント麺など栄養価の低い食品ではなく、おにぎりやサンドイッチ、バナナ、果汁100%ジュースなど消化がよく、栄養価の高い食べ物がよいでしょう。

反対に、チョコレートやスナック菓子など脂肪分の多いお菓子は控えめにしてください。もし食べさせるとしても、「週に○回だけ」などと必ずルールを設けるようにします。

間食に向いている食品と向いていない食品

食べる量としては1日に必要なエネルギーの10%程度、100~200kcal程度が目安です。200kcalというとおにぎり1個分やバナナ+ヨーグルトくらいの量になります。

また運動直後は成長ホルモンが多く分泌され、栄養の取り込みと筋肉の合成が促進されるゴールデンタイムです。体の疲労回復を早め、筋肉の超回復を効果的に行うためには、運動後できるだけ速やかに栄養補給をすることも大切です。

運動後はできれば1時間以内にバランスの整った食事をとることが理想ではありますが、どうしても時間が空いてしまう場合の栄養補助として間食をとるようにするのもよいでしょう。

間食のとり方については「お菓子で大丈夫?アスリートの間食の選び方」にて詳しく解説していますので、こちらもご参照下さいませ。

スポーツをする子供の食事量

必要な食事量を把握するために、一つ一つの食品の栄養素をチェックしたり、食材の量を測ったりするのは大変です。そこで必要な栄養素量を大まかに計算するために、厚生労働省と農林水産省が策定している「食事バランスガイド」が役に立ちます。

食事バランスガイドとは

食事バランスガイドとは食事内容を主食・副菜・副菜・乳製品・果物の5つの料理区分に分類して、1日に必要な食事量として「何を」「どれだけ」食べたらよいかを、食品や料理単位で簡単に計算するためのツールです。

食事バランスガイド

食事バランスガイドと各料理区分のアスリートにおける役割についてはこちら

食品の数え方

この「どれだけ」の単位は、例えば果物の区分ではみかん1個は「1つ」と数え、一般的な成人男性は1日に2つ分の果物の摂取が目安に定められています。したがって成人男性の場合はみかんで換算すれば1日に2個を食べる必要がある、ということになります。

各料理区分の食品の数え方は以下のページをそれぞれ参考にして下さい。

ジュニアアスリートの摂取カロリーと食事量

摂取エネルギー(カロリー)と食事の目安量は以下のようになり、全体的には男子の方が少し多めになります。ただし女子は身長の伸びる時期が早いため、牛乳・乳製品に関しては8歳から多めにとるようにしましょう。

男子

年齢 エネルギー
(kcal)
目安量(つ)
主食 副菜 主菜 乳製品 果物
6~7歳 1,550~1,750 4~5 5~6 3~4 2~3 2
8~9歳 1,850~2,100 5~6 5~7 4~5 2~3 2
10~11歳 2,250~2,500 6~7 5~7 5~6 3~4 2

女子

年齢 エネルギー
(kcal)
目安量(つ)
主食 副菜 主菜 乳製品 果物
6~7歳 1,450~1,650 4~5 5~6 3~4 2~3 2
8~9歳 1,700~1,900 4~5 5~7 4~5 3~4 2
10~11歳 2,100~2,350 5~7 5~7 5~6 3~4 2

※エネルギー量は厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の、推定エネルギー必要量(身体活動レベルⅡ~Ⅲ)をもとに記載しており、成長に必要なエネルギー蓄積量も加味されています。

成長期の体重増加量の目安

大まかな食事量については分かりましたでしょうか。最後に、成長に伴う年間の平均的な体重増加量を下記の表に記載いたします(「日本人の食事摂取基準2015年版」より)。成長度合いには個人差が大きく出ますが、発育の目安として参考にするとよいでしょう。

 年齢 体重増加量(kg/年)
男子 女子
6~7歳 2.5 2.5
8~9歳 3.4 3.1
10~11歳 4.5 4.1
12~14歳 4.0 3.0

まとめ

  • 食事バランスガイドを活用し、色々な食品からバランスよく栄養をとろう
  • 朝食は毎日食べるようにして、エネルギーやたんぱく質をしっかり補給しよう
  • 間食では栄養価の高い食べ物をとり、食事で不足する栄養素を補おう

参考文献

菱田明・佐々木敏 監修:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」.第一出版,2014.
1) Bar-Or O: Nutritional considerations for the child athlete. Can J Appl Physiol, 26:S186-191, 2001.
日本体育協会:スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック,2013.
日本栄養士会 監修:「『食事バランスガイド』を活用した栄養教育・食育実践マニュアル」.第一出版,2011.
田口素子・樋口満 編:「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学」.市村出版,2014.
加藤秀夫・中坊幸弘・中村亜紀 編:「スポーツ・運動栄養学」.講談社,2012.
小林修平・樋口満 編:「アスリートのための栄養・食事ガイド」.第一出版,2001.

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